2022年7月の記事一覧
ジョージ・ソーンダーズ『短くて恐ろしいフィルの時代』
舞台は国民が一度に1人しか住めない極小国家〈内ホーナー国〉とその周りを取り囲む〈外ホーナー国〉。ある日、ただでさえ小さい〈内ホーナー国〉の領土がさらに縮小するという椿事が勃発。これによって不法侵入問題が発生します。
その時、これまで平凡な男と思われていた主人公、フィルが不法侵入者から税金を徴収することを提案し、さらに脳がラックから滑り落ちて地面に落下したとたん、声高にヒステリックに過激な排外主義
サマセット・モーム『月と六ペンス』
あまりに有名なので、すっかり読んだつもりになっている古典というのがいくつか…いや、かなりあるのですが、本作もその一つでした。最近硬い傾向の読書が続いていたので、息抜きによくできた小説を読みたいと思い手に取ったのですが、期待通りに楽しめました。やはり名作は一度は読んでおかなくてはと改めて思った次第。
40過ぎまで家族と平凡に過ごしていた男、ストリックランドがある日突然それら一切を投げうって、絵に全