【ラップ解説】いかないでfull rap arranged
こんにちは、染華です。
以前書いたunwelcome schoolラップ解説記事を読んでくださった方々、ありがとうございました。
読んでない方は読んでいただけると幸い。
今回はいかないでのfull rap arrangedの解説です。よしなに。
いかないでとは?
まずはじめに、当楽曲の原曲を知らない方の為に解説。
想太さんが作った楽曲「いかないで」。
電車の揺れるような心地良いリズムと、別れの切なさを表現した歌詞が特徴的です。
また、コメントを見ていると「行かないで」ではなく死を惜しむ「逝かないで」や持久走で置いてかれて「いかないで」という説もあります…w
どう解釈するのかはあなた次第。
intro
<迎え来るのを待つ駅のホーム
様々な人が前を通る
視線はよこさず遥か遠く
見据える眼微塵もない恐怖
向こうの線路に列車が停まる
私も本当はここを出るはず
でも天国への扉は閉まる
またひとりぼっち駅に佇む
テーマは「※ら※を※つ※※をした※」です。
(最後に書くので予想しながら読んでみてください。たぶん読むうちにわかります。全部漢字)
簡単に言うと、「目的地へ行く為に電車を待っている。疲れ果てたその目に恐怖心はない。反対路線に電車が停まり、去っていく。また1人になる」といった感じですね。
野暮ったいなこれ。
verse
<なんでもないと思っていたかった
心殺すと胸が痛かった
でもこのことは仕方がなかった
きっと後悔もすぐ終わるから
私のこと私が慰めて
純情な心も既に荒んで
来た電車の明かりに目眩んで
開いた扉に足を踏み入れた
主人公(ここでは仮に「いかないで」からカナとします)は何かをしでかした、或いはされたようですね。「仕方がなかった」と言っている辺りからおそらくしでかしたんでしょう。さらに拡大解釈するなら「してしまった」と言った方が正しいかも。
そしてその後に続く「きっと後悔もすぐ終わる」「私のこと私が慰めて」「純情な心もすでに荒んで」から、相当に荒れているように感じます。
ちなみにintroより、電車を待っているので外ですね。自慰行為はしてないです。
「電車の明かりに目眩んで」というのは、眩惑と同時にintroから流用して「天国への扉」に目が眩んだということでしょう。そして彼女は天国への道に足を踏み入れました。
<ガタガタと揺れる電車の中で
窓の外に見える闇と茜
地平線の先の景色眺め
先見えず進む私と重ね
現実から逃げているままで
私の周り全部が怖くて
彷徨い探している安全圏
無事電車に乗り込んだカナは夜の闇と夕焼けが混ざり合う空を見つめています。それはさながら、行き先を見ずにただ車窓を眺めているだけの私のよう。ただ流れに沿って動いていくだけだ、とカナは感じたのでしょう。そして、何も考えずに進むことを「現実から逃げている」と捉えました。誰にも助けを求めることができずに、安全圏を探しているんですね。
Hook
<夜が更ける前に その前に
君に逢いに 行きたいけどね、
単純なことじゃないからさ
道は真っ暗闇 ただ帰り
あの日のように 2人で笑いたかったんだ ああ
日が落ちて完全に夜になる前に逢いに行きたい人がいるようです。しかし、そう簡単な話ではないとのこと。ですが、2人で帰って共に笑いあいたいようですね。
単純な話ではないというのは、どういうことでしょうね。何かワケアリの模様です。
verse
<列車から降りたのは1人 私だけが終点に止まり
既に降りきった夜の帷 星一つもない黒に染まり
まだ進む?また戻る? どうするかを決めるのは私
まだ進む?また戻る? 覚悟を決めた
どうやら終着駅まで乗っていたのはカナ1人。
かなりの過疎地のようです。(ちなみにこれはあいの風富山鉄道の終着駅「泊駅」と掛けてます)
先程までの空とは打って変わり、日は沈み星の明かりのない曇天のようです。
そして、カナはここで1つの決心をしました。
ここが物語のターニングポイントですね。
わかった人は、もうわかったかもしれません。
<誰からも連絡のこない携帯
日付が変わってることは明解
そしてここにいることも限界
LINEを送って保つ体裁
何度もかかってきていた電話
私の全部が既に低下
もういろんなことに疲れたんだ
カナの携帯には誰からも連絡はなかったようです。しかし、その後の「日付が変わってることは明解」や「LINEを送って保つ体裁」、そして「何度もかかってきていた電話」というところに違和感を感じます。充電が切れたのでしょうか?携帯が使えるならばロック画面を見れば時間がわかるので「明解」など使いません。しかも、その後にLINEを送ったり、電話がかかってきていたことを知ったりしている。ということは「連絡が来ない」のではなく「来ないようにしていた」つまり、電源を切っていたと考えるべきでしょう。
<ガタガタと揺れる電車の中で
窓の外に見えるのは闇だけ
地平線すらわからなくなって
先見えず進む私と重ね
現実から逃げているままで
私の周り全部が怖くて
探したけどなかった安全圏
ここは先ほどと対比されていますね。
カナは再び電車に乗りました。しかし、先ほど決意したため、戻らずに進むことを選んだのです。
先ほどまで見えていた茜色の空は既に消え、先の見えない道を進む列車と自分を重ね合わせています。そして、何も考えずに進むことを「現実から逃げている」と捉えました。
安全圏は、見つかりませんでした。
Hook
<夜が更けてからじゃ 遅いからさ
君に逢いたいと思うけどね
単純なことじゃないからさ
道は真っ暗闇 ただ帰り
あの日のように 2人で笑いたかったんだ ああ
道は途絶えている 堪えている感情を曝け出す
「いかないで」
もう、遅いんです。
逢いたかった人は、既にいないんです。
道は途絶えています。
カナは今までずっと押さえていた感情を曝け出しました。
「いかないで」
<終わりを告げる現世の音
outro
<鬱陶しかった風や虫の声
それさえも今は癒しに聞こえる
死んだ私はどこへ行きどこへ
還るのかすらわからない
駅から少し歩いて崖の上
明かり灯る街一瞥した末
深呼吸をして飛び降りた
本当はもっと楽しみたかった
みなさんは「親不知」という地域を知っているでしょうか?
新潟県糸魚川市の地名です。
わからない人も多いと思うので簡単に解説すると、片方は断崖絶壁、片方は荒れ狂う波に挟まれた、交通の難所です。
ここはこの恐ろしい地形により、昔から往来する人が波に飲まれるという事例が後を絶たなかったそうです。
駅というのは、泊駅よりもさらに北に行った駅。親不知駅です。
そこで下車してから、山を上へ上へと登りました。
あとはもうわかりますよね。
最後に、答え合わせを。
「※ら※を※つ※※をした※」
この答え、わかりましたか?あまり茶化せるような話題でもないのですが…
答えは、スクロールの先に。
「自ら命を断つ選択をした人」
どこまで行ったら非公開にされるのかわからないので、敢えて直接的な表現は避けさせていただきます。ご了承ください。
みなさんはわかりましたか?途中で察した人もいたかもしれませんね。
とにかく、そういう話です。
まださまざまな疑問は残っていますが、それは皆様の解釈に任せるということで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2023/12/27 染華
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