旅は続く 1
タイトルの写真は、ある町の横断歩道。
うねうねと縦方向に波線が引かれる。
太平洋に面した
美しい西海岸沿いの道ということもあり
海と砂浜を意識したものとおもわれる。
渡るときは自然と
この上を歩いてみたい、という衝動に駆られた。
ルールやマナーに楽しませる要素を
上手く足し算できるのが
僕の知っているアメリカだ。
そして、自らの固定観念に問う。
君はまだまだ凝り固まっていると。
約3週間の旅から帰国しました。
今回のスケジュールには、
モンタナ州の奥深い大自然の湖畔にある
メニーグレーシャーホテルへの宿泊があり、
それはこの数年の間に叶えておきたい
夢の一つでもありました。
心に残るその経験は
モノ選びにおける様々な五感を磨く
素晴らしい体験だったと言えます。
買い付けにおける手段や内容も
近年回を増すごとにアップデートをしていて、
宿の上手な選び方や眠気覚ましの必殺技、
食欲不振の際には
体に優しいスープの探し方まで覚えました。
小さな発見が大きな前進になることは
これまでもいくつもあって、
そんな積み重ねにおいて今があるわけですが
どこにそれが転がっているかは
分からないということ。
全てが繋がっているとするなら
なるべく寄り道をしたい。
だからロードトリップは面白いし、
それを享受できるアメリカが好き。
兼ねてから目的地としてマークしていた
Glacier National Park は、
モンタナ州北部の山岳地帯に広がる
アメリカでも随一の大自然溢れる場所。
1910年に指定公園として設立された歴史があり
宿泊する公園内のロッジは、
1915年に建てられたヒストリックホテルです。
ゲートから車で概ね2時間半かかるその道のりは
Going-to-the-Sun Road(太陽への道)
と呼ばれワイルドフラワー横目に
谷から円を描くように尾根に駆け上がり、
また下っては、舗装されていない砂利道を抜けて
ようやく辿り着く場所。
本当にそこにそれがあるのか
不安になるほど長い道のり。
ようやく見えてきた
このレイクサイドにあるロッジこそ
何度もGoogle Mapと睨めっこをして
夢にも見た場所でした。
ここまで来た自分を讃えて
過大にすごい場所だなんて
言い聞かせる必要はなく、
長い間受け継がれ、守られてきた場所。
説得力が違います。
アメリカの国立公園には、
単に観光地とは違った、ムードがあります。
それはなんとも説明するのが難しい。
空は広く、空気は澄み、静かな湖面に
魚の波紋がちらほら。
水藻は良く育ち水はとても綺麗でした。
早朝には、
対岸に Deer の親子が。
双眼鏡を日本に忘れたのは痛恨のミスでしたが、
都会では役に立たない視力2.0に感謝しました。
翌朝は、
往復12.3mi(約20km)のトレイルを。
8月の気温は、
日中は30度近く日差しも強いですが
朝晩は15度前後まで冷え込みます。
長袖をトランクに入れていないことに気づき、
あまりの寒さにギフトショップで
調達を考えたところ
僕は服屋だったことを思い出す。
スリフトで仕入れたパンツに、
アンティークショップで買ったシャツ、
ヴィンテージショップで買ったベストを
決め込んで快適にトレイルできました。
画像一枚目の
森の木々に挟まれた
真っ直ぐな 2.5mi ほどの山道では
これまでに感じた事がないほどの
自然のとてつもなく良い香りが漂っていて
それは、香料で言うところの
ウッドやフローラルに近い匂いで
心の中でやばいやばいと思いながら
(多分口にも出ていた)
多幸感に満ちていました。
この時点で来てよかったの
パーセンテージはゲージを超えました。
トレイル中は脳内空っぽ。
青とか緑とかりんごの赤って
こんな色だっけ、とか
社会では生きていけないほど知能が幼稚に。
でも笑顔。
水辺の橋を渡った先では
前を歩く白人のおじさんが
口元に人差し指を立てて
こちらを向き「 Deer 」、、
静寂にさらに緊張が走ります。
近い。
グリネルレイクの美しさたるや、、
行きは歩いた道を、
帰路は船でショートカット。
彼のボートを係留する際の
巧妙なロープ捌きは渋すぎた。
立ち去るこの一枚にはその余韻があるでしょう。
最後は、
しばしの間、湖を前に回想。
色々なことを考えてみました。
次に続く、、。