3人のゲストと共に「音楽都市・福岡」の最新音楽シーンに迫る!
J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。
10月13日(水)のオンエアでは、「音楽都市・福岡の秘密!」をテーマにお届け。3人のゲストと共に「福岡の最新音楽シーン」に迫った。
■福岡在住! yonawoの荒谷から見た福岡の音楽シーン
福岡県といえば、井上陽水、CHAGE&ASKA、チェッカーズ、スピッツの草野マサムネ、椎名林檎、MISIA、浜崎あゆみ、ナンバーガールなどを産んだアーティスト王国として有名。ここ数年でも、ポルカドットスティングレイ、Mega Shinnosuke、ユアネス、Rin音、Deep Sea Diving Clubなど、次々といいアーティストが登場している。
まず1人目のゲストは、福岡の音楽シーンが輩出した、今、注目の4人組バンド「yonawo」の荒谷翔大(Vo.)。
yonawo は、2017年に福岡県で結成。2018年に自主制作した2枚のEPは、入荷即完売。地元のカレッジチャートにもランクインし、早耳リスナーの間で謎の新アーティストとして話題となり、2019年11月にメジャーデビュー。今年はフジロックにも初出演を果たした。
あっこゴリラ:yonawo は、現在も福岡を拠点に活動しているそうですが、荒谷さんは福岡の音楽シーンをどんな風に見ていますか? 荒谷:福岡から発信しているアーティスト同士でも、東京など福岡から離れて活動している人からもジャンル関係なしにお互いに影響し合って、福岡の音楽シーンは盛り上がっていると思います。
あっこゴリラ:今でも福岡で活動している理由は何でしょうか?
荒谷:メンバーみんな福岡で育って、福岡が大好きですし、安心して音楽活動ができるっていう安心感はありますね。あとは、バンドを始めたときから応援してくれる人がいたり、できる限り福岡から発信することで、少しでも地元にいい影響を与えられたらと思っています。
あっこゴリラ:もはやインターネットがこれだけ発達したら、東京に出てくる重要性って薄れてきてるなって感じはありますよね。ずばり、福岡の音楽シーンが盛り上がっている理由は何だと思いますか?
荒谷:はっきりとはわからないんですけど、一つの理由に、僕が子供のころからそうですが、福岡は音楽のイベントなどに積極的に取り組む街だと思うので、音楽が身近にある街っていうことがあるのかなと思います。
あっこゴリラ:私もイベントで何度も福岡に行ってますが、音楽に携わる方がみんなめちゃめちゃアツいな、音楽愛すごいなって行く度に感じますね。yonawoを筆頭に、次々に格好いいアーティストが出てく層の厚さの理由は、何だと思いますか?
荒谷:う~ん(笑)。みんな頑張ってるからですかね。あはははは。
あっこゴリラ:結果、それだよね!
荒谷:とにかくみんな地元が好きだから、福岡を拠点に自分たちなりに発信したいという気持ちがみんな強いように感じます。
あっこゴリラ:そんな福岡の音楽シーンで今、荒谷さんが注目しているアーティストは?
荒谷:「nape's」というバンドです。昔から好きで、ライブも観に行くし、一緒にライブをしたりもしていて、音楽的にはずっと聴いていられるような心地良い音楽だと思います。
■一年中、何かしらの音に触れられるような街にしたい
続いて、福岡で活動する音楽プロデューサー・深町健二郎さんが登場。
深町さんは、9月の福岡を毎週音楽フェスが開催される1ヶ月とする「福岡ミュージックマンス」を総合プロデュース。ほか、執筆活動や日本経済大学経営学部芸能ビジネスコース教授、公益財団法人福岡文化芸術振興財団理事など、音楽を中心にエンターテイメントの力で福岡の街を盛り上げ、その魅力を全国や世界に伝えるべくマルチに活動中である。
あっこゴリラ:深町さんは「福岡音楽都市協議会」を立ち上げたそうですが、きっかけは何だったんですか?
深町:福岡は、僕もなぜかはわからないんですけど、音楽人がたくさん輩出された街で、それが今でも続いているっていう。案外、東京都の程よい距離感っていうのもあって、そもそも“独自でやるしかない”みたいな感じもあったんですよね。
あっこゴリラ:なるほど~。
深町:今は、ある意味ネットなどいろんなところで繋がっているので、本来の土地の個性というのがどこまであるのかっていうのはまだ何とも言えないんですけど、ただ築きはずっと続いていると思います。
あっこゴリラ:確かに。福岡音楽都市協議会として、具体的にはどんな活動をされてるんですか?
深町:全国を見ても、音楽がそんな突出してる街ってないと思うんですよ。だったら、この福岡の特徴をもっと都市のブランディングとして内外にアピールする一つの大きな要因になるんじゃないかなと思って。
あっこゴリラ:うんうん。
深町:そうすれば、“福岡に来たらいろんな音楽が楽しめますよ”っていう街づくりにも繋がっていくだろうし、その結果、福岡からまたいろんな音楽人を輩出していくことにも繋がっていくのかなと。音楽の力ってあると思うので、また新しい動きがこの福岡から作れたりしないかなという、そういうことも考えていこうっていう協議会です。
あっこゴリラ:今後、福岡の音楽シーンをどんな風にしていきたいですか?
深町:福岡に遊びに来たら、もう一年中、何かしらの音に触れられるような、そんな音の空間をどんどん街に作っていきたいなと思っています。
■いま時代が求めているものと、福岡のテイストがマッチしている
三人目のゲストは、福岡でラジオ番組の制作ディレクターを務めながら、地元アーティストのプロデュースやレーベル運営まで手がけているという若きクリエイター、野村祥悟さん。
あっこゴリラ:野村さん自身も音楽クルーをやられてるんですよね?
野村:僕はMADE IN HEPBURNというバンドのメンバーなんですけど、総勢15人で活動しています。
あっこゴリラ:楽しそう~! 野村さんは、福岡の音楽シーンをどんな想いで見てきましたか?
野村:「めんたいロック」や「サンセットライブ」など、福岡には全国的に有名な音楽カルチャーが昔から根ざしていて、諸先輩方がそれを発展し守ってきていらっしゃるので、そんな先輩たちに憧れつつ、自分たちのカルチャーや場所を形成するために音楽仲間たちと試行錯誤してきました。
あっこゴリラ:うんうん。
野村:先輩たちが築いてくれた地盤があるからこそ僕たちは運良く、遊んでいた仲間や後輩たちの間から全国的に評価されるアーティストが生まれ、メディアや音楽ファンに、熱い土地として注目されるようになったと思います。この追い風に乗っている若手たちはすごく頑張っているので、その調子で突き抜けてほしいですが、彼らが地元に戻ってきたときに、福岡の熱が一過性になってしまわないように、先輩たちのように、地に足つけて、福岡でじっくりと音楽を作り続けていきたいと思っています。
あっこゴリラ:脈々と受け継がれているってことですね。次々とカッコいいアーティストが出てくる理由って、何だと思いますか?
野村:いま時代が求めているものと、福岡のテイストがマッチしているからだと思います。あとは、「めんたいロック」のときからそうだと思うんですけど、サーフミュージックやレゲエ、ソウルが街の音楽として根付いていることも、いま、全国的に評価されているような福岡的なテイストを形成する大きな要因になっていると思います。
あっこゴリラ:そんな福岡シーンで今、注目のアーティストは?
野村:Deep Sea Diving Clubやyonawo、Doul、Mega Shinnosukeなど、10〜20代のミュージシャンの勢いが強いですが、今後は、福岡のシーンを形成してきたベテランにも注目が集まるんじゃないかと思っています。なかでも、注目なのは、「COLTECO」です。彼らはオリーブオイルさんを中心としたオイルワークス、福岡のヒップホップレジェンドと繋がりがあり、サンセットライブに代表されるレゲエやソウルミュージック界隈からも人気があるユニットです。
あっこゴリラ:これから、福岡の音楽シーンはどんな風になっていくと思いますか?
野村:これまで注目されてきたアーティストたちに触発されたさらに下の世代、そして上の世代が、色々な場所で活発に活動して、対外的な評価に留まらず、福岡に根付いたシーンとして、強固なものになっていくんじゃないかと思います。
J-WAVE 81.3FM『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 22時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/