【2019年11月5日(火)動楽亭 昼席】

今日はその名も“声量デカすぎ寄席”でした(笑)
勝手知ったるという気心知れたメンバーで、さぞ楽屋は楽しかろうという雰囲気w←勝手に想像w)

いやもう、気ぃ抜けすぎですやんってポイントがいくつかあって。
みんな所々噛むし。キャラの名前間違えたりするし。マクラでお客さん引かせるし。
サゲ前の肝心なところ忘れるし。
他の人の出番中やのに窓開けて中座させるしくじりする人おるし(笑)
でもなんかそれも、いい。
っていうか、それが、いいw
むしろこのメンバーなら許せる。
そして何より可愛い。
それがLIVE(ライブ)の面白さ。
“ナマ”ならではの良さが味わえて、「あぁ、やっぱり午後休とってまで観に来て正解やったなぁ」と実感。
自分の選択に間違いはなかった。

二番太鼓が鳴る。いよいよ開演。
自分はお囃子も混みで寄席を楽しむ派なので、ここは外せない。
特に能管のリードにはいつも特に注目している。
好きな噺家さんだと、クセがあるのですぐわかる(笑)

♪ピーヒョーーーーピホッ 「ゲホッ‼︎ゲホゲホ‼︎」

えーーーー‼︎‼︎‼︎‼︎
今日の笛、瀕死やーーーーーんっ‼︎‼︎‼︎(  Д ) ⊙ ⊙

な、なんか、音もカスカス……。
今日の笛、だれ…………_| ̄|○

なんとか吹き終わり、下座から声がする

「やっぱうまいわぁ〜 やっぱ上手いでぇ〜」

えっ、誰が?(╯⊙⊱ ⊙╰)←こら)

どれのひと?誰がうまかったん?
笛?ふえなん?
ってか、言うてるあんさんどなたさん?
間違いなく、笛は瀕死でしたよ?←まだ言うか)

嫌味でなければ、笛の人に向けられた言葉なら、この御仁、そーとータチ悪い(笑)

そして今日のお客様層としては、マダムが多かった。8:2でマダム層である。
きっとほぼ紅雀氏のファンの皆さまと言っても過言では無い気がする。
さらに始まると同時に、最前列センター上手よりのオジサマ、いきなり寝る。
足を投げ出したまま、俯き、目を閉じる。最悪である。
せめて最初のネタ途中まではちゃんと見たれよ…。

他にも暗黙のマナー的なことを違反しているお客さんなど、いろいろなんか気になるけど、
石段が鳴り始めたので高座に意識集中……

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開口……桂 小鯛【ガマの油】
 結構豪華な開口一番(笑)
小気味よい語り口で、序盤からお客様を魅了。声量、大。めっちゃ聴こえる。
むしろ聴こえすぎて少し痛い。選ぶ席重要。
 マクラが少々弱めの気がしたが、開口一番なのできっとこのくらいなのかな。
今日の布陣を考えると、体力のペース調整が必須なので小鯛氏ナイスジャブであった。
 小鯛氏の落語の魅力は、とても頭の良さが見てとれるクスグリと、キャラ設定である。
「マジかよー!(≧ω≦) なにその着眼点!好き!!!」と、多少落語を知っている人であればクスグリの高度さにキュン死寸前である。とにかく頭が良い。
それでいて噺を弄りまわさない。筋はキチンと通していることがわかる。
本当に落語が好きなのだと、伝わってくる。
 今回、小鯛氏のガマの油は初めて拝聴したが、抵抗なくすんなりと受け入れられた。
(もともとガマの油が苦手)
むしろ、後半に小鯛ワールドが炸裂するので、カチッとハマる人は抱腹絶倒であろう。
現に今日のお客様方にはカッチりハマっていたようだ。
是非一度、ご覧いただきたい一席。
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二ツ目……桂 吉の丞【披露宴】
 アウトレイジな眼つきでご登場(笑)
暖色の縞模様の着物がギャップを醸し出しており、可愛くてとても似合う。
小鯛ワールドを引き裂くかのようなパワープレイ。オラオラ系(笑)
声量、爆音。少し掠れた声がセクシーでもありながら、やはり聴く席によっては痛い。
 吉の丞氏の魅力はなんと言っても“彼自身”にある。内に隠せない。ついつい大放出してしまう人情溢れる人間味。そして結構内気でシャイなところ。(と、勝手に思っているw)
なので先輩達は氏のこういうところが好きなのであろうと感じる。人情味溢れるいじらしさに、ついつい抱いてしまうのではないか。(ここでいう“抱く”とは、笑福亭由瓶氏出の「一緒に仕事をする、自分の勉強会に相棒として呼ぶ」の意である)
そして見た目とは裏腹に(失礼)もの凄くマクラに時事ネタをぶっ込んでくる。そして落としどころもセンスがいい。こういうところもギャップ萌えである。
 今日のネタは自作であろうか?とても面白く、氏が演じるのでより味が出ていたように思う。爆笑である。もうこの辺で少し笑い疲れてきている。
少しネタバレてしまい恐縮なのだが、
登場人物は『ヤス』『セイジ『おやっさん(組長)』。
半ばで、「ヤス、(セイジの結婚式で)スピーチするときは俺のそばについといてくれよ」というおやっさんのセリフだと思うのだが「セイジ、俺のそばについといてくれよ」と新郎であるセイジの名前が出てしまっていた。今日はそこが残念。
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三ツ目……桂 南天【いきだおれ】
 とてもリラックスモード満載の本日の最年長者(笑)声量、爆裂‼︎‼︎
ライブハウスでスピーカー前を陣取ってしまったときのようである。
しばらく耳がポワポワしている感覚がする(笑)
久しぶりに南天師匠を拝聴なので、楽しみ。これもまた番組ポジション的に豪華。
(以前、同昼席で少しウトウトしてしまったときに、狙い撃ちの顔芸で起こされて以来w)
だがしかし、マクラで紅雀氏を弄りすぎて…というか紅雀氏のお客さんを弄りすぎて思わず客席が波のように引いていく音が聞こえる(笑)
ちょっとアドレナリン出すぎ師匠w
少し客席が離れた距離からのスタートだったがここもさすが南天師匠の魔法。
なんと言っても顔芸が堪らないのだが、持ち前の“爽やかな気持ちのいいアホ”を前に客席を気持ち良く笑いへ誘ってくれる。
“今、この瞬間”を一生懸命に生きるアホ描写が実に素晴らしい。気持ちいい。
この不器用な男を堪らなく愛おしいと思う。それは南天師の持つ技量に他ならない。
ライブならではのハプニングも起こり、なんか得した気分(笑)
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仲トリ……桂 米紫【まめだ(豆狸)】
 先ほどのハプニングの犯人をあっさりバラす(笑)
マクラは“自分のこと棚にあげる系マクラ”(笑)
ぜひ南青山あたりでやっていただきたいwwwwww
声量、マクラでは爆音だが、今回は“まめだ”だったのでわりと落ち着いたボリュームで手加減(笑)
過去、都んぼ時代にお客さんからアンケートで「都んぼ、うるさい」と書かれるくらいお墨付きの声量。どこにいても傍受。
 先日、自身の噺家25周年記念 25日間連続落語会を終えたばかりなのに相変わらず大忙しの師匠である。
最近こそ丸くなったと感じることがあるが、やはりパワー系。
いや、むしろパワー系の筆頭。ざこば師の遺伝子を受け継ぐに相応しい。
なので今日も覚悟していたのだが、あっさりとした人情噺へ。
いつもが“爆笑パワー系”なら、今回は“しっとりバラード系”とでも言おうか。
米紫師のまめだは、優しくて儚くて、愛おしい。
米紫師の魅力は、自身が誰よりも落語の世界に浸かり、客席をどっぷりと落語沼へ引き摺り込んでいく迫真さである。
幽体離脱して、第3者として物語を見守っている気持ちにすらなる。
秋風にイチョウの葉が舞い、もうすぐ冬の訪れを感じさせる。
 余談ですが、まめだが貝殻をひっつけて行き倒れているシーンは、客席から結構笑いが起こっていたけど、そこは笑うとこでいいんかなぁ……。気持ち的に笑えるんか…?狸、死んでんねんで?
まぁ、笑う箇所に決まりはないねんけど、ちょっとココロがもにゃもにゃしました。
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モタレ……桂 歌之助【七段目】
 いつ見ても若々しい(笑)
歌之助氏を拝聴するのは実に久しい。自分の落語ブランクの激しさが伺える。
声量、中。大きい声出したら死んでしまうんちゃうやろかと心配になるので良し。
 歌之助氏はいつまでも若いので(お顔が)、若旦那を演じても全く違和感がない。
そしてええとこの坊ちゃんに見えるので、御大家役が板につく。
親旦那を演じても違和感もない。っていうか、老けてない。老けない。
DNAオバケである。←言い方www)
所作が綺麗でクサくない。「私、舞踊やってるから所作が綺麗でしょ〜オホホ」と、ひけらかす感もない。そのまま、美しい。っていうか、女性っぽくて好き。
お芝居ものをやるとき、①所作の綺麗さの中にも気持ち的には「ここが見せ場でっせぇ〜!綺麗だっしゃろ!?(誰やねん)」と、心のうちに男が現れてるパターン。
②ただただ美しく、優しい。もうほんま女性。「ここで決まった!」とか、ドヤ顔しない。
の2パターンに分かれると思っている。(個人論です)
自分は、あまりドヤ感が見えない方が好きなので、歌之助氏の所作には感服致すところである。今日のマクラは微妙。
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トリ……桂 紅雀【不動坊】
 南天師匠が5分押した(らしい)ので、時間的に危うかったのか、マクラをしない方が得策と踏んだのか、飛び出すやいなやいきなりネタへ。
氏のファン列から「えぇ〜…」と、少し残念がる声が。まぁ、好きな人のマクラ聴きたいよね。ファンサみたいなもんやもんね。←ドルヲタならでは)
 唐突だが、紅雀氏と南天師は仲が良い。心なしか、どことなく髪型も似ている。なんか背格好も似ている。顔芸に走るところも似ているような気がするが、紅雀氏の演じるアホは、振り切るよりも少しツッコミテイストが溢れているというか、ええ感じでバランスのとれたアホ といった風が見受けられた。
 不動坊の中での個人的なスーパーヒーローは、なんといっても利吉っつぁんである。
だって、真冬の雪降る夜に、自分の家の表から縛り上げられた人が降りてくんねんで。怖いやろ。普通。
それを驚きもせず「何の用じゃい!」て………。まぁ、キレる気持ちもわかるけど(笑)
ここは、紅雀氏ならではの目のつけどころがきらりと光っていて、今度はマクラも合わせて見たい1作。
最後の最後にトチって……惜しかったね。
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本日は大入満員でした!昨日(11/4(祝))は半分やったそうな。

さてさて。明日は繁昌亭昼席なるぞーーーっ!

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