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#34 冬はお寝坊ツーリングもあり
以前、ライダーの朝は早い、、という一般的な習性について書いた↑
とはいうものの、冬のバイク乗りにとっては必ずしもそうとは限らない。確かに、夏であれば朝の澄んだ空気を吸い込みながら、ほとんど車のいない峠道を駆け抜けるのは至福のひとときだ。しかし、現実問題として、冬の朝にスパッと布団から飛び出せるような気概を、僕は持ち合わせていない。布団はまるで優秀なホステスさんのように、僕の意志を巧みに絡め取る。布団から出て身支度を整えなくてはならないのに、「あと5分だけ延長、、」とスヌーズを繰り返しながら、ふと気づけばもう9時を回っていたりする。
しかし、ここで大切なのは、寝坊したからといって諦める必要はない、ということだ。そもそも、バイクに乗る理由は「自由」ではなかったか? たとえ予定より2時間遅れようとも、それが何だというのだろう。目的地があるわけでもなく、誰かと待ち合わせをしているわけでもない。ならば、出発時間が遅れたところで、それは「遅刻」ではなく「予定変更」になる。
僕の経験則に基づく話だが、冬であっても朝の7時から10時くらいまでは、むしろ交通量が多い。レジャーに出かける家族連れや、ロードバイクの集団、週末の朝を有効活用しようという張り切ってる系のドライバーたちーーー僕とて起きられればそちら側に居るんだがーーーが動き出す時間帯だ。そういう彼らと一緒に走ると、どうしてもストップ&ゴーが増えてしまい、ツーリングのリズムが乱される。
ところが、これが11時を回ると、途端に道路が空いてくることがある。ちょうどこの時間帯は、早起き派のライダーたちが食事休憩に入るころであり、観光地に向かう車も目的地に到着しているころだ。つまり、「朝の静けさ」を堪能することはできなくても、「意外とそこそこ空いてる穏やかなひだまり」を味わうことができる。
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冬のツーリングにおいて、気温は重要な要素だ。よく「早朝の澄んだ空気が気持ちいい」と言う人がいるが、気持ちいいかどうか以前に、冬の朝は単純に寒い。特に、日の出からの2時間くらいが一番気温が低い傾向にある。張り切って8時9時に目的地に勇んで到達すると、凍結してることもある。危ない。せっかく頑張って早起きしたのに、凍結路で転んでしまってはもう誰にも八つ当たりできない。対して、昼前に出発すると、気温は多少なりとも上がっているし、日差しがあればそれなりに暖かさを感じることができる。さらに、帰りを夜にすれば、夕方の帰宅ラッシュを避けることもできる。
では、遅めの出発のデメリットは何か? これは、行き先次第だ。遠出をしようとすると、どうしても日没までの時間が気になってしまう。冬は日が短い。気持ちよく走っていると、あっという間に暗くなってしまう。けれども、同じくらいの明るさであっても、夜明け前と日没後では気温に大きな差があり、夜8時くらいまでは辛うじて日中の温もりの存在が感じられる気温に下げ留まる。
だから僕は、寝坊してしまった朝でも焦らない。むしろ、「ああ、今日は遅番なんだな」と思うようにしている。どのみち、朝にしろ昼にしろ夜にしろ、バイクに乗ることそのものが楽しいのだから。重要なのは「何時に出発するか」ではなく、「どんな時間を楽しむか」だ。
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水拭き程度ならなんとか済ませておける
もし、あなたが冬の朝に布団から出るのが億劫で、うっかり寝過ごしてしまったとしても、大丈夫。ソロツーリングに「遅刻」はない。むしろ、寝坊したおかげで、昼の空いた道を悠々と走ることができるかもしれないし、暗い帰りの夜道にラーメン屋の新規開拓くらいはできるかもしれない。とはいえ、結局のところ、こうして自分に都合のいい理屈を並べているだけなのかもしれない。朝、さっと起きられる意志の強さと、冷え込みに耐える胆力、そのどちらも欠けている僕にとっては。
とはいえ、夏はやっぱり早起きに限るけどね。