第6回:山古志の肝っ玉お母さん、多菜田のなつこさんが語る山古志とは
こんにちは、山古志の竹内です。
今日は山古志村民インタビューリレー6回目ということで、おらたるを飛び出して虫亀集落にある「山古志ごっつぉ多菜田」さんにお邪魔をしております。
今日はすごく大賑わいで、私も美味しい天ぷらそばをいただきました。
代表の五十嵐なつ子さんや多菜田のお母ちゃんたちがちょっと遅れて参戦します。
今日の山古志のお天気は小春日和ですごく天気が良くて、空も霞がかった春の空です。
天気が良いので、お客さんが多菜田さんにもいっぱいいらしてますが、おらたるにも数多くのお客様がいらしゃって下さいました。
3日後に開催する「古志の火祭り」もお天気の予報が出ているので、きっと多くの方が来てくれるのではないかと期待しています。
山古志の伝統食を支える農家レストランのお母さんたち
竹内:
今日は、多菜田のなつ子さんやお母さん方にも時間が合えばお話を伺えればなぁと思っております。
ちょっと調理場に侵入してみようと思います。
先ほど、すごい大賑わいでしたね!
今、画像お届けできないのが申し訳ないですが、すっごい美味しそうな天ぷらの定食の盛り合わせが目の前にあります。
美味しい匂いを届けたい!けど届けられないので、画像でシェアしたいと思います。
農家レストラン「山古志ごっつぉ多菜田」を立ち上げた熱い想い
竹内
では、改めて紹介します。
今日は山古志さんにインタビュー5回目ということで、山古志の大人気店「山古志ごっつぉ多菜田」の五十嵐なつ子さんです。よろしくお願いします。
なつ子さん:
よろしくお願いします。
竹内:
デジタル村民の方も、多菜田さんの天ぷら定食や煮物定食を食べたくて、それを目掛けて来ている方もいらっしゃると思うんですけど、今日はそんな大人気店の多菜田さんの代表をされている五十嵐なつ子さんにお話を聞いていければと思っております。
なつ子さん改めて自己紹介からお願いします。
なつ子さん:
山古志生まれの山古志育ち、山古志に縁があって貰ってもらったので、ずーっと山古志におります五十嵐なつ子と申します。
多菜田の代表をしております。よろしくお願いいたします。
竹内:
よろしくお願いします。👏
じゃぁ自己紹介を含めてなんですけど、多菜田さんという農家レストランを始めたきかっけから教えていただけますか。
なつ子さん:
18年前の中越大震災の後に、この店を立ち上げました。
母ちゃん4人で立ち上げたんですけど、あの震災がなかったら多分こういうお店なんか出さずに、平凡に山の母ちゃんで暮らしていたんじゃないかなぁと思います。
多菜田のきっかけは、4人の友達で!
なつ子さん:
虫亀地区にも闘牛場があり、年に3回ぐらい闘牛を実施しておりました。
その時に「母ちゃんや、何か食べるものを出してくれないかのぅ」と言われて、じゃあ「おらたちで何か出来ることをしようじゃないか」ということで始めた時に、「こんな山の中の私たちができる料理で喜んでもらえた」ということと、
お越しいただいた方が私らとの交流がとても楽しく思ってくださって、それが1つのきかっけになって。
こんな山の食材で喜んで食べてもらえることと、私らがそういうのを作れるという喜びを感じたのが先ず一つのきかっけになりました。
もう一つは、中越大震災で仮設住宅から2年後に山古志に戻ってきて、とっても全国の方々から助けていただいて、応援していただいて、私たちは元気にこの地に戻ってくることができました。
「なんて、人様は、国民の皆さまはこんなに温かいのだろう!」と想い、本当に目から鱗で。
そしたら、私らがそれに応えるにはどうしたらいいかな?と考えて、私たちができることと言えば、
・この地で元気に暮らしている、そういう姿をお見せすること
・山古志に来た方に、私たちがここでこんな風に楽しく頑張っていますよ、というのを見ていただきたい!
この地で少しでも休んでいただける場を私らが提供出来たらなーということで、立ち上げました。
山古志の母ちゃんの味を伝えたい!
昔からここは僻地ですので峠越え、山古志村から峠を一時間半くらい麓まで歩い行かなければ、
私が子供のころは、そうしなければ長岡の街に出られなかったので、子供は冬の間はいっさい外に出られなかったのです。
でもそういう中だから、自給自足に対しての地域の人たちの想いが非常に強くて、食べ物に不足することがなかったんですね。
こんな山の中ですから、いろんな物は食べられないかもしれないけれども、この地で私たちが腹いっぱい食べられるような工夫というものがずーっとありましたので、
こういう僻地でいっぱい作れないかもしれないし、耕地も狭いんですけれど、私は絶対美味しいと思っていましたので、そういうのをいろいろな方々に食べていただけるのはすごく嬉しいことだよなぁ。
私の他の3人というのが、しっかりと山古志の母ちゃんをしていた人たちなので、料理はうまいし野菜作りもうまいし、そういうことを昔から脈々と受け継いでくれていたので、この人たちの腕をこのままで終わらせるのはもったいないなぁという想いもありました。
復興に向けての大きな一歩
復興支援金で、
私らが農家レストランをやるとしたら応援いただけますか?」と県の方にお伺いをしたら、「やぁ、母ちゃんたち待ってたよ、頑張ってくれや。いくらでも応援するよ!」
って言ってくださったので、それでやってみようと立ち上がったのが始まりです。
竹内:
いやーすごいですよね、地震があったからこその切っ掛けということもあって。
オープンしてから今年で何年経ちましたか?
なつ子さん:
平成20年に立ち上げたので15年くらいですね。
竹内:
えーすごい、大人気店で。
さっきも一緒にご飯食べさせてもらった方が「ご飯がうまい!」と言って3杯お代わりしたんですけど。(笑)
ご飯と手作りの煮菜(新潟の郷土料理)が美味しいと言って、「煮菜だけで2杯食った」といってましたけど。
山古志のなつ子さんを始めとしたお母ちゃん方の、家庭料理と郷土料理が大人気のお店ですね。
母ちゃん目線の多菜田へのこだわり
なつ子さん:
こういう多菜田のような地味かもしれないけど「素朴な店」があってもいいじゃないかなと、モダンなものには走らないようにしようという想いは強いです。
この想いは大事にしたいな。
でも、地域の人にお弁当を頼まれたりオードブルを頼まれたりとかした時は、モダンなものを食べていただこうかなという工夫をしているつもりです。
竹内:
山古志に来る山古志地域外の方にも楽しんでいただけるし、実際に山古志の中でも老人会から子供のイベントまで、本当にニーズに合わせていろいろなお弁当を作ってくださってますよね。
私たちもいつも無理難題をなつ子さんにお願いして、「子供が来るから辛くないおにぎり弁当お願い」とか「老人会だから酒のつまみになるものお願い」とか、いろんなお願いをしてしまうんですけども。
それでも「まかしとき!」という山古志の母ちゃん気質で全てまかなってくれる素敵なお母さんです。
なつ子さん:
やっぱり、ずっと母親をしてきているから、そういう想いをもって母ちゃんたちだけで、女だけでこの店をやることに意義があるんだといつも思っています。
竹内:
みんなのお母さん、みたいな感じですね。
なつ子さん:
そうですね、母ちゃん目線でやることにこだわっています。
山が大好きななつ子さんのプライベートに直撃
竹内:
すでに、素敵なお話を伺っているんですけど。
多分、多菜田を営業されていて、皆さんに食べていただくことが、プライベートというかお仕事で境目なく嬉しいことなのかなと思うんですけど。
プライベートな一面を伺おうかなと思います。
今、山古志の虫亀集落に住んで、多菜田を運営されていて、お仕事も含めて山古志に住んでいて好きなこととか得意なことを教えてもらえますか?
なつ子さん:
どっぷり山古志人間なので、何といっても山が大好き、畑大好き。
春の芽吹きとともに山菜取りに入ります。
竹内:
山が呼んでるー!
なる
そう、明日は山に入る前の日の夜は、興奮して5分おき3分おきぐらいに目が覚めます。
竹内:
遠足の前の…
なつ子さん:
みんなが畑をやっているので、畑の話題をしたり「じゃ、私も挑戦してみようかな」と、畑の作物を作ることはすごく楽しいですね。
手作りこんにゃく芋を作ったり、コクがある長芋を作るとか、もちろん神楽南蛮とか夏野菜とか秋は越冬用の野菜をつくったり…。
いろいろな野菜を作る楽しさがありますね。
なんてたって、秋になれば...
竹内:
アレが出てくる
なつ子さん:
「あまんだれ」。この辺では一番のナラタケなんですが、あまんだれはこの辺で一番のごっつぉでして、あれを採るのがとても楽しいです。あと、なめことかも採りに行きますが。
得意なことは「ズボラ」でいること
なつ子さん:
本当にズボラで何にもしなくて。。。
得意なことは、どんなにこれ嫌だなとか、切ないなとか人生の中にはいろいろなことがあるんですけど、今晩は一晩眠れないかなと思っても、いつの間にか寝てしまう。
クヨクヨしないこと。ズボラでもあるのですが。
疲れたと思ったらすぐ寝る、茶碗なんて今日洗わないで明日の朝洗うとか。そういう風にしているところがありますが、それが自分を支えているんじゃないかな。
人様のように細やかじゃないところが私です(笑)。
竹内:
なつ子さんはこういう人柄なので、いろんな方からいろんなところから相談とか来ると思うので、身が持たないところもあると思うんですけど、それだけやっぱりその人柄がこのお店の雰囲気とかにもなってるかなぁ。
なつ子さん:
ズボラがいいんですよ。
竹内:
ありがとうございます。
本当に、とことん山古志が好き、趣味も山という感じですよね。
デジタル村民との交流を通じて感じたこと
竹内:
そんな生粋の山古志人の多菜田さんに、デジタル村民の皆さんが既にリピーターだったりとかファンの方が結構いらっしゃるんですけども。
もしかしたらお食事に来た時にお話とかされたかもしれないんですけど、デジタル村民の存在ってどう思われますか?
なつ子さん:
山古志はどんどん人口が減っていくし高齢化も進んでいるんですけど、そんな山古志の中で、私たちが元気に暮らしていきたいなという想いはもちろんあるのですが。
そんな私たちを応援してくださるので、私たちと一緒に山古志を盛り上げてくれるので、やっぱりうれしいことだなぁと思います。
過疎化とか限界集落と言われるんですけどそうならないように、土地の魅力を一生懸命探して私たちをバックアップして下さって、一緒に楽しみたいと思って下さるので、私は本当にありがたいことと思っています。
竹内:
ありがとうございます。
なつ子さん:
何もわからないのだけど、「私たちをずっと見守り続けてくださる方が常にいる」ということは、ここで暮らしているものとしては心強いことだなぁと思っています。
何もわからなくてごめんさい。
竹内:
いや、全然。
逆に、震災の後に多菜田さんを立ち上げる時もそうだし、全国の皆さんがあの震災の時だけでなくて今も引き続きいろいろな意味で応援しくださっているので。
いっぱい多菜田さんのファンもいらっしゃると思うんですけど、同じく山古志のファンが、なつ子さんや山古志の人に会えば会うほど惚れ込んでくださっているのがデジタル村民の方々なのかなぁと思うので、今日はこうやって生のお話をデジタル村民の方にも届けたいなと思っています。
なつ子さん:
話になるような話じゃなくてすみません💦。
竹内:
いや、全然。
多菜田でつながるデジタル村民
竹内:
実際、ふと食べに来て「デジタル村民です」という方いらっしゃいますか?
なつ子さん:
いらっしゃいますよ。
私が厨房にいてここには出ないから、他のスタッフが接してくれています。
前からよく来てくださっているお客さんが「この方もデジタル村民になってくださったんだ」という方もいらっしゃいますよ。
竹内:
もともと多菜田のリピーターのお客さんが、デジタル村民になってくださった。
おー!!!
なつ子さん:
そうなんですよ、そういう方も来られます。
竹内:
なるほど。
デジタル村民の方がここにきて、コーヒーをご馳走になってしまって申し訳ないと言っていたんですけど。
なつ子さん:
(コーヒーは)ありがとうございます、という気持ちで💕。
竹内:
食後のコーヒーをご馳走になっているデジタル村民の方が多いと思いますが...、ありがとうございます。
そろそろ
お時間も22分になってきたんですけど。
もうすぐ春が来てそわそわしてくる頃かと思うんですけど
今週末の「古志の火祭り」にも多菜田さんが出展されると
古志の火祭りにデジタル村民の方も数人、現地に最後だということで来て下さる方もいますし、来れない方にはyoutubeのライブ配信でしようと思います。
ぜひニコニコ母ちゃんの顔を現地で、朗らかななつ子さん:子さんに会っていただければなと思っております。
なつ子さん:
古志の火祭りがもう最後なんだなと思うとしんみりする。
天候にもある程度恵まれるみたいなので、頑張りたいな!
竹内:
最後ね。
因みに何を出されますか?
なつ子さん:
五目おこわと醤油おこわ。
そばとうどん
自分たちが1つ1つ手打ちをした内豆と、つまみになるような惣菜セット。
そば稲荷とか、煮菜とか、手作りこんにゃくとか、神楽南蛮コロッケとか...
竹内:
めちゃめちゃ品数出しますね。
なつ子さん:
火祭り当日は最後なので全員で火祭りに行くので、お店はお休みします。
みんなで同じ想いで同じことをしようと!ということで店を閉じます。
竹内:
多菜田チーム総出で古志の火祭りに挑むということですね。
なつ子さん:
毎年来てくれているボランティアの方にも応援いただいて、一緒にやりたいと思います。
竹内:
楽しみですね。私も当日は食べさせていただきます。
なつこさんの伝えたい想い
竹内:
最後なんですけど、多菜田さんのファンの方、デジタル村民の方への一言メッセージをお願いできますか。
なつ子さん:
もう私らも高齢化をしているんですけど、でもこの店を無くしたくないなぁという想いが強いから、ここの素朴な味をずっとずっと皆さんに愛されるように、もう少しもう少し頑張って行こうと思っています。
「山の食」、絶対私はそれなりの贅沢だと思っているんですけど、この美味しさをぜひまた食べにおいでいただきたいなと思っています。
そのために、味が落ちないようにみんなで頑張りますし、一生懸命に野菜とかを作って、山古志のお米も合わせて、こだわり続けたものにしたいなぁと思っています。
竹内:
ありがとうございます。
なつ子さんは、私がまだ結婚する前の仮設住宅に私が入った時からずっと目をかけていただいて、一緒に山に帰ってきて、一緒にこの多菜田のメニューを何にしようかということに携わらせていただいて。
本当に私の山古志のお母ちゃんの1人なんですけど、こうやってデジタル村民の方にもファンになっていただける方が多くて、私としてもすごく嬉しいんです。
次の村民インタビューリレーのバトンは?
竹内:
名残惜しいところではあるのですが、「山古志村民インタビューリレー5回目」の次回は
デジタル村民の方にバトンをつなぎたいと思います。
多菜田チームの皆さんもすごく個性豊かなお母さん方がいっぱいいるので、できればお一人お一人行きたいところなんですけど...、また折を見てお母さん方お一人お一人をフューチャー出来ればと思います。
今日は本当にありがとうございました。
なつ子さん:
ありがとうございました。皆さんよろしくお願いします。いつも感謝してます。
村民インタビューのリアル視聴はこちらから
下記のtwitterのリンクから、リアルの「第5回村民インタビューリレー」がお聞きいただけます。
メンバー紹介
ファシリテーター:rui (今回はリスナー参加)
「村民インタビューリレー」の企画発起人。
山古志DAOで、コミュニティマネージャー兼モデレーターとして活動中。
Twitetr: @rui_max_03
note: https://t.co/iTmbmLwN5Z
山古志住民会議 竹内
山古志のリアル住民とデジタル村民をつなぐブリッジ役にて、さまざまな活動で担当。
Twitetr: @nishikigoiNFT / @yamakoshiMTG
note: https://note.com/yamakoshi1023
第5回目のゲスト:
山の肝っ玉お母さん 農家レストラン多菜田の五十嵐なつ子さん