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家の鍵を忘れた。

今朝はわたしが仕事で先に家を出た。
泊まりに来ていた彼からは、昼頃地元へ帰ったとLINEが入っていた。もちろんきちんと鍵を閉めて。

わたしの、オレンジのキーケースは、家の中。

気が付いたのは、愚かしくも退勤後。激しく動揺して、彼に電話した。

「合鍵を持っていく、すぐだからまってて」

あ、うそ、ちがう、ちがうの。
そんなつもりで、電話したんじゃなくて。
ただ、笑い飛ばしてくれればよかったのに。
そりゃ、あわよくば一緒に解決策を考えてくれないかな、くらいは思っていたけれど。

慌てふためき、やめて、いいよ、ご両親に咎められるだろうからと伝えても、「もう外にいる」って。

これじゃあ、ただの迷惑な彼女じゃないか。
嬉しい、申し訳ない、きもちが交互に行き交う。駅前で突っ立って、涙が溢れていた。

彼が来てくれるまで、あと1時間半。
せめて、朝ごはんはちゃんと作ってあげなくては。

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