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やくしまるえつこ 清楚感と静寂

やくしまるえつこさん(以後さん省略)と言えば、バンド相対性理論を思い浮かべるかもしれない。
『あたりまえつこのうた』は、彼女がNHK Eテレの科学教育番組で制作した曲だ。
アルバムには1分40秒という短めの曲が10曲入っている。

1から10まで基本的に同じメロディーの中で曲ごとに歌詞とアレンジが変わっていく。

私が言及したいのは、この曲の清潔感だ。

「清潔感?曲にそんなものある?」

もちろん、イメージとしてそう感じると言うことで、これを聞けばお風呂に入らなくていいとかそう言うことじゃない。
この曲は、楽器、ボーカルの側面から見るとシンプルだ。
楽器、ボーカルの何がシンプルか、それは帯域が被る音があまり使われていない。
それゆえ、音の分離感がよく、全てが際立って聞こえる。
さらに、中心となるボーカルを肉付けする感じで他の楽器が主張し過ぎない。

JPOPやロックでは、多くの楽器を使い複雑に仕上げる曲が多いが、ボーカルが聞こえづらく何を言ってるかわからない曲もある。(それが良さかもしれないが。)

やくしまるえつこの声は濁りがなく、透き通っているため、それが強調されるのは当然だが、他の楽器も無理に詰め込まれているわけではないため、それぞれの音が存在感を示す。

音楽を音という点で見て、対照的なものは沈黙、静寂だと思う。
しかし、この曲を聴いていると静寂も一つの音楽要素として、曲を構成しているように感じる。
それほど、分離感が良く、相対的に音と音の切れ目にも曲の美的価値があるように感じさせる。

楽器、ボーカル同士の混合が心地よさを生み出す音楽。
楽器、ボーカル同士が分離し、互いが存在感を示すことで、全体として心地よさを生み出す音楽。

この曲は後者で、それゆえ乱雑でない清楚感を感じるのだろう。


以上です。

少し、殴り書きに近い形になったが、音楽を音の繋がり、ストーリーとして捉えると、分離感、沈黙というのは、対照的な要素かもしれない。
それをあえて、含めることでこの曲は新鮮さを感じさせるのだと思う。

では、また次の記事で。




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