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続かない人に見てほしい映画
色んなことをはじめては辞めてを繰り返している人がいる。
一度決めて始めたら1〜2年は続く。熱量がすごいので、物量ですぐに上達する。
そしてあるときパッタリとやる気がなくなってしまう。
私の説明書である。
熱しやすく、冷めやすいよね
0か100しかないね
そんなふうによく言われるし、自分もそう思う。
好奇心大勢で、興味があることに飛びつく習性がある。
アップダウンがある人生が、好きだ。
やはり、なにかしら“動き"がある方が性に合っているのだと思う。
しかし、そんな私が"くらった"映画がある。
パーフェクトデイズ
最近みた映画。まだ上映してるのだろうか?
大きなネタバレはしないけど、内容をサラッと書きたい
主人公はトイレの清掃員。(以下:彼)
彼は、毎日同じルーティンで朝から晩まで通している。
舞台は現代のはずだが、彼だけに焦点が絞られていることと、彼の生活にスマホなどのテクノロジーが自然にごっそり省かれていることで、昭和というかレトロな雰囲気を感じる。
彼の生活は、変わらない。
ずっと平坦な生活。
同じ朝、同じ昼、同じ夜の情景が何度もでてくる。
そして、時々、幸せそうに微笑む。
充実感のある生活とは、もしかしたらこんな生活なのかもしれないと考えさせられる。
彼の生活は、哲学者や僧侶に近いが、哲学者のような疑問を追求したり、答えを見つけようとする姿勢はなく、僧侶の修行のようなものを連想する描写はない。
自然に生きている。
現代では、この自然さがとても不自然に見える。
「自然に撮る」ことを追求した日本の監督に影響を受けた、ドイツ人監督の作品であることを後に知って納得した。
そう。自然なのだ。とても、自然で、映画を見ているようで、現実を見ている感覚になる。
いつの間にか、現実の問題と重ねていた。
何もない人生の方が、幸せなのではないか、と。
アップダウンのない人生の方が、充実するのではないかと。
実に"くらった"映画だった。
そして、この映画、お察しの通り、最後に答えが用意されるわけではないのである。
これもまた、現実と同じだ。
私はきっと変わり映えがある好奇心を刺激する日常が好きなのだろう。
それはこの映画を見ても変わらないかもしれない。
正解なんてないのだ。
それでも、世界の見え方が変わる作品に出会えたことが嬉しくてたまらない。
おっと、何の話だっけ。
そうそう。
動きがある充実か、静かな充実か。だった。
あなたはどっちが好きですか?
私はもう少し歳をとってから静かな充実を求めようと思う。