どうかしてる度を越してる1月
月末定期にしたい60分note。始めます。
SNSや動画サービスの名前を七つの大罪に重ね合わせてバズった画像では、Twitterに憤怒が割り当てられていた。怒る場所になるのも無理はない。だって世の中があまりにも怒りたいことで溢れているからだ。
ミュージシャンの楽曲でも怒りをストレートに表現した曲が増えたように感じる。すべてがごく最近の曲という例えではないので少しぼやけてしまうが、星野源のアイデアとCube、米津玄師の感電、Official髭男dismのAnarchyを挙げたい。
それぞれの歌詞には にこやかに中指を・馬鹿が強いる理不尽を解け・真実も道徳も動作しないイカれた夜・どうかしてる度を越してる というフレーズがある。怒りや不条理、やるせなさなど、醜いものを直視し逃げない姿勢を貫いているように思える。一種のノブレスオブリージュや、文化資本という背景があるかもしれない。今挙げた3組の音楽家の曲と真逆になるのが、夜に駆けるとヨワネハキだと思う。どっちもヒットしているが、前者と後者の曲を聞く人たちは想像よりずっと分かれている。現状維持だと思っているものが後退だと気づかないまま、ゆっくり下って終末に至ることがどこか是とされている雰囲気が好きになれない。この好きになれないは自分が現状維持出来ていないことと同義。
例えば ゴチになります！ のクビ決定回では｢かんどうてきなきょく｣としてYOASOBIのハルカが流れた。もちろん悪い選曲でもないしハルカはいい曲だが、あの卒業ソング然とした/卒業ソングの模範解答的な歌詞が何かを収斂しているような違和感を覚えた。これ以上の言語化が出来ないのが心苦しい。Ayaseさんの歌詞とikuraさんの歌唱をもってしても、現象に曲を当てることでこぼれ落ちるものは確実に生じる。馴染みのよい言葉であると同時に一般化された言葉。もっとそれぞれの事象に相応しい言葉があるはずなのに、ハルカの歌詞がはめ込まれてしまうとそれ以上の言葉が出てこなくなる。
夜に駆け出して終わる曲の結末を飾り立てられた自○の肯定のように解釈してしまう。ソニーのアーティストがソニーのイヤホンを販促する曲が毎年作られる。音楽は世相を反映するだけでなく、景気の良しあしと曲調がリンクしているとも言われているそうで、今は景気が悪くて曲も暗い時代(主語デカ)だと感じる。
映画の終盤や、ドラマで事件が解決した後、医療ドラマならオペの後などに、判で押したような｢かんどうてきなきょく｣が流れるのも何とも言えない。ダサいけど代替する曲の雰囲気が分からないし…
Anarchyはコンフィデンスマンの最後にかかって映画館で聴く曲としての印象と、夜中に自室でヘッドホンかぶってスマホでMVを見たときの印象が大きく違う。映画館の中ならどうかしてるのは何重にも施された詐欺師の大仕掛けだが、部屋の中ならどうかしてるのは命を軽視する政治家と翼賛メディアになってしまう。これを書いているのも何の価値もない夜更けだ。
Anarchyを訳すと無秩序や無政府状態となるが、藤原さんはこの曲をいつ書いたのだろう。今のコロナの惨状は正直 無政府状態 と言っても差し支えないほどで、ザルな検疫と検査体制のままBA.1による第6波①とBA.2による第6波②が区別されないままやってくる。補償もない休校もない、受験はやる、カンニングが起これば生徒が過剰に叩かれて自己責任論が我が物顔をする。その行為に至った背景や社会構造の歪み(抽象的)みたいなものは考慮されない。
リンチパーティーとか大人のいじめが無くならないのは｢いじめが楽しいから/いじめより楽しいことを知らないから｣だと思う。いじめてる側に問題があるって整くんが言ってた。趣味は増やすほど自分を救うとか、推しは人生を豊かにするという言葉に寄り添われて、いじめる暇がないほど忙しくありたい。宇垣総裁の｢気絶するまで何か読んでる｣という言葉をすかさずメモした。
参院選だけでなく毎週どこかしらで選挙があるのに、めざせ75％みたいなSNSの運動が起こるのは直前だけ。政治家が常に選挙運動をしているなら、有権者も常に選挙のことを僅かでも考えられればいいなと思う。投票率が上がっても別の問題は出てくるだろうが、組織票の数で殴って終わりの選挙よりは多分マシだ。
映画も東宝→地上波ラインとアニメしか観られない/かからない状況がより近づいている。自分の興味が最優先だが、少しでも抗うためという意味も込めて、MCU以外の洋画も見に行っている。YouTubeで見る映画の広告は何故かゴーストバスターズばかりで、ソニーはアンチャーテッドを国内で宣伝するつもりがないのかなと思う。私はゴーストバスターズよりトムホのアクションが見たいんじゃ。(ここまでで60分)
あとがき。
この世界に降り注ぐ朝日を誰しもが待っている。でも明けない夜はあると思う。夜が明けなくなる前に、夜明けが訪れますように。手は生き物、声は祈り。つけ足すとするなら音楽は救い、エゴは赦し。
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