【ネタバレ有】アナザーラウンドを観て思ったこと
元々は『TOVE』という映画を見ようと思って、映画館のHPを見ていたのだが、俳優さんの大変素晴らしい横顔に惹かれてしまった。
何度か映画館のHPを見ていた内にサブリミナル効果(違)でこの映画が気になるようになってしまった。
お酒が関わるらしい。『人生に祝杯を』のキャッチコピー。実験、論文、証明といった私の性癖に刺さる言葉の数々。そして俳優の顔、マッツ・ミケルセンさんの顔…っ!!!!!!!!顔だよ!!!!!!!!!!!
実を言うと、私自身はかるーく星読みを噛んでいるため、映画のあらすじだけ見て、海王星ちっくな、木星ちっくな話かな??と思った。けど、実際は違った。どう違ったのかは下記に追って書かせて頂く。
更に言うと、何よりも私の「これは絶対におもしろいぞ」の直感は当たる。私の思うおもしろいは、単に笑えるだけではなく、
あらすじ
血中アルコール濃度を常に0.05%に保つと仕事もプライベートもうまくいく。
ヘミングウェイもそんな状態で数々の名作を生み出したんだから、行けるはずだ!アホな挑戦で終わらせないでちゃんと実証した論文にしようぜ!
そんな風して立ち上がった4人の冴えない中年男性達。
要は常にほろ酔い状態だった人生うまくいくんじゃね??という話だ。
※ちゃんとルールやお約束はあるよ!
中でもマッツ・ミケルセンさんが演じるマーティンは教師をしているのだが、仕事も家庭もうまくいかず、日々のつまらなさ・なんでこうなってしまったのか…と今にも心が折れそうな状態だ(いや、折れていたのかもしれない)。
そんな4人の男たちの話である。
お酒が絡むわけだから、なんとなく展開は読めるんじゃないかなとは思う。
あと、デンマークの文化にも触れることができて楽しい。インテリアも見ていてわくわくした。
感想 ※以下、ネタバレ有※
お酒はね…歯止めが効かなくなったら終わりなんです。主人公であるマーティン以外は、GO!!GO!!ってタイプみたいなんだけど、それに流されちゃうマーティン…。なんか自分と重なった…わかりみが深い…。
バカな挑戦をして、お酒を飲みまくった結果、たくさんのものを失う4人の男たち。教えてくれるのは『何事も程々に』ということだ。
けど、そんな『何事も程々に』でまとめちゃいけないような気がする。
中でもマーティンは歴史の教師。
生徒たちも受験(テスト?)に歴史が出てくるわけだからちょっとピリピリする。お酒を飲む前のマーティンの話は、生徒にとってはあまりにもつまらなく、支離滅裂だった。
しかし、お酒をちょっと飲むようになってからはどうだろう。
呂律はまわらないにしても、確かに生徒の心は掴んでいた。生徒たちの中で、歴史教師であるマーティンの姿はすぐさま更新されていく。
また、家族との付き合いも少しずつ好転していく。今までは妻とも子供とも話すことがなかったのが、休暇に出かけるのを提案するほどになったのだ。
あのシーンでマーティンの妻は何を思ったんだろう。マーティンは離さまいと妻を抱きしめるけど、妻の表情はどこか困惑していた。とても印象に残った。
さて、どっちが本来のマーティンだったのだろうか。
酒を飲む前のつまらない冴えない男、飲んだあとの人と関わるようになった男。
結論、他の3人のマーティンの友人も見ていて、酒に酔ってる姿も自分であり、本質である。生徒含め人は、その人の本質が見えたときに距離を近く感じるんだろうと思った。
お酒で誤魔化したとしても、目の前にいる人がその存在を認めたらそれは事実となる。嘘はいくらでも、真実になる。
その真実は誰かを成らせる。圧倒的な変化を与える。
酒を飲まなくなったマーティンに対しても、生徒たちの態度は「何?調子悪いんすか?www」くらいで変わることはなかった。酒の力は頼ったにしろ、生徒たちとの繋がりは作れたのだと思う。
終盤辺り、途中で友人の一人であるトミーがアルコール依存症により職を失い、自殺をする。
一人だけ担当が小学生だな…こいつなにかあるな…というメタ読みをしていたが、まさか自殺にまで至ると思わなかった。年老いたわんこを残すんじゃないよ、トミー。
最期のマーティンのダンスはずるい。とてもかっこよかった。何を思って踊っているのかは観客次第だろう。
さて、最後に彼は、死んだんだろうか、生きて妻の元に向かったのだろうか。
海王星と火星のマリアージュ ※星読み的映画解釈※
最初は、海王星×木星な話かなと思っていた。以下は私なりの各惑星の解釈。
※海王星:見えないもの、深い快楽、癒やし、ハードアスペクトだとお酒注意とかになりがち。
(ちなみに私が、海王星にハードアスペクトがあり、お酒気をつけろ!みたいに出ている笑)
※木星:富、成功、みんなでうぇーい!、みんなで楽しむこと、フェスみたいな感じ。
見終わって思ったのは、海王星×火星の話だなということ。表向きは楽しんでるんだけど、根底にあるのは…たぶんソレじゃない。
※火星:男性性、野望、怒り、行動する理由、やる気スイッチ
冴えない男性たちは楽しいことを求めているんじゃなく、火星が逆行しているような、そんな感じだったのだろう。
何か刺激がほしかった。何か変化がほしかった。だから、ガソリン代わりにアルコールを注ぎ込んだ。
けれど、アルコールは浸りすぎると毒だから、あんなことになってしまったんだ。
きっと世の中年男性…に限らず、何か物足りなさを感じているあらゆる人に響く映画だったのではないだろうか。
必要なのはアルコールじゃなくて、自分から変化をしにいく勇気だ。
久しぶりに映画を映画館で観たなあ。月イチくらいでこういうことはやりたいなって思います。素敵な作品は世界に溢れていると思うから。
最後に、マッツの顔面でちょっと集中できなかったのは秘密である。
May the wind be ever at your back
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