ススミルができるまで 制作〜本番編(3/3) 〜How SUSUMIRU?
「日常」のなかにある「非日常」をどう表現するか、どう「見せる」か
「非日常」をどのように見せるか、「見る」体験をどのように作るか、UIの検討には時間をかけました。
説明がなくても成り立ち、迷わず「見る」ことに集中できる直感的な方法であること、自分で操作をしている感覚が味わえること、没入感があること、に加えて、コロナ禍なので鼻や口を覆ったり密閉しないようにしたい、などいくつかの軸を持って検討を重ねました。
プロトタイピング
先述の最終形にいたるまでには、試行錯誤を繰り返しました。
筒は円筒なのか、三角筒なのか、円錐筒なのか。
当初は筒自体を動かして自分も前後に動くことでより没入感のある体験になるのでは、という想定をしていたため筒が前後に動く機構をどうするか、etc.
段ボールやミラーシールを使ったプロトタイピングを繰り返しました。
ブース面積の縮小で筒の可動域が狭まり、実寸に近い段ボールの筒を動かしてみると、かえって没入感が阻害されているように感じました。
そこで、前後移動ではなく重心の移動で操作する方向に切り替え、より自然な操作を追求。
筒の大きさや覗き口の広さなども併せて再検討しました。
最終的には、壁を手で押すと進む自然な動きに落とし込み、万華鏡の原理で内側を鏡張りにして没入感を高めました。
また、その直感的な操作方法から、作品名は 進んで見る=「ススミル」としました。
社内レビュー、そしてラストスパート
体験方法が決定し、制作は一気にスピードアップしましたが、まだまだやるべきことは山積みです。
残りのタスクを洗い出し分担しましたが、それらを進める過程でも検討や工夫が必要なことが多く残されていました。
他の通常業務と並行で進行していたこともあり、日ごとに各メンバーの負担は大きくなっていきました。
なんとか形になったところで社内体験会を実施。
初めて自分たち以外の人に体験してもらい、改善点や調整箇所が判明すると同時に、緊張やわくわくする気持ちも湧いてきました。
体験会を終えて、あらためてタスクの確認を行い、本番まで黙々と作業を続けました。
会期スタート
怒涛のラストスパートを経て、いよいよ本番!
実際のブースに壁や筒を搬入して組み立てると、ただの四角い展示ブースというより全体が1つの装置のように見えました。
展示空間の構成・デザインについては議論を重ねた点の1つだったため、安堵感とともに良いスタートを切れました。
☆ ススミルの動画は→ こちら
会期中はメンバーが交代でブースに立っていたので、体験者の様子や声を直接見聞きできるだけでなく、他の出展者の方々と交流することもできました。
こういった思いがけない繋がりや楽しみがあるからこそ、リアルな展示っていいなと改めて実感しました。
最終的に、3日間で371名の方にススミルを体験していただくことができました。
会期を終えて
あっという間に会期が終了。
記憶が鮮明なうちに、ということで日をあけずメンバーで振り返りを行いました。
スケジュールの兼ね合いで断念してしまったことや、もっとこだわりたかった点など、振り返ってみると反省することも多く、それに付随してメンバー間の協力体制やコンセプトワークの重要性など多くの課題を見つけました。
と同時に、自分たちの手で作品を作ること、多くの人の目に触れることの純粋な喜びや楽しみも再認識しました。
次は何を作ろうかというところから、PAJAMASはゆっくりとまた始動しています。
見つけた課題と向き合いながら、活動を継続していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
*この記事は、3部作の最後の記事です。ぜひ他の記事もご覧ください!
ススミルができるまで 制作〜本番編(3/3) 〜How SUSUMIRU? (この記事)
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