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SLもおかに乗ってきたお話

3連休を利用して、ちょっとだけお出かけしてきました。
計画していたわけではないのだけど、流石に年末年始で何もせずに終わってしまうと、人間らしい生活をするスイッチが切れてしまうので。

んで、どこに行こうか迷ったのだけど、それなりに近場がいいだろうということで関東圏に絞ったわけです。そして、行き着いた結論がこちら。

SLもおか C12 66。かわいい。

はい、今回はSLもおかに乗るために下館に向かいました。下館は小山から水戸線に乗り継いで20分くらいで来られるので、関東民なら割とアクセスもしやすい。
前々から乗ってみたいとは思っていたのだが、春〜秋にかけてはSLに乗るなら高崎から出ているSLぐんまを優先してしまうので、SLもおかにはまだ乗ったことがなかった。今はちょうどJRのSLはお休みの期間なので、乗るなら今かなぁと思って足を伸ばしたのだった。

下館〜茂木を走る真岡鐵道では毎週土日にSLを運行している。運賃に500円を追加することでSL乗車券を購入できる。真岡鐵道のホームページで予約できるほか、余裕があれば当日券も出る。体感としては繁忙期でなければ当日券も大抵でそうな雰囲気。

ちなみに今回の運行は「SLもおか 新年号」と銘打って、日章旗を掲げたお召し列車っぽい仕様。これはかっこいい。
牽引するC12 66号機は日本で唯一動態保存されているC12なので、これまた貴重なSLである。去年は大きめのSLに乗ることが多かったので、小さいタイプ(タンク機)に乗るのは久しぶり。タンク機はかわいいので好き。

SLもおかの50系客車

C12 66に牽引されるのは50系客車。まだ北海道や九州で同型の客車が使用されているがどれも改造されているため、原型ママの50系客車は真岡鐵道でしか走っていない。これまた貴重。
もともと通勤用で使われていたらしく、ボックスシートとロングシートを兼ね備えたセミクロスシート仕様。加えて吊り革と扇風機も装備しており、本当に国鉄時代の装備のままである。
ちなみにエアコンはついていないので、SLの蒸気で車内を温める蒸気暖房となっている。これはJR東日本の旧型客車もそうですね。クーラーはついていないので、夏場はレトロな暑さも体験できるらしい(笑)

扇風機には「JNR」の文字が……
ゴミ箱に「酒田運輸区」の文字。
羽越線で使われていたのかな。

全車自由席なので適当に座席を選ぶ。家族連れも多くボックスシートは埋まっていたので、ロングシートに座ることにした。SL列車のロングシートなんて座ることないから、これはこれで楽しい。

そして定刻通りに下館駅を発車。するといきなり列車はスピードを上げていく。これはかなりの加速……。小さなSLのせいか加速に伴う反動もかなりあって、客車内ではガッシャンガッシャンと色んなものが揺れていた。
速度を測れるアプリを取り出してみると、およそ60キロ程度まで速度が上がっていた。C12のスペック上の最高速度は70キロくらいなので、どうやら全力で走っているようである。

JR東日本のD51 498、C61 20、C58 239、C57 180はいずれも本線を走れる中型〜大型のSLなので、本気を出せば80キロ以上は出せるところ、負担がかかりすぎないように60キロ〜65キロ程度に抑えて走っている。つまり、かなり余裕を持った運転をしているのだ。
だが、このSLもおかのC12は同じ60キロでもかなりフルパワーに近い。SLでこんな疾走感のある運転をしてくれるのはなかなかないので心が躍った。
(ちなみにJR西日本のSLやまぐちがC57 1とD51 200でフルパワーに近い運転をしてくれるが現在故障中。)

列車は快調に飛ばして途中の真岡駅に到着。
ここには真岡鐵道の車両基地があり、他のSLも保存されている。列車用ではないけど、動いたり汽笛を鳴らしたりすることもある。

客車から出てる白い湯気が蒸気暖房

真岡駅では10分ほど停車してSLを見学したりできる。
反対側のホームにいる子どもたちがたくさん手を振ってくれた。
真岡駅発車の後も最大60キロのスピードで飛ばしていく。C12ってこんなにスムーズに加速するんだなぁと実感したのだけど、これはやはり機関士さんの腕も良いんだろうなぁ。

車窓を眺めていると、関東平野に住宅地とのどかな田園風景が広がっていて、景色は決して絶景とは言えないかもしれない。でも、こんな穏やかな景色を力強いSLで走り抜けるのはとても楽しい。もしかしたら、今まで乗ってきたSLのなかで、最もSLが景色に馴染んでいるように見えるかもしれない。

下館駅を出てから1時間30分ほどで終点の茂木駅に到着。
あっという間だった……。茂木駅には転車台があるので、そこで方向転換をして帰りの運行に備える。私も転車台での作業を見学して、お昼ご飯を食べにいくことにした。

バックしていく列車。かわいいけどかっこいい。
お水と石炭を補給中。

茂木駅の徒歩圏内に観光地があるかと言われると…………なのだが、15分ほど川沿いを歩くと、「道の駅 もてぎ」があるので、そこでお昼ご飯を食べたりお土産を買ったりできる。
そして、この「道の駅 もてぎ」では道の駅グルメグランプリで3連覇を果たしたゆず塩ラーメンが提供されている。

私もここはラーメンを……と思ったのだが、とんでもない行列!!
ラーメンだから回転早いかもしれないけど、これは流石に並ぶのしんどい。ということで、他のお店でお蕎麦をいただくことにしました。こっちも少し待ったけど、ラーメン屋よりは待ち時間短め。わっぱ飯と天ぷらもついたセットが大変おいしかったです。ちなみにここを出てからもラーメン屋は大行列でした。繁盛してて何より。
デザートにたい焼き屋さんに寄って、豆乳クリーム入りのたい焼きを購入。これがもうめちゃくちゃにおいしかった。しかも皮が柔らかいタイプ!!
パリパリ薄皮よりも、もちもちの生地のたい焼きの方が好きなので最高でした。また食べたい。写真は撮り忘れた。

食べたりお土産選んでたりしてたらあっという間に時間が過ぎたので、再び茂木駅に戻る。C12は給水を終えて客車に連結されてました。この辺りの作業も見るならちょっと早めに戻ってきても良いかもね。

ホームに入れるようになるまで待機中。
黒い煙も出してくれた。かっこいい。

帰りも同じようにSL列車に乗って下館駅まで戻る。
ちょうど道の駅の目の前を線路が通っているのだが、たくさんの人が手を振ってくれる。愛されてるんだねぇ……。まだまだ陽が落ちるのも早いので、ちょうど夕陽の時間を駆け抜けることができた。

今回のTwilight Sky

こうして下館駅まで戻り、この日の旅は終わりました。帰りのSLはなんだか安心して少し寝てしまった。
ちなみに下館〜茂木は普通列車で1時間15分ほどで、SL列車で1時間30分ほど。大抵のSL列車は観光列車ということもあって、普通列車と比べてかなり運行時間が長くなるのだけど、SLもおかはほとんど変わらない。かなりC12が頑張って飛ばしている気がする。

私は鉄道というのは使う以上、どこかに行くという目的があったうえでの移動手段として使いたいと思っている。でも、SLは乗るだけでも大きな目的になるし、こうして気軽にSLに乗りに来られるのは凄く幸せなんだと思う。世の中も大変なことだらけだし、自分自身もまだまだ落ち着かないのだけど、少しでも楽しい時間を過ごしたい。その最初の一歩として、SLもおかはとても良い時間を過ごさせてくれたなと思う。またそのうち、遊びに来ます。

お疲れ様でした!

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