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2024年 読んでよかった本
2024年読んで良かった本をまとめてみました。順不同です。2024年、読書量としてはあんまりだったけれど、それでも好きな本に出会えたので良い1年だったと思う。あまり感想を書くのが上手じゃなくて、もどかしいのですが書いてみることにします。
『あらゆることは今起こる』柴崎友香
ADHDの診断を受けた作家が、自分の中で起こっていることを考え、書いた本なのですが、めちゃくちゃ面白かった…。ADHDの特性が云々…というよりも、柴崎さんによる日常の解釈、柴崎さんの物語…!やはりケアをひらくシリーズは良い本が多いな、と思った。
『火葬人』ラジスラフ・フクス
Xで一時期話題になっていた気がする。てっきり几帳面な火葬人の狂人っぷりを描いたホラー小説かと思っていたが、読み進めていて違うことがわかった。こうやってユダヤ人迫害が広がっていったのかと思うと恐ろしい。去年は映画『関心領域』も見たので、ホロコーストについて考えるタイミングが多かった。今年は戦後80年か…。テーマを決めて読書してもいいかもな。
『日本人が移民だったころ』寺尾紗穂
紗穂さんのフィールドワークの賜物!当たり前だけれども、人の数だけ歴史がある。歴史をただ学ぶだけでは知ることのなかったエピソードがたくさんあった。あと、地元近くの地名が出てきてびっくりした。
『楽園の夕べ』ルシア・ベルリン
まさしく珠玉の短編たち。もったいなくてちまちま読んだ。かっこいい登場人物に、どこかからりと乾いたこれまたかっこいい文章が大好き。「雨の日」「わたしの人生は開いた本」「新月」あたりがお気に入りでした。「物語こそがすべて」と題された息子によるあとがきも良かったな。
『そこから青い闇がささやき ベオグラード、戦争と言葉』山崎佳代子
山崎さんの詩人としてのみずみずしい眼差しを通して描かれる、戦争、人々の暮らし…。お恥ずかしながらコソボ紛争について殆ど知らなかったので、ちょこちょこ調べながら読みました。
『空をあおいで』こだま和文
心の砂地というポッドキャストをやっているシャーク鮫さんに選書していただいた中の1冊。ダブトランペッターのこだまさんのエッセイ集。子ども時代のこと(ご家族のこと)を書いたエッセイが印象に残っている。飾らない言葉で書かれていて、こだまさんのお人柄がわかるよう。関係ないですが、こだまさんの写真付きごはんのツイート、好きです。
余談だけれど、著者のご家族が亡くなったときのエッセイを読む機会があると、いつか来るであろう(わたしが先に死なない限り)親の死について考えるよね…。
『くらしのアナキズム』松村圭一郎
「人生はプロセスそのもの」なんていうパンチラインが序盤に出てきて怯んだけど、いかつくないアナキズムの本!フィールドワークや松村さんの体験を交えて、‘’よりよく‘’なるように生きてくためにはどうしていったらいいのか考えるきっかけになった。
『ガルヴェイアスの犬』ジョゼ・ルイス・ペイショット
図書館で気になって読んだ本。ポルトガルのとある村に謎の物体が落ちてきた。謎の物体からは硫黄のにおいがする…。硫黄のにおいは村に充満しているけれど、痴話喧嘩に殺人、兄弟喧嘩、などなど…謎の物体とは関係なしに、今まで通りの暮らしを送っている村人たちのエピソードが連なります。ああだこうだ言いながらみんな死に向かってるし、自分たちが徐々に死臭(とまでは書いてないけど!硫黄のにおい)を放っていってることにも気づかないんだよなあ、とゾッとした。
8冊選んでみました。今年はどんな本に出会えるかな〜といまから楽しみです。今年の裏目標は『失われた時を求めて』を読み進める、です。いけるかな。
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