下町人情、はたして何処
役不足という言葉。これを力不足と同義に用いる時、これは誤用であると言われています。本来は、実力に対して小さい役が当たった時に使います。“役に足りていない”ではなく、“役が足りていない”です。
毎度、言葉なんてものは変わるものですのでどっちでもいいっちゃどっちでもいいんですが・・・
役不足と力不足が同義になってしまうと、「力不足」の立場がありませんし、役不足に代わる言葉が見つかりません。調べると「不服」や「不満」が近いと書いてありました。でもこれはあくまで個人の感情を表した言葉です。
役不足という言葉のポイントは相対的であることです。「実力に対して」ということは、根拠がなければなりません。(実力がなければ「実力に対して」という条件は成立しません。)自身の実績や第三者からの評価をもってはじめて成り立つ言葉です。「不服」や「不満」ではこれが表せません。
なので個人的には・・・違うと思います。個人的にはですよ。
以上の理由で、これに関しては本来の意味で使った方がいいと思います。はい。
言葉の“視点”って面白いですよね。
例えば「ひっぱりだこ」のたこって、引っ張られているのでしょうか。それとも、引っ張っているのでしょうか。
テレビの出演依頼や取材の連絡がたくさん来るお笑い芸人は、まるでいろんなところから“引っ張られて”いるようです。でも、タコが海の中で四方八方から引っ張られている状況なんてあるのでしょうか。エサになっている時をいうのであれば、他の生物でも一緒です。ひっぱりエビでもひっぱりシマウマでもいいワケです。
では反対に引っ張っているのでしょうか。
タコが?タコが何を引っ張るんですか?エサの取り合いであれば、「引く手数多」的な表現というよりは、争いや独占の表現になりそうです。
僕的には「ひっぱりだこ」の“たこ”は、「凧」なのかな〜って思いました。大きな凧であれば何人かで引っ張って操りますし、その状況は誰がみても“ひっぱりだこ”になると思います。
ですがこのタコ、引っ張られているようです。調べてみると、“タコを干す時に引っ張って広げている様子”を語源とする説が強力なようです。このタコが。
“干す”ことが“ひっぱりだこ”になるとは、こりゃ夢がありそうな話ですが皮肉ですね。
引っ張られていたタコが干される・・・うーんまさに言い得て妙。
うまいこと言った僕を引っ張ってほしいものです。
あっ、実力はありませんよ。