2023年5月20日土曜日。
ちょっとエッセイ的に今日の出来事を。
本日の東京は、かなり久しぶりにいわゆる初夏の気候と言う感じで、湿気もなく暑すぎもせず、たまに少し涼しい感じもあり、とても過ごし易い日でした。
午前中から二つドクターアポイントメントを終え、病院帰りのいつものルーティンで大好きな明治神宮へ。
私はだいぶ晴れ女の方だと思っているんですが、特にここに来る時は晴れている事が多く、その前にどんより曇っていたり雨が降っていたりしても、本殿に着く頃にはなぜか青空が見える様になる、もしくは快晴になる事がとても多いのです。
そんなわけで本日も類に漏れず、砂利道の参道に辿り着く頃にはすっかり晴れとなっておりました。
気持ちの良いジャリジャリとした音を聴きながら、少し冷んやりとした緑の葉が放つ空気を吸いつつたどり着いた本殿は、先月に比べると人、人、人!
特にたくさんの外国人観光客で賑わっていて、ああ、東京の週末がやっと本格的に戻ってきたんだな〜、と少し感慨深くなりました。
お参りを終えて(ちなみに参拝する時には、どこの誰で年齢は幾つです、名前は〇〇です、と言うところから開始した方が良い、と聞いたので、心の中で長々とその申し述べをしていたら、後ろで若い男性が「長々とすっげー欲深ー」と呟いてきましたが、全く無視してきちんとご挨拶をしてきましたです。それにしても、ああやって面と向かって意見として言わずに、陰口で呟く人達ってほんとにどうなんでしょうね?)ベンチに腰掛けて、ちょっと最近色々抱えていた頭、心、エネルギーを整えてリラックスしていると、二人掛けのベンチだったので、空いている席に入れ替わり立ち替わり色んな人がやって来ました。
(1)恐らくマレーシアからの老夫婦(会話の最後に「ラー」とか「マー」とか付いていたのでそこで推測(笑)。)奥様は車椅子だったのですが、夫さんの方がとても紳士的なジェスチャーで「お隣いいですか?」とお声掛け下さったので「Sure sure, Of course! (もちろん!)」と快諾し、なんとなく少し話しをする。
(2)アメリカ人の男性が、プニプニむちむちで物凄く可愛いい少しグズリ気味の赤ちゃんが入ったベビーカーと空のべビーカーと二台、一人でとても頑張って押しながらやって来ると、大事そうに赤ちゃんを抱えて先程まで老紳士が座っていた席に座る。
グズグスだった赤ちゃんも抱っこされたらおとなしくなり、私と目が合ったので「Hi!」と手を振ってあげたらニコニコし始め、そこからその男性(と赤ちゃんもね!)と少し話しをする。
少しすると奥様と上のお嬢さんがやって来る。奥様はアジア人で見た感じ日本人かな、と思ったので「こんにちは、日本人の方ですよね?So you speak Japanese, right? I guess...?」(日本語話しますよね?)と声を掛けたら「Where are you from?」(どこから来たのですか?=ご出身は?)と聞かれたので「Oh, I'm from Japan, I am a local here」(私は日本人です、ローカル民です)と答えたところ「え、そうなの!?私は台湾人よ」と言われ(推測を誤った私が言うのもなんですが、私は一体何人に見えたのでしょう…(笑)。眉毛だけ書いたすっぴんメガネでオールバックのポニーテール…)しばし歓談をした後「そう言えば隣の公園(代々木公園)でタイフェスティバルやってるのよ!私たち今行くんだけど、あなた何時までここにいるの?」的な流れから「よかったら一緒に行く?」と聞かれそうな雰囲気になり、それはそれでとても嬉しかったのですが、それとなくまだその場にいたい事を匂わせ笑顔でお別れ。ちゃんとお友達になっていたら楽しそうだったかな、と後で少し後悔。
(3)アジア系の年配のご夫婦。またも夫さんの方が隣に座る。またも恐らくマレー語(ちょいちょい中国語っぽい単語まじりの)だったので、マレーシアの方なのかな、と思っていたらシンガポールから昨日着いたばかりと言うことが判明。(ちなみに言語はやっぱりマレー語でした。)
お話好きな方で「私、友人がシンガポール出身で今も住んでますよ、今でも連絡を取っています」と伝えると「君、なんで英語話せるんだい?その子とはどこで知り合ったの?」と言う話になり「二人とも同じアメリカの音大に通っていて、そこで会いました〜」の話の下りから、私の音楽を聴いてみたいと言う事になり(!)音楽サブスクは特に何もしていないとの事だったので、YouTubeの配信リンクを教えてあげるとその場で直ぐにスピーカーで聴き始めてくれて、でもそれはさすがに恥ずかしかったので止めてもらい(笑)「宿に戻ったら聴くよ!SNSとか後で見つけたら登録するし!」と思わぬところで私の音楽を聴いてくださる方に一人出会えてしまいました(笑)。
そこからシンガポールに移住する際のビザの話やあれやこれやにまで発展し(笑)、なんやかんや色々楽しくお喋りをして、そこで一旦さようなら。
(4)アジア系の男の子二人が一人がけ席に座り、恐らくヨーロッパ系の女性が少しの隙間に座りたそうだったので、私もそろそろ潮時かな、と思い「どうぞ」と譲って、ひとまず帰路に。
座っていた時間なんて1時間半位だったと思うのですが、色んな人とたくさんお話ができた、不思議で楽しい明治神宮でした。
そんな爽やかな明治神宮を後にし、明治通りを歩いて渋谷へ。
渋谷駅の切符売り場付近の壁沿いで、携帯電話でメッセージを打っていると、カタコトの日本語で「すみません、新宿三丁目がボードに書いて無いのですが、どこで切符は買えますか?」らしき事を聞かれる。顔を上げたらアジア系の男の子で、スーツケースに書いてある文字はハングル。英語と日本語と、どっちの理解の方が楽なのかな?と思い「So do you wanna go to 新宿三丁目?」と聞いてみたら反応が微妙。なので日本語にスイッチして一緒に切符の機械を探し、無事に購入成功。最後までとても丁寧に、かつ爽やかな笑顔で「どうもありがとうございました!」と無事改札に向かって行きました。
その直後、やり取りを後ろで聞いていたアジア系のカップルの方達が今度は英語で「新宿三丁目まではいくらだか知りたいのですが…」と声を掛けてくる。先程切符を買った機械のすぐ目の前にまだ居たので、購入のお手伝いをし、彼らも無事に改札へと消えて行きました。
そう言えば、渋谷から明治神宮に向かう際には電車を使ったのですが、ICカードのチャージが足りないところにたまたま現金の持ち合わせが小銭しかなく、だいぶ久しぶりに切符を購入してみたところ、切符に書いてある「東京メトロ」の文字に「これって副都心線の切符じゃなかったのかな?」と心許なくなり、駅員さんのところに寄ったんですね。
結果「これで大丈夫ですよ!」と言う事になり、「ならよかった〜」とその場を去ろうとしていたところ、入れ替わりで入って来た男性が駅員さんに向かって「Do you speak English?」(英語話せますか?)とだいぶ慌てた様子で話し掛け始めました。最近は駅員さんでも簡単な英語は分かる方は多いみたいだし、ここ渋谷だし、きっと余計なお世話をしなくても大丈夫でしょう〜、と背を向けて行こうとしたら、背後からかなりハッキリした語調で思いっきり
「NO!」
と聞こえてきたんですね。
助けを求めたその方はだいぶ緊迫した様子で、
「If you don't, does anyone else speak English??」(もしあなたが話せないなら、他に話せる人は居ますか?)
と畳み掛けていたので、即座に振り返って
「I do I do! So what's your problem? What's going on? I can help」(私話せますよ!どうしたんですか?)
と聞き返したんですね。
聞けば、改札を通る時に切符を入れて、それから赤ちゃんを抱えて通り終えたら切符が戻って来ないとの事。
「今から出掛けるんですか?ここで出口ですか?出口なら切符は戻りませんよ?」と伝えると、今から出掛けるところだと言う。ならおかしいですね、と言う事で改札に一緒に行って詳しい話を聞くと、出掛けるのでは無くここで降りたいと言う。そして更に詳しく話を聞くと、ワンデイフリーパスの切符だから、出入りする時はいつも必ず戻るはずの物であるとの事。
駅員さんに改札の箱を開けて貰い、その吸い込まれてしまった切符を取り戻し「どうしてまだ乗れるのに、今回は戻らなかったんですかね?」と聞いてみたところ「普通は戻るんですけどね〜、ただ差し込んでから抜き取るまでに時間が掛かったら回収されますね」と言うじゃ無いですか!
そう言えば切符を入れてから赤ちゃんを持ち上げて移動したって話だったな…と思い「切符は急いで取らないと、吸い込まれるらしいですよ」と伝えると、彼も「あー、赤ちゃんか!」とそこで納得し、ホッとした様子で、家族皆さんでニコニコと去って行きました。
この一連の話を、簡単な会話くらいなら大丈夫な駅員さんが説明するのは多分無理だったろうな…、と思ったので、私は偶然その場に居合わせる事ができて良かったなと心から思いました。
きっとチャージが足りなかったのも小銭しか無かったのも、ここでこの人達をヘルプするためだったのね〜!と妙に納得して、私自身も清々しい気持ちで神宮に向かったのでした。
人助けができるって、なんか凄くありがたい事ですよね。自分でも誰かの役に立つ事ができるんだなあと思わせてもらえるだけじゃ無くて、お礼まで言って貰えて感謝の気持ちまで向けて貰える。
今更ながら「情けは人のためならず」の本当の意味に深く感じ入りながら振り返る、気持ちの良い初夏の土曜日なのでした。
みなさまもどうぞ良い週末をお過ごしくださいませ。