ニューワールドワインって何?
Sommelier Due の3分で読めるワインコラム 。2人のソムリエがワインのアレコレを会話形式で解説してゆきます。
ワインを勉強し始めると「ニューワールド」「新世界」「ニューワールドワイン」というワードをたまにみかけませんか??
ソムリエ K(以下K) ワインにおける「ニューワールド」とは、簡単にいうと新興産地のことです。戦後にたくさんのワイナリーが出来て、畑も増えて産業として発展していった国、地域のことです。
ソムリエ T (以下T) 国でいうとアメリカ、オーストラリア、チリ、ニュージーランド、南アフリカ、アルゼンチンなどです。コロンブスの大航海時代を彷彿させますよね。
K とはいってもブドウ栽培の歴史はかなり古い国もあるけどね。フランス、イタリア、ドイツ、スペインのヨーロッパのワイン諸国は旧世界とも言いますが、このフレーズはあまり使ってないね。
T 戦後も長い時間がたっているので「ニューワールド、新世界」の言葉自体も一時期よりは使われなくなっていますよね?
K そうだね。一番の違いはニューワールドワインはブドウ品種をラベルに明記していること。フランスやイタリアのワインは地域を重んじるので「シャブリ」や「キャンティ」とは書いてあってもブドウ品種は書いてない。
T その分かりやすさが飲み手に支持されてましね。でも近年はあまり関係なくなってきている。フランスやイタリアの生産者が品種をあまり書かないのは変わってないけど。
世界のマーケットの拡大とブドウ栽培の技術向上、地球温暖化の影響もあり生産地、生産量が増えてきている。
K 今までは上記の「ワインベルト」と呼ばれる中にワイン産地のほとんどは入っていたのだけど 、近年はブドウ栽培技術向上と地球温暖化の影響でワイン産地が増えてきてるね。 成長が目覚ましい日本のワインをはじめ、生産量では国別でもうトップ10に入る中国、タイやインドのアジア諸国でもワインは産業としてなりたっているね。
T 温暖化の影響で記憶に新しいのはイギリス南部でスパークリングを中心としたワインができるようになったこと。ひと昔前では考えられなかったことです。
K 新興産地も更に増えて、やがては「ニューワールドワイン」という言葉自体がなくなっていくだろうね。
Sommelier Due 2人のソムリエという意味の造語。2人の気に入ったワインを置いているワインショップです!ワイン1本1本に2人の解説が付いてます。