かわら版No.49 米沢こそ、これから、アニメズム!!
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先日5月24日(金)に、米沢市が主要ロケ地である、制作:スタジオコロリドの長編アニメーション「好きでも嫌いなあまのじゃく」(好きあま)が公開となりました。音楽は、ずっと真夜中でいいのに。(ずとまよ、ZUTOMAYO)が提供する、主題歌「嘘じゃない」/挿入歌「Blues in the Closet」。
さっそく、私も観に行ってまいりした!
映画のについての詳しい感想と考察は、まだ公開したばかりですので、ネタバレもしてしまうので、もう少し経過したら、好きあま論を書きたいと思います。
とはいえ、とても良い映画でした。映画本編のまちの描写は、米沢のまちの風景そのものでした。米沢市民は、自分のまちがこんなに沢山描かれる長編アニメーションは、後にも先にも当分ないように思います。私の出身中学の米沢第一中学校も、ばっちり登場しておりました。
また、映画の内容に直接関わりはしませんが、「好きでも嫌いなあまのじゃく」(好きあま)では、2004年に公開され話題となった米沢が舞台の映画、矢口史靖脚本・監督作品の「スウィングガールズ」の登場人物風を再登場させるなど、米沢ゆかりの映画をつなぐ、オマージュ・hommage(リスペクト、尊敬や敬意)と遊び心のある演出もあり、映画ならではの米沢愛を感じ嬉しくもなりました。さらに、詳細は論じませんが、大きなアニメーション史のつながり、モティーフ、ロケーションイメージ、キーコンセプト、キャラクターデザインなど、が象徴的に引き継がれており、例えば、新世紀エヴァンゲリオン、千と千尋の神隠し、交響詩篇エウレカセブン、君の名は。、鬼滅の刃、などアニメーション史を彩る名作の系譜・genealogyを感じました。
書きたいことは、まだまだあるのですが、とにかく「好きでも嫌いなあまのじゃく」(好きあま)は、私たちが、感じ考えているよりも大きな可能性・potentialを持ち合わせていると思います。
ただ、一般的かつ傾向的なことを言えば、アニメーションは、これから益々重要になってきます。自然、文化、歴史、思想、経済などなど、アニメーションは現在とてつもなく大きな価値を生み出していっています。そして、「好きでも嫌いなあまのじゃく」(好きあま)もそうなのですが、私たちのリアルな世界を、アニメーションの仮想世界は、まるでリアルな世界が現実に拡がっていくように、あるいはそれ以上に、新しい生態系のようなものを生み出していっています。
つい最近、トーマス・ラマール『アニメ・エコロジー』という本が著されました。私たちが、テレビでアニメをみる経験、ひいては各メディアを通じてアニメをみる経験、大きくは、アニメーションがどのような環境そして生態系のようなものを醸し出しているのかについて問おています。
私なりに、解釈すれば、
世界は、もはやアニメ的なのです。そして、私たちとって、生態系的、アニミズム的(森羅万象的)なのです。
※トーマス・ラマール『アニメ・エコロジー』では、“信号的アニミズム”という概念が提示されています。
「好きでも嫌いなあまのじゃく」(好きあま)では、米沢の美しいまちが描かれました。米沢は、生きとし生けるものすべてに等しくいのちがあり、お互いに尊重するという精神が深く根付くまちです。また、新しい米沢のアニメのまちも描かれました。アニミズム的、アニメ的な可能性を秘めているように思います。そこで造語をつくります、アニメズム! 米沢こそ、これから、アニメズムを考えていく、そのような在り方も考えてみることができるかもしれません。
「好きでも嫌いなあまのじゃく」(好きあま)公開です。アニメーションを通じて米沢の新しい可能性を想像し、つくっていきましょう!
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かわら版No.49