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#35:満を持して愛車紹介(合理的選択理由:前編)【ヤマハ FJR1300AS】

満を持して語る:FJR1300ASここが好き(合理的な理由編)

 バイク乗りのNoteを拝見していると、だいたい最初の記事で愛車紹介が自己紹介とともにされていたりする。さして大人気車種、というわけでも無いので需要が無さそうかな、とか、せっかく書くならリキ入れて書きたいな、、などとブツブツ思いながらずるずると30本ほど記事を書いてきたが、そろそろ機は熟したような気がするので書いてみようと思う。相当気に入ってるので遠慮なく書きたい(読み手の都合は二の次・・)我儘をご容赦頂ければ幸い。

バイクというのは単なる移動手段ではない。少なくとも僕にとっては、そういうものではない。FJR1300ASは、ライダーとして熟した(ズボラさと我儘を身に着けた)僕を寛大に受け止め、ひっそりと、それでいて確実に僕を支えてくれる相棒だ。まるで、余計なことは言わず、それでいて決して見放さない(たぶん)僕のつれあいのように。

今回はそんなFJR1300ASの、合理的な魅力について語ろうと思う。情緒的な話はまた次回に回すとして、まずは「理に適っているからこそ愛せるポイント」について整理しておきたい。


① 25Lタンクと驚異の航続距離

「FJR1300ASの燃料タンクは25リットルです」と聞いて、ふーん、それで? という反応をする人は、長距離ツーリングにそこまで思い入れは無いのかなと思う。たぶん。

このバイク、満タンで最低400km、状況が良ければ500km以上走る。僕は実際に富山から浜松まで一日で無給油で走ったことがある。これはつまり、走りながらガソリンの心配をしなくてもいい、ということだ。ツーリング中に「スタンドあるかな」とビクビクしながら走るのは実にストレスフルだが、FJR1300ASはその心配をほぼ消し去ってくれる。

ボリューミーなタンク。朝満タンにしておけば、
日中に2回以上ガソリンスタンドに寄る事は無い。
高知県:足摺岬近くにて

ズボラな僕がガソリン残量を気にしなくて済む。これは、それだけで大きな安心材料になる。
もちろん満タンの時と、給油警告が出るころでは車重がかなり違ってはしまうが、バランスが良いのか自分が鈍感なのか(おそらく後者)左程は気にならないのも地味にうれしい。もちろん急制動などの距離は変わるとは思うけど。


② 市販車最強(多分)な明るさのヘッドライト

夜道を走るときの心細さといったらない。漆黒の山道でヘッドライトが頼りないバイクに乗るのは、闇夜に裸で放り出されるようなものだ。しかしFJR1300ASのヘッドライトは違う。とにかく明るい。工場出荷状態でこれほど明るいバイクを僕は知らない。「爆光」という言葉がふさわしい。

こんな暗い夜道が
この有様である
さらにハイビーム点灯
住宅街で使う事はあまり無いが
夜の山中だとコレがありがたすぎるのだ。

これだけ明るいと、夜の山道で鹿やイノシシの飛び出しにも素早く対応できる(実際にはできないこともあるが、気持ちの上では随分違う)。視力が落ち始めた五十路のオジサンでも未明や夜の暗さが怖くないのは、それはそのまま一日の移動範囲が増えることを意味する。
被視認性という意味でも圧倒的で、他の車からも見落とされにくい。とはいえ、その明るさゆえに、ツーリング仲間には「お前、後ろだと眩しいから先頭走れ」と言われることがほとんどなのだが。「暗いと不平を言うよりも、進んで灯りを点けましょう」という古い格言を体現できるバイクである。


③ 圧倒的な積載力

FJR1300ASのパニアケースは、もはや「バイク用」とは思えないほどの収納力を誇る。左右のパニアだけでヘルメットが入るほどの大容量。1〜2泊のツーリングなら余裕でこなせるし、お土産を買っても困らない。ロングツーリングともなると、気象条件の変動幅も増えるので、場合に応じたウェアで走りたいが、出がけに迷うくらいならケースに突っ込んで行けるので、ずいぶん気が楽である。
パニアケースは横開きなので、使い方には若干コツを要するが、慣れてしまえばどうということは無い。

パンク修理キット、雨ガッパ、折りたたみ椅子を片側で余裕で呑み込む。

さらにトップケースをつければ、長期ツーリングも可能。ただし、メーカー的にはトップケースとパニアを併用することは推奨されていない。理由は操縦安定性の問題らしいが、正直なところ、少しぐらいの荷物ならびくともしない。僕は、FJR1300ASは「多少の無理は聞いてくれる懐の深いバイク」だと信じている。家で待つ家族への罪滅ぼしとして、気の利いたお土産の調達がマストな家族持ちのオジサンも大満足なのだ。

トップケースを付ければ複数泊のツーリングの荷物も
全く問題なく積載できる。
もちろん防水なので雨に濡らす事もない
@四国カルストにて



④ 長時間ライドでも快適な幅広シート

ツーリング中、1日の半分以上をシートの上で過ごす長距離好きなバイク乗りにとって「お尻の痛み問題」は深刻だ。しかし、FJR1300ASのシートは幅広で適度なクッション性があり、長時間ライドでも疲れにくい。かつて、僕は4日間で2,500kmのツーリングを決行したことがある。普通のバイクなら途中でお尻と腰が悲鳴を上げるところだが、FJR1300ASは最後まで僕を支えてくれた。

違いのわかるシニアなニャンコも気に入るシート
@三重県、尾鷲のホテルの駐車場

乗り心地の良さは、旅の質を大きく左右する。ズボラな僕が何も気にせず「やば、、、どこまででも行けそう」と思わせてくれるシートの存在は、実にありがたい。


⑤ 余裕の出力と扱いやすい特性

1300ccのエンジンを積んでいると聞くと、多くの人が「パワーは十分すぎるほどあるんでしょう?」と言う。確かにその通りだ。しかし、このバイクの魅力は、ただ速いことではなく、その出力特性の「ちょうどよさ」と「躾の良さ」にある。

コントロールがしやすいので巨体に似合わない
シビアな酷道でも落ち着いて走る事が出来る。
未知の景色を求めたい僕に丁度いい。
@兵越峠(長野県/静岡県)

高出力モデルにありがちな、バイクの方から「もっと開けろ、飛ばそうぜ!」と煽られることなく、どんな速度域でも従順にスピードが保ちやすく、ひとたびスロットルを開ければ「あ、イクんですね?それならば」とばかりに激烈に加速し、追い越しの際にも一瞬で安全な位置に持っていけるだけのパワーを持っている。しかし、それでいて神経質な挙動がなく、あらゆる一定の速度を保って巡航するのが実に楽なのだ。新東名でギリギリおそらく捕まらないだろう速度はもちろん、休日、サンデードライバーであふれるトロトロとしたペースの峠道ですら、イライラせずに優雅に流せるポテンシャル、、というかフトコロの広いバイクは実はそうたくさんあるものでは無い。

マラソンの先導をする白バイにも採用されるFJR
低速域の扱いやすさとどっしりとした安定感
と同時に、見た目に似合わぬ機敏さを両立している

おまけに、高速道路でクルーズコントロールを使えば、エンジンは静かに、そして力強く、どこまでも安定して回り続ける。右手の力もかけず、ひたすら景色や周囲の状況にアテンションを割くことが出来る。
これがいかに一日1,000㎞前後の長距離走行時の疲れを軽減するか、経験した者にしか分からない。

ということで後半に続きます。需要あるのかしら、、、。

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