シャンテチョコバナナ
このタグをふと見かけ、途端に"あんどれ"というクレープ屋を思い出した。
ある商店街の中にあるクレープ屋さん。私が幼い頃からずっと、同じおっちゃんが切り盛りしている。
私は関西人ですが、いかにも関西人ぽい人や雰囲気はどちらかというと苦手かもしれない。
でも私は、関西味が強いここのクレープ屋が好きだ。
幼い頃、ある事がきっかけで母は健康志向になった。かなり徹底的で、ウインナーなどの加工品や、白い砂糖が入ったお菓子はなかなか食べさせてもらえなかった。
だから、みんなが何気なく食べていたクレープが、私にとっては特別でご馳走だった。
小学校高学年〜中学生の頃、お小遣いももらえて少し健康縛りも緩くなった。
友達と遊ぶといったらプリクラを撮ってあんどれでクレープ食べる。みたいなコースが定番になった。
クレープを包んでいるオレンジ色の紙が忘れられない。そこに「出来たて熱いやろ」と、ティッシュを沢山取って手元に何重も巻いてくれる。
スプーンのハンコが押されたポイントカード。有効期限がなくていつ行っても使える。
そして破格の値段。今価格は変わったかもしれないけれど、当時はバターのシュガーというシンプルで1番美味しいクレープが180円。チョコも200円くらいで食べられた。
皮が熱すぎる為、チョコが皮から染み出して手がドロドロになる。
底からも溶けたチョコやアイスがが流れ出て慌てて吸う。
生クリームチョコバナナはこの店ではシャンテチョコバナナという。シャンテて何。
ピザクレープというおかずクレープとの出会い。何か知らんけど食べる時は背徳感を感じてしまう。
そんな光景が、今鮮明に蘇ってきた。
今でもクレープは特別。
コンビニスイーツでもクレープが1番好き。
今日クレープ食べれるんやと思うとワクワクする。
流石に20年経ったポイントカードは使えないだろうけど、今度久々に行ってシャンテチョコバナナを注文し、新しいスプーンのハンコを押したポイントカードを貰えたらいいなと思う。
幼少期を懐かしみ、癒しの時間を満喫する。
でもそんなひと時は束の間で。
大股で歩きタバコするおじさんや、店員さんに大声で横柄に振る舞う関西味が強い人達に再び疲弊する日々が一瞬で戻ってくるだろう。