初めての海外
今日は、初めて海外に行った時のことを、書きたいと思います。
僕がブラジルに行ったのは、1990年、まだインターネットが普及していない時代でした。
僕はプロのサッカー選手になることを目指して、15歳の時に、ブラジルのサンパウロに留学をさせてもらった。
情報はサッカー雑誌のみ。今とは違い、行ってみないと何もわからない状況だった。
サンパウロは、街がめちゃくちゃでかくて、いろんな国の人たちが本当に沢山いた。僕は、大阪の小っちゃな町に住んでいたので、街の大きさや人の多さにテンションが上がっていた。
僕は、プロチームのジュニアに入った。
ここでは、Aチーム(プロ予備軍:テストに合格をしていたり、スカウトを受けた人)とBチーム(練習には参加できるが、ほぼ、テスト生扱い)で毎日のメニューがわかれていた。
Aチームの人たちは、プロのトレーナーに指導を受け、うまい人たち同士で練習をしていた。
僕は、Bチームだった。
Bチームの人たちは、毎日来るテスト生を相手に紅白戦(練習試合)をしていた。
テスト生は、すべての人がうまいわけではなく、僕は早く、Aチームで練習がしたかった。なので、Aチームにしれっとまぎれこんでは、トレーナーに「君は、向こうや」と、テスト生たちのところへ返される。ということを繰り返していた。
そんなことをしているうちに、Aチームの友達ができた。
まだ、言葉も話せない僕に、彼らは一生懸命に話しかけてくれた。何を言っているかはあまりわからなかったけど、すごく嬉しかった。本当に優しかった。
彼らの寮は、スタジアムの階下にあり、電気は裸電球、ベットマットが地べたにひいてあって、部屋というよりは、コンクリートの広い空間。そこに7,8人が住んでいた。
そこに、泊まりにおいで。と誘ってくれたので、僕はよく、そこからみんなと一緒に練習へ行った。
お金があるわけでも、何か特別なことをするわけでもなく、練習後、ただ一緒にご飯を食べて、テレビを見て寝るだけだった。
でも、それがなんか、すごく楽しかった。
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