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【映画】『ジョーカー:フォリア・ア・ドゥ』(2024)


2019年に公開されたトッド・フィリップス監督の『ジョーカー』の続編。ホアキン・フェニックスが主演を務め、世界的に大ヒットした前作…ファンの期待は大きかった。

しかし、アメリカでの評価は低く、「むしろ気になる」状態だった。さて、世界での評価は…まさに賛否両論。

私は前作『ジョーカー』が好きでウキウキで公開を待っていたのだが、いろんな感想を嫌でも目にしてしまうわけで、期待値はとーっても低かった。

【意外と悪くない】

期待値がとても低かったこともあってか、意外と悪くなかった。いや、むしろ面白かったかもしれない。大好きな映画とまではいかないが楽しめた。

前作同様、映像のセンスが良すぎるし、カット割も完璧。音も変なところはひとつもなくて素晴らしかった。最も良かったのはトッド・フィリップスの伝えたかったことがしっかりと作品から感じられたところ。映画にとって作り手の思いが観客に伝わることは何よりも大切なこと。それができただけでも、この映画を作った意味はあっただろう。

【なぜ賛否両論されているのか】

これは先ほど言った「監督の思いが観客にどう伝わるか」ということとも関係してくる。

この作品は悪のカリスマ、ジョーカーではなくアーサーをメインで見せている。しかし、映画の中で出てくるジョーカーのファンたちも、実際にこの映画を見ているジョーカーのファンも、アーサーが自己主張したら離れていく。前作のようなダークヒーロー的なジョーカーを望んでいる人は、アーサーの苦しみや病気、生活には興味がないのだ。むしろ自分のヒーローのそんな部分見たく無いのだろう。

だからこそ今回の作品は賛否両論されている。しかし、それでも監督はアーサーを見せたかったのだ。実は前作に対する観客の反応(模倣犯とか)は、監督の期待とは違っていたのだろう。だから皮肉を込めたのだと思った。

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