2023年9月のよんだ みた きいた
9月は仕事も家庭も、いろんなものがジリジリとしか動かずにやきもきした。9月の楽しみは家族が寝静まった後に見る映画だった。10月に入り、一気にパタパタっといろんなものが動き始めているのを感じる。
流れが停滞しているときはじっとできることを進め、物事が動きそうなときは一気に流れに乗る。それを見極めることが大切だと改めて気づく1ヶ月になった。
よんだ
この本に書いてあること、紹介されている事例は、どれも「本当そうですよね」と頷くことばかり。文化という多義的な言葉を大掴みしたうえで、新しい「コンピテンシー」という考え方につなげるところに若干の難しさがあるだろう。
もう一周ほど読み返してみて、改めて感想を自分なりにまとめたい。
みた
1.MINAMATA
ジョニー・デップの存在感がすごい。日本人俳優も見ていてドキドキした。こうした社会的な出来事は、関心がなければまったく耳に入ってこない構造になってしまっている。もっと知らなければいけないことがたくさんあるはずだ。
ブラックマウンテン・カレッジに興味があったので、この展示を見に行けてよかった。川村記念美術館はいついっても素晴らしい。庭も素敵だし、常設展示もすごい。マーク・ロスコの部屋にいると、時空が歪んでいく。
隠れビル・ナイファンとしては(別に隠れる必要はないのだが)、この映画は彼の魅力を存分に見ることができる映画だった。MINAMATAでも彼がいい味を出していたが、この映画の存在感は素晴らしい。家族の在り方って難しい。
4.She said
見ていてヒリヒリする。ちょうど日本でもこのトピックでニュースが持ちきりだが、権力を持っている側が、持っていない側に優位に働いてしまうことに対して、もっと敏感でいないといけない。注意しなければ。
5.過去のない男
カウリスマキ映画がいきなりPrime Videoで無料で見れるようになっていた。久しぶりに堪能する彼の映画はやはり最高。途中の無駄に長い演奏シーンとか、頭がクラクラするくらいかっこいい。
きいた
キリンジの新譜は、とても瑞々しく、かつ奥行きがあって、なんとも素晴らしい作品だった。「素敵な予感」というキーワードが、年齢を重ねても誰にでも訪れられるような親切ささえ感じる。
もともとキリンジは、古い知り合いが大好きだった。その人とはもう5年くらいまったく連絡を取っていないのだが、その後も僕はキリンジの新譜が出ると聴いている。そうやって誰かの好きなものが自分の一部になっていくことが、年齢を重ねるからこそできることだなとも思う。
WilcoはいつまでもWilcoで、いつでもWilcoだ。このバンドは本当に信頼できる。一聴してさまざまな実験をしていることがわかる、とてもいい作品だ。こないだのヨラテンゴといいウィルコといい、ベテランバンドがひたすら良作を出し続けることが信じられない。ジャケットも綺麗。3月の来日公演、一応チケットは取れたけど、いけるかな。