目印を探して地図を作る
以前、こんな記事を書きましたが・・・
白杖は白杖だから意味がある|so-neco1982
https://note.com/sonec82/n/n44b413afc7ef?magazine_key=ma0ad02b59822
今回はもう少し具体的に、わたしたち視覚障碍者が白杖からどのような情報を得ているのかお話したいと思います。
1. 足元の情報
これはイメージしやすいかもしれませんね。
自分の足から直接伝わってくる感覚も含まれます。
この地面はアスファルト?
それとも土かな?
この絨毯みたいなマットが敷いてあるのはスーパーの入り口。
床がつるつるになったということは、お店の中に入ったということだわね。
点字ブロックはどこかな?
段差はないかしら?
この階段は上りと下りどちらかな?
この坂を登り切ったら目的地。
このように、ただ障害物を避けるだけではなくて、足元の硬さ、材質、凹凸、傾斜など様々な情報を認識しており、そのほとんどが安全に歩くための目印です。
よく、「点字ブロックの上に物を置かないで」と言うのは、信頼して安全だと思っていた目印が突然危険なものになってしまうからです。
それに、自転車などを倒してしまうと、わたしたちだって申し訳ない気持ちになるのですよ。
2. 壁を探る
足元の情報だけでは十分ではない場合、白杖を壁にぶつけるようにして、壁づたいに歩くこともあります。
この方法は方向を見失いにくいという利点もあります。
壁に沿って歩いて・・・
壁が切れたということは、ここが曲がり角ね。
この電柱まで来たということは、駅まであと少し。
このガラスの扉はカフェの入り口。
あ、ベンチ見つけた!
↑この他にも、石の壁がフェンスに変わったとか、木が植えられているとか、壁にもたくさん情報と目印があります。
3. とにかく何でも目印
駅などにたまに立っている大きな柱も目印です。
その柱を起点として方向を定めたりもします。
目印の柱を探して、そちらのほうに歩いていると、
一見ぶつかってしまいそうな雰囲気になってしまうので、
「そっちは柱ですよ!」
と、方向を変えられてしまうことがあります。
本当に柱に気づいていない場合も当然あるので声をかけていただけるのはとても助かりますが、そうでない場合は逆に方向を見失ってしまうこともあります。
突然引っ張ったりするのではなくて、
「そちらの方向に柱があるけど大丈夫?」みたいに声をかけていただき、「大丈夫です」と答えたら見守ってやってください。
これは、壁を探している場合も同じです。
わざとぶつかりに行くこともあるということです。
お掃除ロボットのルンバみたいと言われたことがあります笑
白杖からの情報ではありませんが、
いつも流れているお店屋さんの音楽とか、
喫茶店から漂ってくるコーヒーの香りとか、
改札口の音、水が流れる音、狭い場所から広い場所に出た時の空気の変化なども全部が目印になって、わたしたちを目的地に運んでくれます。
勿論、音の出る信号機や駅のアナウンス、「トイレはこちらです」みたいな音も助かりますね。
そして、時にはみなさんのお力をお借りすることも↓
行きたい場所に行くために|so-neco1982
https://note.com/sonec82/n/nf660a7b817d5?magazine_key=ma0ad02b59822
わたしはもうすぐ静岡に引っ越すわけですが、居住地を一人で歩いたことはほとんどありません。
そこでまず行うのが上述したような目印探しです。
例えば家からスーパーに行きたいと思った場合、道順を覚えると同時にその道にはどのような目印があって、自分にとってはどれが活用しやすいかを探るわけです。
周囲の状況にもよりますが、3往復くらいすると、見つけた目印を活用して一人でも歩けるようになると思います。
このようなことを繰り返していくうちに、頭の中に立体的な地図ができていくのです。
さて、新しい世界にはどんな目印があるでしょうね。
白杖から得られる情報を簡単にまとめるつもりが、それ以外の話題にも飛んでしまってなんだかごちゃごちゃしてしまいましたが、少しでも伝わっていることを祈ります。