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勝ちも負けも変わらない

とある本を読んでいて、なぜ人は争うのかを考えた。ちなみに読んでいたのは、以前も紹介させてもらったコチラ。
周囲の人たちとの関わり方や、宇宙のことを知り始めるといろんなことがちっぽけに思えてくるという話をさせてもらった。

その中に、なぜ人は戦うのか・争うのかについて書かれている文章がある。それを私なりに噛み砕いて、咀嚼して、話していこうと思う。

このことを書こうか書かないか少しだけ迷ったけれど、ちょっと書いてみるかと思えてきた。この思考も私を形成する一部だし、きっと無駄にはならないだろう。

歴史を学ぶに当たって、人同士の傷つけ合いを直視することを避けることはできない。むしろ、知ったほうがよい事実であることが多い。そう思うので、自ら戦争や戦争の足元にあった差別や弾圧に触れていくことが過去も多々あった。
誰かが紡いでいかないと、ねじれて曲がって時間をかけて嘘が本当になっちゃうから。逆に自分が知った事実と仮定したものが嘘かもしれないと疑うのも大事だと思っている。

今回で言う戦いや争いは必ずしも戦争などの大きな戦いを指さない。戦争と比べると小さな、いじめや人しれぬ孤独感や虚無感に触れていきたいなと思っている。

なぜ戦ったり、争ったりするんだろう?

人には必ず守りたいものがあると思う。それが人によって、子どもだったり、家族だったり、国民だったり、もっと大きななにかだったり、プライドだったり、信念だったり…さまざまだ。

私が守りたいのは、脆い弱い自分と箱庭の中にある全てだ。箱庭の中のものに火をつけられようもんなら、すぐさま急所を狙いに行くことだろう。

その守りたいものって、守りたいもの自体が自分で自衛をすることができないことが多い。
子どもであれば、もちろん弱い立場であるわけだし、大人たちを頼る必要が出てくる。脆い自分であれば、そのままの私でいたら防御力0だから、強い私というペルソナ的な鎧を装備することになる。

そんな大切なものを傷つけられるから、言葉という名のナイフを手に取ったり、実際に人に武器で攻撃したりするのだろう。
余談だが、人によって大事なもの、守りたいものの多さはそれぞれだろう。それに執着すると、過剰に攻撃的になる印象がある。地雷が多い…みたいな感じ。

最初はきっと守りたかっただけだ。純粋に傷つけられている、守りたいものを直視するのがつらかったんだ。

けど、なぜ戦っているのか、信念を持ち続けることはとても難しい。
ちっぽけなくだらないプライドのせいであとに引けなくなったということもあるだろう。勝利した快感を忘れられなくなることもあるだろう。
その快感が思考を鈍らせるのかもしれない。考えることを止めた、ただの殺戮ロボットになっちゃうのかもしれない。

勝利・敗北した先にあるもの

勝利をすれば、当然大事なものを守ることができる。
更には相手の上に立つことができる。「ごめんなさい、もうしません」だったり、国同士の戦争などであれば領土を得られたり、貿易や同盟で有利になったりというのがあるんだろう。

敗北をすれば、勝利したときとは逆で、相手に見下される。さまざまなものを奪われることだろう。大事なものを踏み躙られることだろう。

けど、勝利したとしても、敗北したとしても、その足元にあるのは見えない血肉だ。言葉は目に見える傷にはならないが、十分深く突き刺さる。致命傷にもなり得る。

よく論破をしたり、言い負かすことで満足をする人がいる。相手のことが嫌いだったり気に食わなかったりする気持ちはわかるが、相手に勝とうと虎視眈々と狙っている限りはよい関係は築けないように思う。

言葉は人を傷つける剣になれる。逆に言えば、誰かを守るために言葉を扱うこともできる。誰かを打ち負かすための勝利ではなく、目の前の人と何かを成し遂げる=勝利をしていきたいと思っている。

どうしたら戦いや争い、傷つけあいがなくなるんだろう

なぜか小さい頃から考えていることだった。小学生向けの哲学書を読んでいたせいかもしれない。どこかスケールが大きいのだ。

同時にマクロス7を見て育ったのもあって、歌で平和を訴えるのにどこか共感を覚える。
馬鹿げてるとは客観的に思うけれど、言葉も通じない人と意外と鼻歌やそこらへんのものをドラム代わりに叩いたりで通じることが多い。意外と音楽で訴えられるものって大きいと思っているんだ。

けど、音楽…となるとでっかい話になっちゃうので、まずは個人ベースの話から。

普段なかなか意識できてはいないけれど、相手自身を見るのを心がけている。友達というレッテルじゃなく、親友でもなく、同僚でもなく、◎◎さんという人を見る。
その上で、相手の大事にしていそうなもの、守りたいであろうものにそっと寄り添う。話ができて、何が大事か守りたいかを話せるのがベストだけど、なかなかそういう機会はないから、察する作戦ではあるけれど。

人生は勝ち負けじゃない。誰かに勝てたからといって、何が残るんだ。勝っても負けても足元に血肉が飛び散ってるなら、そんな生き方はごめんだ。

血しぶき舞うような関係にするくらいなら、私は背中や体重を預けられる関係を作りたいよ。


May the wind be ever at your back

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