察する文化と事業承継 〜圧倒的に足りない現場で動く専門家〜
中小企業を支援するために、様々な国の制度があります。
「低利融資」「補助金」「助成金」「納税猶予」「免税」など・・・。
国としては、何としても事業承継を進めたいということで、様々な制度を打ち出しています。
しかし、中小企業の事業承継の現場を見ていて感じるのは、こうした「制度で促せる事業承継はごく一部」だということです。
ではポイントは何か?
それは「コミュニケーション」と「後継者の数字力」です。
弊社に相談が寄せられる事業承継の相談で多いのが、
「後継者には任せられない」(現経営者言)
「現経営者が譲ってくれない」(後継者言)
という相談です。
このような場合、よく話を聞いてみると
①相手が本心で何を考えているか知らない
②そもそも、しっかり相手の考えを聞いたことがない
③後継者が決算書を見たことがない(見てても把握していない)
ということが非常に多くあります。
要するに、制度云々の前に、
○しっかり話す(コミュニケーション)
○自社をしっかり見る(感覚でなく数字で理解する)
ということをしていないのことがネックになっているのです。
これらは「察する文化」の日本人らしい特徴ですが、創業者と後継者という全く経験の違う人間が共同で行う作業であり、感覚だけでは進みません。
というよりむしろ、「感覚で捉えているから進まない」ということです。
そんなこと?と感じるかもしれませんが、これが現実だと思います。
これからの日本の事業承継を進めるためには、事業承継の全体像を理解しつつ、社内コミュニケーションと、より深い数字の理解を促す専門家が圧倒的に必要だと感じます。
この分野をわかりやすく説明し、柔軟に促せる専門家は事業承継を進めるキーマンになると思います。
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