北海道の旅の記録
10月7日土曜日、私は岡山空港にいた。お付き合いしている方が所属している合唱団の演奏会を聴きに北海道に行くためだ。そのついでに観光を楽しみたい!という算段だ。
土曜日の午前10時台の航空機。岡山発羽田行きに搭乗。羽田で乗り継いで新千歳に14時台着。レンタカーを借りて無謀な、とても無謀なドライブに出た。
トヨタレンタカー新千歳空港カウンターは長蛇の列。手続きを済ませて、実店舗行きの送迎バスに乗り込み10分。そこでさらに長蛇の列。15時ごろに車を手配していただき、昭和新山へ向かう。もちろん、高速道路は使わないとどうにもならない。16時過ぎ、昭和新山・有珠山の駐車場に着く。ギリギリでロープウェイに乗ることができるということがわかり、後先考えずに乗車する。
昭和新山は赤茶けて独立峰そのままにそびえている。戦時中に突如として隆起してできた火山だ。有珠山も立派に活火山であり、私も幼いころにニュースで有珠山噴火の報を見聞きし、とても記憶に残っている。いまさらながらきちんと調べてみると2000年に噴火している。私が8歳のころだ。
有珠山山頂駅から洞爺湖~昭和新山と眺めると海も近いことが見て取れた。私にとっては有珠山はもっと内陸にあるイメージだったので、少しばかり驚いたが、何よりも、さすが北海道である。気温が一桁であり、南国から来た私には寒すぎた。すぐに下山する。
有珠山を降りて少しお土産屋を見ると17時後半には陽が落ち始めていた。そのまま、洞爺湖が目に入っていたのもあり、適当に調べて道の駅とうや湖を目指す。近いようで距離がある。到着したころには真っ暗で、なにがなんだかわからない。はるか先に見える明かりが洞爺湖温泉であるらしいのは分かった。後ろを向けば羊蹄山、とのことだがわからなかった。南国人には珍しい、路肩を示す矢印を写真に収める。20時にはレンタカーを札幌駅前の店舗に返すことになっていた。札幌までの距離を見て恐ろしく焦る。
車のカーナビでは2時間、スマホのカーナビは1時間で行けるとのこと。スマホを信じてみた。定山渓温泉を通り、スマホもカーナビも同じルートを通り、1時間で辿りつけた。車の流れるスピードが高速道路でも思ったが、速い気がする。
なお、実店舗前で私は迷子になり、お店の人に救出していただいた。その節は本当に迷惑をかけてしまった。
10月8日、彼女は札幌コンサートホールでリハーサル。開場・開演まで時間がある。昨年、札幌に行ったときに立ち寄れなかった北海道神宮で御朱印を頂戴する。その後、二条市場で3000円もする海鮮丼を食べる。食事の3000円は高く感じるくせに、漫画やらなんやらには抵抗がなくなる現象は何なのだろうか。
時間ギリギリと分かっていながら、成田山新勝寺の札幌別院と豊川稲荷札幌別院にも立ち寄る。ゆるゆるしていたら本当にギリギリになり、慌ててタクシーを捕まえて札幌コンサートホールに向かう。
彼女は男声合唱団に所属する女性メンバーで、綺麗なテノールを歌う。今回のプログラムは最終ステージに男声合唱組曲「富士山」が。私はこの富士山が好きなのだ。これだけでも来る価値があった。演奏はとても素晴らしいものだった。
10月9日、中島公園のホテルを出て新千歳空港行きのリムジンバスに乗り込む。帰りは岡山空港直通の航空機。曇り空で若干、気流が不安定。2時間ぶっ通しで飛行機の座席に座るのは存外きつい。私に欧米旅行などは不可能かもしれないと感じた。
今日と明日も有給休暇。こんなにも仕事に行きたくない。だが、少しずつ、現実と向き合うことにする。
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