待ち続けられる理由
誰かを待ち続けられるってすごいと思う。
私にはできない。待っているのではなくて、偶然会えたねみたいな感じになってしまう。意識的にその人が帰ってくるのを待つことはできない。
今回はムーミンの愛って深いと思うんだって話などをしたい。
冬のムーミンとスナフキン
毎年冬、ムーミン達は冬眠をするからスナフキンはムーミン谷を出て旅に出る。そして、ムーミン達が目を覚ます春頃に戻ってくる。
もしかしたら、崖から落ちて命を落としているかもしれない。ムーミン谷よりも居心地がいいところを見つけるかもしれない。『スナフキンがムーミン谷に絶対戻ってくる』という確信、確証はないんだ。
それでも、また春に会おうと、2人は別れる。
そんな信じ続けるムーミンは本当に強いなって思う。
スナフキンもそんなムーミンだからこそ約束を守りたいと思うのだと思う。このままじゃムーミンを心配させてしまう、春に間に合わなくなってしまうって、必死になってムーミン谷に帰ろうとするほどに。
そんな2人の関係がとても羨ましいなって思う。そこまで想える友達がいるんだって。
2つの血が騒ぐ
ここからはちょっとした余談と私の考察だけど、スナフキンは旅と自由を愛するムムリク族、家族と家や温かさを愛するミムラ族のハーフだ。
この2つはどうしても共存は難しい。そんな2つの血と遺伝子がスナフキンには流れている。これってとてもしんどいんじゃないかなと思うんだ。
ムムリクの血を満たすために冬は旅に出て、ミムラの血がさわぐから友達たちの元に戻ってくる。
どこかの話にスナフキンの旅についていきたい!と訴えるムーミンの話があった気がする。けれどもスナフキンはそのムーミンの申し出を断っていた。ムムリク族の血を引く彼にとって、旅は一人でするものだからだ。他者がいることで自分のアンテナが鈍るような感じがするんだろう。
スナフキンは決してかっこよくなくて、いろんな葛藤と戦っているお兄さんなんだと思っている。
大事なのは誰と約束をするのか
いろんなところを転々とするのも楽しいけれども、それは旅じゃない。ただ巡回しているだけだ。私にとってはたまに顔出すところが少しあればいいと思っていた。
約束が積み重なる、人との関係を継続しなきゃいけないのがとてもつらかった。なぜならそれにリソースを割かれると自分のやりたいことをやる時間がなくなるような気がするからだ。
今まで問答無用でええよーって言っていたのは、自分にとってやりたいことがなかったからだ。今は結構つくりたいのがあるから、「あなたのために時間を割きたくないです」ってモードになりかける。
けれども、中にはそうは思わない約束もあって、違いはなんだろうと考えたとき、理由は『人』にあるなと気づいた。
もし私がスナフキンなのであれば、周りの友達はムーミン谷にいる仲間たちなんだ。この人たちとの約束は守りたい、関係を積み重ねていきたいと想えるかどうか。
意外なところにムーミンたちはいるんだなと思った。そんな日だ。
May the wind be ever at your back
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