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代官山17番地

久しぶりに本棚から取り出したハービー・山口さんの写真集、代官山17番地。僕のは2018年に出版された新編の方ですが、5月26日まで東川町で開催されていたハービーさんの写真展を思い出しながら、ゆっくりとページをめくっています。
ハービー・山口さんといえば、言わずと知れたライカ使いでもあり、オリジナルのモノクロプリントにも定評のある作家で、僕もこれまで何度か写真展を拝見していますが、今回は道内の展覧としては最大規模になるもので、初期の作品から最新作まで非常に見応えのある写真展でした。

なかでも代官山17番地シリーズのプリントは、ローライフレックスによる中判フィルムということもあって、階調がとても豊かで柔らかく、若かりし頃のハービーさんが鏡に写った一枚などは見惚れてしまうようなプリント。優れたアナログの世界を銀塩で表現できる人が稀になるなか、久しぶりにモノクロプリントを堪能させていただく貴重な機会でした。

僕のような素人が言うのもなんですが、プリントのレベルを上げるためには、写真展などでできるだけ多くの美しいプリントを見ること、そして目標となる写真(プリント)を購入して普段から目に焼き付けておくことが大切なのではないかと思っていますが、残念ながら札幌では、上質のプリントを拝見できる機会はほとんどありません。
たとえデジタルであっても写真はやはり紙、プリントに限るよなぁ、などと呟きながら、ゆったりと過ぎる午後のコーヒータイムです。