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【回顧追記あり】2023年皐月賞・出走馬全頭考察【そねみのラップタイム分析】

みなさんこんにちは。そねみです。

今週からは牡馬クラシックがスタート!今回はその初戦,皐月賞の出走馬全頭を主にラップ適性の観点から考察したいと思います。
地方馬や外国馬など,ラップ面からは考察できない馬がいる場合もありますのでその点はご容赦ください💦

それでははじめましょう。
参考になったという方はぜひ「スキ!」いただけるとうれしいです🙇よろしくお願いします😊


レースの特徴

皐月賞が行われる中山競馬場のコース図と,過去10年のレースラップです。

JRA公式HPより

皐月賞が行われる中山芝2000mは内回りコースを使用。4角からスタンド前の直線に入る付近からスタートして内回りコースを一周します。2F目がちょうどゴール前の急坂に当たるため,スタート後のペースが極端に早くなることはありません。年によってペースが変化しやすく過去10年平均だけを見るとわかりづらいですが,基本的には中盤が緩んでラスト3F目から徐々に加速していく持続ラップです。ラストの直線は310mと短いため最後方からの大外一気ではさすがに厳しいですが,ゴール前の急坂の影響で,ペースによってはある程度差し馬が台頭するケースもあります。馬群で足を溜めて瞬間的な加速力を活かせるタイプの馬か,早めから押し上げて長くいい脚を使えるタイプの馬が狙い目です。中山競馬場は今週が8週連続開催の最終週。外まで荒れてきて馬場がフラットになると結果的に内で運べる馬が有利になるケースもありますから,当日のTBには注意が必要です。


推定ラップ

12.3 - 10.9 - 12.0 - 11.8 - 12.4 - 12.3 - 12.1 - 11.7 - 11.6 - 11.8
1:58.9 (35.3-35.0 / 59.5-59.4)

※良馬場想定

そねみのラップ分析ではこの推定ラップに近いレースを高指数レースと呼び,高指数レースでの好走歴のある馬を高く評価しています。また逆に実績のある馬でも高指数レースでの好走歴がなければ適性面を疑う材料になります。


ラップ回顧

12.3 - 10.9 - 11.9 - 11.6 - 11.8 - 12.4 - 12.5 - 12.7 - 12.5 - 12.0
2:00.6 (35.1-37.2 / 58.5-62.1)

重馬場だったことに加え,グラニットが前半から飛ばして逃げる展開で前傾ラップに。ラスト3Fは加速ラップになっていますが,瞬発力よりもタフさが問われる展開。上手く脚を溜めていた馬が好走したレースでしたね。


全頭考察

ウインオーディン

昨年の新潟2歳Sではキタウイングの2着に好走。その後半年間の長期休養をはさみ,前走は共同通信杯で勝ち馬と0.5秒差の5着に好走しました。2歳の早い時期から能力を示し,世代のトップホースたちが集まった共同通信杯でも好走している点は評価できます。ただし,この2レースはどちらも左回りの直線が長いコースで,スローからの瞬発力勝負の展開での好走でした。早めからペースの上がる皐月賞への適性は未知な部分があります。また右回りのレースへは今回が初出走。また脚質的にどうしても後ろからになる馬で,直線の短い中山コースは割引です。動きづらい内目の枠に入ってしまったのも嫌ですね。

新潟1600m,2着(0.1差)
※異なる距離のレースは今回と同距離になるように補正しています(以下同)

15人気8着🌀
いつも通り後方から末脚を生かす競馬になりました。タフな展開はどうかと思いましたが,最後までしぶとく脚を使えていましたね。位置取りが改善されないと現時点では重賞で買いづらい馬ですが,馬場や展開の後押しがあればどこかで穴をあけることがあるかもしれません。展開待ちですね。


グラニット

馬群を引き離して逃げるタイプの逃げ馬で,サウジアラビアRCでは直線で粘り込んで2着に好走。また前走のスプリングSでも4着に好走しています。今回も展開を作るのはおそらくこの馬でしょう。おそらく溜め逃げしていいタイプではないので,全体が早めに押し上げて来る中山コースは割引。また京成杯で8着に敗れているように2000mへの距離延長も歓迎できないですね。大敗するのは逃げ馬の宿命とはいえ,朝日杯FSでは10着に大敗しており,世代内での相手関係にも不安があります。

東京1600m,2着(0.2差)

17人気12着💨
自分の競馬はできたと思います。直線では内の馬場の悪いところを通しながらも最後まで粘り脚を見せました。もう少し軽い馬場ならさらに上位の着順だった可能性はあると思います。展開さえ向けば弱い馬ではないと思いますが,さすがにダービーは長いですね。1800m~2000mのローカル重賞で見てみたい馬です。ラジオNIKKEI賞はハンデをもらってしまいそうなので微妙ですが,休養を挟んで新潟記念あたりに出てきたら意外と面白いのではないでしょうか。


グリューネグリーン

阪神芝2000mで行われた京都2歳Sの勝ち馬。2歳時のレースなので若干時計面で見劣る部分はありますが,ラップ傾向は非常に似たレースで,ここでの好走は評価してよいと思います。キレる脚はありませんが,前に着けて前有利の展開になれば粘り込みまであると思います。内枠が取れたのも良いですね。一方でホープフルS11着,弥生賞8着と今回と同コースのレースで連敗しているのは懸念材料。相手関係が強くなり,先行する競馬ができなくなっていることが敗因のように感じます。内枠を生かして先行できることに加え,当日の馬場状態の恩恵も欲しいところです。また今回はここまで全レースで手綱を取ってきたデムーロ騎手から石川裕紀人騎手への乗り替わり。テン乗りで手が合うかどうかは心配ですね。

阪神2000m,1着(-0.0差)

16人気11着💨
最後はさすがに苦しくなりましたが,良い競馬ができたと思います。2枠3番でスタートから促して逃げ馬の後ろの位置を確保。直線では一度先頭に並びかける場面もありました。結果的に道中荒れた内を通したことと直線で外差しのTBがあったことで11着に敗れてしまいましたが,今回は枠順・展開ともに全く向かずの敗戦。参考外で良いでしょう。今回のように先行する競馬ができればまだまだ見限れない馬だと思います。疲労は心配なので次走どこに出てくるかに注目です。ダービーは距離が長いと思います。


シャザーン

新馬戦でタイム差なしの2着に敗れた後,未勝利戦で2着馬に0.4秒差の快勝。前走はすみれSを勝利しており,まだ底を見せていない魅力があります。今回のコースと似た形状の阪神2200m戦で前走勝利を収めているのも良いですね。ただしこれまでのレースは全てスローからの末脚勝負の展開であり,早めにペースが上がるタイトな展開は未経験である点は気になります。そのような展開のレースに出走したことがないため,走ってみたら高い適性がある可能性もありますが,未知の部分が多く手放しで高い評価をできる馬ではありません。

阪神2200m,1着(-0.1差)

8人気6着🌀
今回は前走までと一転控える競馬となりました。道中は馬群の最後方を追走して4角では大外を回して長くいい脚を使いました。展開が向いた部分はありますが,末脚の持続力は非常に良いものを持っていますね。勝ち馬を除く上位馬とは位置取りとコース取りの差ですね。鞍上も含めてもう少し器用な競馬ができるようになれば,世代でも上位争いができるだけの素質はある馬だと思います。直線の長いコースのほうが向きそうな馬だけに,ダービーの権利を取れなかったのは痛いですね。もし出走が叶えば狙ってみたい馬です。


ショウナンバシット

若葉Sの勝ち馬で,すみれSではシャザーンと0.1秒差の2着に好走しています。過去5レース全てで先行する競馬ができており,良馬場でも時計のかかる展開でも上位の上りでまとめている安定感があります。ただしこの馬もスローからの末脚勝負の展開のレースでの好走が多い馬で適性面には不安があります。唯一前傾ラップだった阪神1800mの未勝利戦で0.4秒差で勝利しているため,タフな流れが全くダメではないでしょうが,今回の相手関係でどこまでやれるかですね。先行できる馬なので内枠は歓迎です。

阪神2000m,1着(-0.0差)

12人気5着💦
速い流れを見据えてか,馬なりにまかせて後方からの競馬となりました。4角では空いた内を押し上げて動き,直線では馬場のいいところに出してタスティエーラと併せ馬の形で伸びてきました。デムーロ騎手の好騎乗でしたね。最後5着に残した点は評価できますが,力関係的には今回の上位馬とは差があるように感じました。馬場や展開の恩恵があれば見限れない馬ですが,現時点でダービーで熱い印を打てるかというと難しいです。再度内枠なら狙ってみたいですけどね。


ソールオリエンス

注目の2戦2勝馬。前走は今回と同コースの京成杯を0.4秒差で快勝しています。その京成杯では4角で一度外に膨れながらも,そこから体制を立て直して鋭い末脚で後続を引き離す圧巻の競馬でした。序盤がスローで流れたレースで時計的な裏付けはありませんが,後半タイトな展開でラスト1Fで最速ラップを踏んで好走した点は高く評価すべきでしょう。課題は右回りでのコース取りでしょう。東京での新馬戦では直線で内に刺さるような場面があったように,コースを問わず左にヨレてしまうレースが続いています。中間の調教でこの点がどれだけ改善されているかがカギですね。決して器用と言えるタイプの馬ではなく,斜行癖が改善されていなければ最内枠はむしろ割引材料と言えるでしょう。ただし,基本的には内枠有利の皐月賞で,中山中距離内枠で非常に高い好走率を誇る横山武史騎手です。普通に走れば圧勝まであってもおかしくありません。取捨の難しい1頭ですね。

中山2000m,1着(-0.4差)

2人気1着🥇✨
ポテンシャルはこの馬が最高だと思っていました。最内枠だったことで評価を下げましたが,横山武史騎手がそのリスクを見事に補う騎乗を見せてくれましたね。スタートは悪かったわけではありませんが控えてすぐに外に出し,馬群に包まれることを避けつつ足を溜める競馬。道中ほぼ最後方から直線では大外に出して末脚一閃,全馬を抜き去る圧巻の競馬を見せました。一方で,内枠から普通に競馬できるだけの器用な馬ではないことも,今回の騎乗が示していると思います。今回の武史騎手の乗り方はこの馬の不器用さから生じるリスクを最小限に抑える騎乗。また馬場・展開も味方したといえるでしょう(もちろん,馬場・展開を読んでの騎乗であることは言うまでもありません)。ロスを補えるだけの力を持った馬であることは間違いないですが,今後も付き合い方が難しい馬だとも思いました。ピンかパーの馬っぽいんですよね。


タスティエーラ

東京1800mで行われた新馬戦で0.6秒差の圧勝。次走の共同通信杯は前が止まらないレースで先行した馬を捉まえきれずに4着に敗れましたが,2, 3着馬とはタイム差なしの接戦でした。前走の弥生賞で重賞勝利を挙げており,世代の中でも力上位の馬と言ってよいでしょう。その弥生賞は皐月賞ほど中盤が流れるレース展開にはなりませんでしたが,後半のラップは今回の推定ラップとほぼ同じ。ここでの好走は高く評価すべきでしょう。重賞で強い相手と戦いながらもまだ底を見せていない部分も魅力です。先行できる馬なのでもう少し内目の枠が取れると理想でしたが,14番枠はギリギリ許容範囲でしょう。極端に内有利のTBでなければ勝ち負けまで有力の1頭だと思います。

中山2000m,1着(-0.2差)

5人気2着🥈✨
先行馬が総崩れする展開で,唯一前目につけて好走したのがこの馬です。道中は先団の外を追走。4角で押し上げて動き,直線では早め先頭に立って押し切りを図りました。惜しくも勝ち馬の決め手に屈しましたが,3着馬には1と3/4馬身差。普通ならこの馬が勝っていたレースでしょう。終始馬場のいいところを通した恩恵はあったとしても,今回最も強い競馬をしたのはこの馬だと言えるでしょう。先行できる安定感と,まだ底を見せていない魅力があります。距離は1800m~2000mが適鞍のように思いますが,同世代ならダービーの2400mも大丈夫でしょう。共同通信杯で4着しているように東京での末脚比べも問題ありません。次走も期待したい1頭ですね。


タッチウッド

キャリア2戦しかない馬ですが,前走は共同通信杯でファントムシーフの2着に好走。スタートではアオってしまい後方からの競馬になりましたが,向正面で早めにハナを奪っての粘り込みで,前有利のレースだったとはいえ,道中で押し上げての好走は評価に値するでしょう。新馬戦も逃げて勝利した馬で,前走も道中でハナを取る競馬を許してしまったことで馬が我慢できなくなっている可能性がある点が懸念材料ですね。距離延長で相手も強くなります。ロスのある競馬や道中で消耗する展開になると厳しいでしょう。逃げに定評のある武豊騎手の騎乗に注目です。

東京1800m,2着(0.2差)

6人気13着💨
出遅れこそしませんでしたが今回もスタートは良くありませんでしたね。外枠で前に馬を置けなかったこともありますが,馬が我慢できずに1, 2角で位置を上げる競馬に。ペースが速かった分番手で折り合いましたが,やはり前走逃がしてしまったことで気性的に難しい部分が出てしまいましたね。4角で早めに逃げ馬を捉まえ,一旦は先頭に立つ場面もありましたがそこから失速。道中のロスが響いた形です。距離も2000mは長いですね。4角でソラを使うなど幼い部分も垣間見えたレースで,今後重賞での好走には精神面の成長が必要と思います。力はある馬だと思いますので,しばらくは様子を見てみたいですね。次走NHKマイルCでしょうか。当日の馬場状態にもよりますが,包まれるリスクのある内枠だと買いづらいですね。


ダノンタッチダウン

下図にあるように,スローからの末脚勝負だったデイリー杯2歳Sと,タフな持続力勝負だった朝日杯FSという質の異なるレースでいずれも2着に好走しています。どちらのレースでも上り最速の末脚を使っており,位置取りの分だけ届かなかったという負け方でした。走り方や脚質をみても距離延長は全く問題なさそうで,むしろ前目で競馬できれば差し届くチャンスが広がるでしょう。動きやすい外目の枠を取れたこともこの馬にとってはプラスだと思います。今回朝日杯FSからの直行で,どこまで仕上がっているか状態面に懸念があります。2歳時点では馬が十分に完成しているとは言えず,半年間の休養を経てどこまで成長が見られるかが一つのポイントになりそうです。また次走ダービーを明言しており,ここが100%の仕上げではない点にも注意が必要です。

阪神1600m,2着(0.1差)
阪神1600m,2着(0.1差)

10人気18着💨
川田騎手らしく良い位置で先行する競馬ができました。道中もスムーズさを欠く場面はなく順調に運びましたが,4角でのペースアップについていくことができませんでした。結果的にはこれまで通り控えて末脚を使う形のほうが展開が向くレースでした。先行して速いペースに巻き込まれての大敗で,直線に入ってからは川田騎手もゴールすることだけを考えて馬を走らせているように見えましたので(重賞にタイムオーバーはない),着順・着差は数字ほど気にしなくて良いと思います。やはり朝日杯からの直行で状態面が万全ではなかったことが敗因の1つであるように思います。久々の分もありますが,重馬場の2000mも長かったですね。次走予定通りダービーに行くのでしょうか。正直,ここから短期間での立て直しは厳しいように思います。素質はある馬だと思いますから,しっかり時間を取って秋以降またがんばってもらいたいですね。


トップナイフ

ホープフルSでは逃げてドゥラエレーデの2着に好走。また萩S1着のほか,京都2歳Sでグリューネグリーンの2着,弥生賞でタスティエーラの2着に好走するなど,世代のトップホースが集まるレースでも好走を続けています。ここでの力関係も上位でしょう。昆厩舎×横山典弘騎手の黄金コンビにも期待できますね。前目で競馬できるのが安定感につながっている反面,キレる末脚はないので直線を向いた際にどれだけ前にいられるかがカギになります。中枠は可もなく不可もないといった感じでしょう。重賞での2着続きに加えて未勝利勝ちに3戦を要しているように,勝ち味に遅いタイプです。頭までは信頼しづらいですね。

中山2000m,2着(0.0差)

9人気7着🌀
スタートで躓いて出遅れ,控える競馬となりました。4角から動いて行きましたが,全体のペースも上がる中で思うように位置取りを上げることができず直線では大外ほぼ最後方から上がり2位タイの末脚で追い込むも7着。控えたこと自体は前が厳しくなると予想した横山典弘騎手の好判断だったと思うのですが,結果的に位置取りの分だけ届かない競馬になってしまいました。今回の馬場状態や展開で前受けして粘り込めるほどのタフさがある馬ではなく,かといって直線まで我慢して差し切れるだけの末脚のキレのある馬ではないというのが難しいところです。結果論ではありますが,今回はどのような競馬をしても好走は難しかったように思います。参考外で良いでしょう。控えるよりは先行したほうが持ち味が生きる馬だと思います。末脚のキレ味勝負になると分が悪い馬なのでダービーはどうかですが,小回りローカルG3あたりではコンスタントに好走できるレベルの馬だと思います。ダートも面白いと思いますけどね。


ファントムシーフ

共同通信杯の勝ち馬です(ラップは前掲)。キャリア4戦でホープフルS4着以外は無敗。野路菊Sではトップナイフを4着に退けています。ホープフルSでは最内枠を生かしたロスのない競馬から直線で上り2位の末脚を使うも前が止まらずに4着に敗退。それでも3着馬とはタイム差なしの接戦を演じていますから,力負けではないでしょう。この馬もスローからの末脚勝負の展開しか経験しておらず,タイトな流れへの対応力は未知な部分がありますが,重賞に出走しながらまだ底を見せていない魅力がありますね。馬群に包まれずに4角で早めに前を捉えることができれば勝ち負けまであると思います。内過ぎず外過ぎずの7番枠はこの馬にとって良いですね。

中京2000m,1着(-0.2差)

1人気3着🥉✨
スタート後の位置取り争いでやや進路が狭くなる不利があり,中団後方からの競馬となりました。4角ではシャザーンと併せ馬のような形で外から位置を上げ,直線では長くいい脚を使っており,2着のタスティエーラとは位置取りの差がそのまま着差につながりましたね。もう1, 2列前で競馬できていれば2着はあったかもしれません。この馬もまだ底を見せておらず今後も期待できますね。ハービンジャー産駒の牡馬なので東京のキレ味勝負はさすがに分が悪いと思います。ダービーで人気になっていたら嫌ってみるのもいいかもしれないですね。力のある馬であることは間違いなく,タフさの求められる小回りコースで狙ってみたいですね。このまま順調に使われていけば今年の有馬記念や来年の大阪杯あたりは面白い1頭だと思います。


フリームファクシ

新馬戦こそ逃げて2着に敗れたものの,そこから3連勝できさらぎ賞を勝利。比較的早めにペースが上がるレースで勝利経験があるのは推せる材料です。この馬もまだ底を見せていないですが,勝利した3戦は全て10頭以下,また単勝1.4倍以下の圧倒的な支持を集めており,戦ってきた相手のレベルには正直疑問が残ります。新馬戦は15頭立てでしたが逃げる競馬だったため,他頭数で馬群に揉まれる競馬も未経験です。今回内枠に入ってしまったためその点の怖さはありますね。それでも鞍上には今週から短期免許のレーン騎手を手配。勝負気配漂う1頭です。

中京2000m,1着(-0.1差)

4人気9着🌀
スタートは悪くありませんでしたが,外から前に行きたい馬が多かったことで中団からの競馬となってしまいました。これまで少頭数の競馬しか経験したことのない馬で,馬群に包まれる競馬は最も避けたかったはずです。鞍上のレーン騎手も終始馬群の外に出そうとしているのですが,メタルスピードとファントムシーフが常にこの馬の外の位置を取っており,最後まで馬群での競馬が続いてしまいました。初めて多頭数での包まれる競馬で消耗したこともあり,直線ではお釣りが残っていませんでしたね。逆に言えば,まだ能力的に底を見せたわけではありませんので,今回の着順だけで評価を落とすのは早計でしょう。ダービーは脚質的に向かないと思いますが,これからの経験と成長次第でまだまだ見限れない馬だと思います。


ベラジオオペラ

3戦3勝の無敗馬で,前走はスプリングSを勝利しています。新馬戦とセントポーリア賞では番手での競馬でしたが,スプリングSでは中団に控える競馬からしぶとく長い伸び足を使っての好走。タフな流れへの対応力の高さがうかがえます。距離延長は問題なさそうですが早い時計への対応は課題になると思います。他の馬もバテるくらいの厳しい展開になればこの馬に利があると思いますが,末脚のキレや絶対的なスピードが求められるレースになると分が悪いでしょう。

中山1800m,1着(-0.2差)

3人気10着🌀
グラニットについていく形で先行し,道中は先団外目を追走。3, 4角では前の馬を捉まえに動いて行きましたが,ややバランスを崩すような形で外側に膨れてしまい失速。一度減速してしまったことで全体のペースについていくことができませんでした。今回は展開的にも前に付けた馬には厳しい競馬でした。重馬場自体はさほど苦にしている様子はありませんでしたが,コーナーでバランスを崩した点は気になりますね。距離は2000mがギリギリでしょう。今年に入って既に3戦使っていますし,ここは無理せずに秋に備えてもらいたいですね。路線次第ですが,新潟記念に使って来たら面白いと思います。


ホウオウビスケッツ

そのスプリングSでべラジオオペラに0.2秒差の2着に敗れたのがこの馬。こちらもキャリア3戦の馬で,新馬戦を勝利した後に1勝クラスのフリージア賞を勝利しています。下図にあるように早めからペースの上がるタフな展開を逃げ切って0.3秒差での勝利は評価に値するでしょう。安定した先行力のある馬で,新馬戦とフリージア賞では逃げる競馬でしたが,スプリングSでは番手からの競馬で2着に好走。控える競馬にも対応できる操作性の高い馬ですね。こちらも一瞬の切れ味勝負になると分が悪そうですが,タフな展開なら位置取りを生かしての好走が見込めそう。先行意識の高い横山和生騎手の継続騎乗も頼もしいです。

東京2000m,1着(-0.3差)

7人気17着💨
スタート良く先団のラチ沿いを確保してロスのない競馬ができた反面,荒れた馬場を通したことで消耗してしまいました。3, 4角中間付近ではもうペースアップに対応できず,手ごたえが怪しくなっていましたね。馬場や展開が向かなかった部分はありますが,現状このメンバーに入ると力関係的に厳しいと言わざるを得ません。最初の直線で頭を上げる仕草を見せており,キックバックが苦手な馬かもしれません。自己条件で経験を積むことで精神的な成長が欲しいですね。スプリングSのレベル自体も疑問が残ります。


マイネルラウレア

2戦2勝馬。前走は若駒Sを勝利しています。正直未知な部分が多い馬で評価しづらいのですが,過去2走はいずれも少頭数のスローからの末脚勝負でほぼ最後方からの競馬。他頭数で大外枠に入ってしまった今回,位置を取る競馬ができるのかどうかがカギになりそうです。包まれる内枠よりは競馬がしやすいかもしれませんが,どれだけロスをカバーする競馬ができるかがポイントだと思います。

中京2000m,1着(-0.0差)

11人気14着💨
大外枠から最後方に控える競馬となりました。4角では外に出さずにロスの少ない内を選択しましたが,馬場の影響もあり伸びきれず。見せ場を作ることができませんでした。現状では力関係的に厳しいですが,脚質的にも血統的にも距離延長は歓迎のタイプでしょう。自己条件でしっかり賞金加算ができれば,菊花賞は意外と面白い1頭かもしれません。現状では控えて末脚を生かすしかない馬なので,道中で動くような競馬ができるようになるとさらに面白いと思います。伸びしろに期待です。


メタルスピード

スプリングSの3着馬です。ここまでの7戦全てで1800m以下のレースを使われており,今回が初の2000m戦になります。未勝利勝ちに5戦を要したものの,1勝クラスを連勝して臨んだスプリングSで権利を獲得。正直相手関係では見劣る部分が大きいですが,スプリングSではタフな展開で上り2位の末脚を使っているように,前が止まる展開になれば最後に突っ込んで来る可能性はありそうです。外枠は割引ですね。

中山1800m,3着(0.3差)

13人気4着💦
展開が向いたとはいえ,人気以上に強い競馬をした1頭だと思います。道中は中団の外目を追走。4角ではタスティエーラの後方から外を回して馬場のいいところに出して末脚を発揮。前にいたショウナンバシットをしっかりと差し切ったことと,後ろから来たシャザーンに抜かせなかったことは評価できます。一方で,後ろから来たファントムシーフに最後刺されている点は現時点での力差を示していると言えるでしょう。タステイエーラにも4角から差を広げられていますから,今回の1~3着馬と比べると評価としては一段階下げざるを得ません。末脚のキレ味勝負になると分が悪いのでダービーでは割引です。距離は1600m~2000mがいいところでしょう。中山マイルとか合いそうですよね。京成杯AHは時計面での対応がカギになりそうですが,来年のダービー卿CTは出てきたら狙いたいです。


ラスハンメル

若葉Sを逃げてタイム差なしの2着に粘り,権利を取ってきました。その若葉Sは序盤こそ緩い流れが続いたものの,後半のラップは皐月賞の推定ラップよりも厳しいもの。単騎で逃げられれば案外侮れないかもしれません。ただしリステッドの萩Sで0.8秒差の7着,1勝クラスのゆりかもめ賞で1.0秒差の6着に敗れており,力関係では大きく見劣ります。普通に走れば厳しいでしょう。

阪神2000m,2着(0.0差)

18人気16着💨
スタートは悪くありませんでしたが,他に前に行きたい馬が多かったことで位置取りを悪くしてしまいました。4角でのペースアップについていけずにズルズルと後退。力関係的に厳しかったですね。賞金的にも力的にも自己条件からだと思います。


ワンダイレクト

キャリア3戦で1-1-1-0,若駒Sで2着,弥生賞で3着に好走しています。特に弥生賞では中団での追走からタイトな流れを自分から動いて行っての3着粘り込みで,高く評価してよいと思います。また若駒Sでは大外から伸びてきたマイネルラウレアにハナ差だけ交わされたものの,直線での末脚勝負の展開で3着馬を1.5馬身差突き放す強い競馬を見せました。過去3走は全て1, 2番枠からの競馬で,今回も2番枠。足を溜める競馬が選択できる強みはありますが,スタートがいい馬ではないので多頭数で位置取りを悪くしてしまう心配があります。10頭立て以下の少頭数での競馬しか経験がない点も気がかりですね。

中山2000m,3着(0.2差)

14人気15着💨
伸びあがるようなスタートで出遅れて行き脚がつかず,後方からの競馬になってしまいました。道中は最後方の内側を追走。4角でも内にこだわる騎乗でロスを最小限に押さえましたが,直線では伸び脚を使うことができませんでした。通した馬場の影響もあるでしょうが,ここは力負けでしょう。これまでは少頭数で相手関係に恵まれていた部分があります。自己条件に回ってどれだけやれるかですね。


当日の印と結果



以上,皐月賞の出走馬の全頭考察でした。少しでもお役に立てば幸いです😊

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