進化って何?
生き物が「進化」するってどういうことかを、もっとわかりやすく説明しますね。
進化って何?
進化とは、生き物が長い時間をかけて少しずつ変わっていくことです。その結果、生き物は今いる環境で生き残るためにどんどん強くなったり、うまく生きられるようになったりします。これを「進化」と呼びます。
ダーウィンが教えてくれた進化の仕組み
ダーウィンという科学者は、進化についての考えを「種の起源」という本に書きました。彼が説明した進化の仕組みは次のようなものです。
たくさんの子どもが生まれるけど…
自然の中では、動物や植物はたくさんの子どもを産みます。でも、すべての子どもが大人になるまで生き残るわけではありません。生き残るためには、食べ物を見つけたり、敵から逃げたりしなければなりません。生き残るのは、少しでも得意な子ども
生き物には少しずつ違いがあります。たとえば、足が速いとか、寒さに強いとか、見つけにくい色をしているとか、いろんな違いがあります。こうした違いがあると、生き物は厳しい自然の中で生き残るチャンスが増えます。これを「自然選択」と言います。得意なことは次の世代に伝わる
生き残った生き物は自分の子どもにその得意なこと(たとえば足の速さや色)を伝えます。これが「遺伝」です。そうすると、次の世代も少しずつその得意な性質を持つようになります。
進化の結果
このようにして、長い間をかけて生き物の体や性質が少しずつ変わっていきます。これが「進化」です。たとえば、長い時間が経つと、ある生き物が全く違う生き物に変わることもあります。恐竜が昔の鳥に変わっていったり、魚が陸に住む生き物になったりしたのも、この進化のおかげです。
簡単にまとめると
進化とは、生き物が少しずつ変わって、環境にうまく適応していくことです。強い性質を持った生き物が生き残って、その性質を子どもに伝え、何世代も続くことで新しい形や能力を持った生き物が増えていくのです。
ダーウィンは、この進化の仕組みを見つけたことで、私たちが今見ている生き物がどのようにして今の形になったのかを教えてくれました。
ダーウィンの進化論を6つに、まとめると、生物が生き残り、繁殖するためにどのように適応していくかを説明する理論です。この考え方をもう少し分かりやすく解説します。
1. 多くの子孫が生まれる(多産)
まず、ほとんどの生物はたくさんの子どもを生みます。しかし、そのすべてが生き残れるわけではありません。なぜなら、自然界では食べ物や住む場所が限られていて、すべての子どもがそれらを得ることはできないからです。
たとえば、魚や鳥、虫などは、一度にたくさんの卵を産んで、その中の一部が生き残ることが多いです。これは、多産という性質です。
しかし、生き物が暮らす場所には、限られた資源しかありません。つまり、食べ物や住む場所には限りがあるので、すべての子どもが生き残れるわけではありません。たとえば、食べ物が少ないと、全員が十分に食べられず、一部の子どもしか生き残れないことが多いのです。
2. 変異が存在する
同じ種類の生物の中でも、すべての個体がまったく同じわけではありません。たとえば、体の大きさや色、行動に違いがあります。これを「変異」といいます。こうした変異が存在することで、一部の個体が他の個体よりも有利な状況に置かれることがあります。
3. 有利な変異を持つ個体が生き残る(自然選択)
この変異が重要になります。もし、ある個体がその環境によりよく適応していると、その個体は生き残る可能性が高くなります。たとえば、食べ物が少ない環境では、少しの食べ物で生き延びられる個体が有利です。このような個体が自然に「選ばれる」ことを「自然選択」と呼びます。
4. 有利な性質が次世代に伝わる
自然選択によって生き残った個体は、子どもを残すことができ、その有利な性質を次の世代に伝えます。これを「遺伝」といいます。こうして有利な変異が種全体に広がり、長い時間をかけて進化が進んでいきます。
5. 自然選択は「競争」だけではない
進化や自然選択というと、時に「弱肉強食」や争いをイメージしがちですが、ダーウィンが言いたかったのはそれだけではありません。むしろ、自然界には「協力」や「共生」が生存に有利になる場合も多くあります。たとえば、ある生物が他の生物と一緒に生きることで、お互いに助け合いながら生き残ることもあります。
また、ダーウィンは「雌選択」という考え方も紹介しています。これは、メスがオス(またはその逆)を選ぶときに、より生存に適した相手を選び、その性質が次の世代に引き継がれるという現象です。
「自然選択」という言葉は、時々「強いものが弱いものを倒す」と誤解されることがあります。しかし、ダーウィンの考えでは、生き残るために必ずしも強いことが必要ではないということがポイントです。たとえば、動きが遅いけれど少ない食べ物でも生きられる生き物が、食糧不足の環境で有利になることがあります。また、争わずに他の生き物と協力することが生き残るために有利になる場合もあります。自然界では、必ずしも「競争」だけではなく、共生(一緒に生きていくこと)が大切な場合も多いのです。
6. 進化は偶然の変異から始まる
ダーウィン以前には、環境の変化に応じて生物の形質(特徴)が獲得され、それが次の世代に伝わるという考え方もありましたが、現代の科学はそれを否定しています。進化は、突然変異という偶然の変化が起き、それが自然選択によって選ばれた結果として起こります。環境は変異の速度に影響を与えることはありますが、変異の内容を決めることはできません。
進化は、自然の中で生物がどのように適応して生き残るかを示す非常に重要な理論であり、ダーウィンの進化論は私たちが生物の進化を理解するための基本となっています。