【回顧追記あり】2023年フェブラリーS・出走馬全頭考察【そねみのラップタイム分析】
みなさんこんにちは。そねみです。
すごく久しぶりのnoteになります。
正月に所信表明を書いてからは活動の場をTwitterに移し,重賞レースを中心に毎週末予想を出しながら競馬と向き合ってきました。
目標にした回収率には遠く及ばない現状ですが,予想の数をこなすことで,自分で開発した指数の特徴や予想への生かし方が少しずつ見えてきた気がします😊
さて,待ちに待った2023年初の中央G1です!
今回は出走馬全頭を主にラップ適性の観点から考察したいと思います。地方馬や外国馬など,ラップ面からは考察できない馬もいますのでその点はご容赦ください💦
それでははじめましょう。
参考になったという方はぜひ「スキ!」いただけるとうれしいです🙇よろしくお願いします😊
レースの特徴
フェブラリーSが行われる東京競馬場のコース図と,過去10年のレースラップです。
芝スタートであることで有名な東京ダート1600m。スタート後の直線が長いことも特徴で,3角突入まで約600m向正面を走ります。またゴール前の直線は約500mですから,いかに直線部分の長いコースかがわかると思います。4回コーナーを回るチャンピオンズカップ(中京1800m)や帝王賞・東京大賞典(大井2000m)とはラップ構成が全く異なります。同じマイルJpn1で比較すると,当然かしわ記念(船橋1600m)よりも南部杯(盛岡1600m)のほうが性質は似てきます。
また東京はラストの直線が長くスローからの末脚勝負がイメージされやすいですが,実際には向正面のラップのほうが早く前傾ラップになることがほとんどです。過去10年のラップを見ていただくと一目瞭然だと思います。
例えばチャンピオンズカップの行われる中京1800mはスタートして300m足らずで初角を迎えるため前半のペースはそこまで上がりません(そのぶん後半の加速は早いです)。東京1600mの場合は多くの馬が直線に入ってから追い出すため,この点でもレースの質は変わってきます。
なお前傾ラップ=前有利というわけではないので,差し馬であってもタフな展開で差し脚を伸ばせる馬には有利なコースです。ただし,イメージ以上にタフさが求められるコースであることは理解しておいたほうが良いでしょう。
推定ラップ
そねみのラップ分析ではこの推定ラップに近いレースを高指数レースと呼び,高指数レースでの好走歴のある馬を高く評価しています。また逆に実績のある馬でも高指数レースでの好走歴がなければ適性面を疑う材料になります。
ラップ回顧
全頭考察
アドマイヤルプス
時計面でやや見劣るものの,フェブラリーSと同コースのオアシスS (L) 2着やアハルテケS (OP) 1着の実績があります。特にオアシスSは今回の推定ラップと非常にラップの似た高指数レースで,このレースで好走していることは大きな買い材料になります。
足抜きの良い馬場で時計勝負になると分が悪いですが,今回のメンバーなら狙ってみたくなる馬です。ラップ適性面からはこの馬が一番妙味があるでしょう。
オーヴェルニュ
中京専用機でそもそも東京では狙いづらい馬。2着に好走した2022年の東海Sが高指数ですが,以下のグラフを見ればわかるように時計的に全く足りないです。今年の東海Sでは得意舞台で8着に敗れており,7歳という年齢からも衰えを感じざるを得ません。
ケイアイターコイズ
これまでに出走したほとんどのレースが1400m戦で,マイル戦への出走歴は3歳OPの青竜S(東京ダ1600m)のみ。1.6秒差の11着に大敗しています。前走の令月S(OP, 中京ダ1200m)で勝利していますがラップ構成が推定ラップと比べるとやや前傾気味。距離延長という点を踏まえても過度な期待はできないでしょう。
ケンシンコウ
福島1700mのジュライSで2年連続馬券内に好走した実績がありますが,それよりも適性が近い武蔵野Sや根岸S,東海Sでは惨敗。2020年のユニコーンSでは3着に好走していますが勝ち馬には1.1秒差つけられています。ラップ適性面からは強く推せる材料はありません。ラストにもうひと伸びが求められる東京コースは向かないでしょう。
シャールズスパイト
※過去の出走レースのラップデータがないため,ラップ適性以外からの考察になります。
父Speightstownは米国型のGone West系,母父父がSadler's Wellsという血統構成で,5代以内にSecretariat, Bold Ruler, Northern Dancer, Raise a Nativeのクロスを持ちます。芝ダートどちらも使われていますし血統的にどちらもこなせておかしくないと思いますが,使われ方を見ると芝レースの大きなところを目指しているような印象を受けます。今回もドバイターフに向けた叩きとも言われていますね。前走は昨年のBCマイルで13番人気ながら2着に好走しています。
北米では差す競馬をする馬ですが,米国の競馬ほどテンからスピードに乗っていかない日本のレースではある程度前目で競馬できる可能性があります。最後の直線での末脚の伸びではおそらく日本馬に分があるでしょうから,勝負所までの位置取りが物を言いそうです。内枠から先行できれば面白いかなと思っています。
なお,Speightstown産駒の東京ダート1600mの成績は1-2-0-15と微妙。入着は全て1勝クラスです。
ジャスパープリンス
中京1400mのエニフSで2年連続で好走歴がありますが,正直それ以外の実績はいまひとつ。東京ダートでは1400m戦に5回出走して4回が9着以下に大敗,1回は競争中止と散々。1600mは初めてになりますが,根岸Sでは2年続けて大敗しており重賞では厳しいでしょう。ここは敷居が高そうです。
ショウナンナデシコ
昨年は出走したすべてのレースが地方交流重賞で,高指数レースへの出走はありませんでした。力があることは間違いないですが,ラップ適性面からは未知な部分が多いです。血統予想で有名な亀谷敬正さんの名言の一つに「競走馬の能力は一定ではない」という言葉があります。競走馬の能力の方向性には偏りがあり,ある条件が得意な馬(もしくは血統)はその逆の条件では走らない,という意味で使われる言葉です。レースの特徴でも書きましたが,フェブラリーSで求められる適性は地方交流重賞と真反対です。そう考えると,交流重賞で何度も好走しているこの馬がこの舞台で好走できるかどうかについては少し疑ってかかったほうが良いのかもしれません。
なお,東京1600mでは3歳OPの青龍Sで0.2秒差の4着に好走していますが,時計面では物足りないです。古馬になり適性がより強く出るようになって,G1の舞台でどこまで対応できるかですね。
スピーディーキック
これまでの成績が9-3-1-1。馬券外に敗れたのは門別所属時代のJBC2歳優駿7着のみと非常に安定感のある馬です。しかしながら今回のレースが中央での初出走。条件で言えば直線の長い左回りや直線に坂のあるコースは初めてです。地方のレースは南関東しかラップが公表されていないので限られたレースでの考察になりますが,今回の推定ラップに近いラップのレースに出走したことはこれまでにありません。0.7秒差の圧勝だった前走の東京シンデレラマイル(大井1600m)でもラップとペースに下図ほどの開きがあります。未知の魅力はもちろんありますが,ショウナンナデシコのところでも述べたように得意な条件の方向性が真逆の可能性があります。過度の期待をするのは危険かもしれません。
セキフウ
前走の根岸Sでは13着,昨年の武蔵野Sでは12着に大敗。前哨戦で結果を残すことができませんでした。一方で高指数レースでは昨年のユニコーンSや前々走のすばるSで好走歴があります。時計的にやや物足りなさはありますが,前崩れの展開なら馬券内に差し届く可能性もあると思います。
ソリストサンダー
今回と同条件の武蔵野Sで2年連続で連対した実績があり,昨年のフェブラリーSでも4着。適性の高さを感じます。一昨年の南部杯(盛岡ダ1600m)でも3着に好走しており,左回りのワンターンコースへの適性は高いと見て良いでしょう。一方で,求められる適性の異なるかしわ記念(船橋ダ1600m)でも2年連続2着に好走。適性の広さを示しています。安定した先行力のある馬で,すんなり先行できる枠なら明け8歳の今年も面白い1頭ではないかと思います。
テイエムサウスダン
昨年は根岸Sを勝利して臨んだこのレースで2着。外枠から先行して粘り込む強い競馬を見せました。また高指数レースでは,1200m戦ではありますが昨年の東京盃で2着に好走。地方の小回り競馬場での交流重賞での好走歴もありますが,ワンターンコースへの適性も十分に高い馬でしょう。一方で今年の根岸Sでは転厩と乗り替わりの影響か14着に大敗。状態面が心配される部分ではあります。また本質的には1200mから1400mが適距離のように思います。スピードよりもタフさが求められる展開になると脆さを見せるかもしれません。
ドライスタウト
ここまで4-1-0-1。出遅れて4着に敗れた兵庫チャンピオンシップを除けば連対率100%です。東京では2歳1勝クラスのオキザリス賞と古馬OPの霜月S(いずれも1400m)に出走して勝利。オキザリス賞のほうがラップ適性としては今回のレースに近いです。中央の重賞に出走するのは今回が初めてで,正直能力,適性ともに未知な部分のほうが多いです。大きく崩れたレースはこれまでにないので,人気でも押さえておいたほうが良い1頭だと思いますが,ラップ適性から強く推せる材料も特にありません。
ヘリオス
昨年春からは地方交流重賞に連続して使われてきましたが,その前までは8レース連続で東京の1400~1600m戦に出走。この期間で3-1-1-3と好成績を収めています。また昨年の南部杯で2着,同じく盛岡で行われたJBCスプリントで3着に好走。左回りのワンターンコースへの適性は高いです。前走の根岸Sは15着に大敗していますが,展開が向かない場合大敗するのは脚質上仕方のない部分のある馬です。前走の大敗で人気が落ちるなら妙味のある1等だと思います。
メイショウハリオ
OP入り後は全て1700m以上のレースに出走して3-2-2-3と好成績。ですが3勝クラス勝ちは東京1600m戦でした。先ほどから繰り返し述べているように中距離の地方交流重賞は今回のレースと求められる適性が全く異なるので参考外。OP入り後に好走したレースで最もラップ適性指数が高いのが下図のマーチS(中山ダ1800m)でした。他にも条件戦で高指数レースでの好走歴があるため押さえておいたほうが良いタイプだとは思いますが,本質的な適性は2000m前後でしょう。時計面でやや物足りない部分があるのと,東京マイルのスピードについていけるかどうかがカギだと思います。
レッドルゼル
1600m戦を使われたのは昨年と一昨年のフェブラリーSのみ。それ以外のレースは全て1400m以下であることを考えると,陣営もマイルは長いと考えているのは明らかでしょう。それでも一昨年のこのレースでは0.5秒差の4着とあと一歩の競馬。またワンターンの短距離戦での好走歴は数多く,東京盃で2年連続で好走するなど,今回のレースへのラップ適性は高いです。本来は外マクリで一気に押し上げる競馬もできるタイプですが,距離面の課題からそういった競馬を選択できないことが割引材料です。
レモンポップ
ここまでのキャリア10戦で7-3-0-0と連対率100%。10戦中9戦で左回り,うち8戦で東京の1300m~1600mを使われており,特に東京1400mがこの馬の最適鞍であることは間違いないでしょう。東京マイルは2戦して1勝2着1回。武蔵野Sでこの馬を倒したギルデッドミラーが不在であることを考えると,能力,適性共にこの馬が最上位であることは間違いないでしょう。これ以上ない舞台のレースで,陣営も本気で取りに来ていると考えてよいと思います。一方で,根岸S後に一旦フェブラリーSへの出走を保留にした点には留意したほうが良いでしょう。ここがメイチであることは間違いないと思いますが,見えない疲れが残っている可能性も否めません。
以上,フェブラリーS出走馬の全頭考察でした。少しでもお役に立てば幸いです😊
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