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38歳バツイチ東京てぃん活日記〜 No.10 自己否定ぶつけてごめんね喫煙デザイナー45歳@代々木


ようやくTinderらしい投稿?なのかな。笑
Tinder10人目にしてはじめて私は男に抱かれた。




その日は仕事で、とても悲しいことがあった。


女は単純だ。


話を聞いて欲しくて、一人になりたくない時があるのだ。

よくあるナンパ師テクニックじゃないけれど


ナンパな男ってそーゆー弱いとこある女のこと、ちゃんと知ってて
甘くて優しい言葉をみんなにかけておいて
弱ってった奴が隙を見せたときに、ここぞって優しくして、狩るんだって。


確かに、その方が効率よく抱けると思う。

今では多分

ちゃんと、他の方法で消化する術を身につけたけれど

その時は、なんとも寂しくて情けない気持ちでいっぱいで。



いつもだったら、気丈に断れることも


その日は弱ってて、頼りたくて、誰かに甘えたかった。



が、


ナンパな男達とか

適当なちやほやとか

適当に優しさを売ってくる男には

それを話す気になれなくて。


どう消化したらいいのかわからず。


新宿のスタバで
カプチーノを飲んで、ぼーっとしていた。



立ち上がり、帰路に向かう途中


急に男性に話しかけられた。

リアルナンパだった。

嫌悪が強いときに、チャラっとした人に話しかけられて
ますます、情けなさとか悲しさとか、自分に対する、よくわかんない怒りとか、色んなのが出てきて

こーゆーのって、情けないとか、弱さが滲んでるのかなって

畳み掛けるように落ち込んでたとき

ここ最近デザインや美術の話でやりとりしてた、代々木に住んでるデザイナーさんからLINEが来た。


「今何してますか?」




一時間後、私は代々木にいた。


ぐちゃぐちゃしてた感情を、彼は落ち着いて受け止めてくれた。

もうそれだけでよかったのだ。

タバコを吸うのだけは嫌だったけど
話を聞いてくれるその態度で
話をまともに聞いてくれる人がいることで
辛かったね、って言ってくれる人がいることで

私は寂しくなかった。

ほっとしていた。


淡々と、落ち着いてお話をする人だったけど
たまに笑わせてくれて、癒されていた。

そこですぐ、じゃあ抱かれたい、ってなったかっていうとちがう。


でも、なんかの瞬間に手が触れたとき


あ、大丈夫だ


思ってしまったんだ。



23:30

電車の終電だ、帰らなきゃ、って
2件目のお店をでたとき。

何やってんだろ、面白いな。
今日初めて会った人と手を繋いでる、って思った。


寂しい。


彼は狙ってるんだかいないんだか、一緒に寂しそうだった。


いっか、私頑張ってたし。
今はこの人に癒されたいのかも。

そう思うのに

口は、「じゃあ帰るね」って言った。


彼は


「あー、分かったわ」


って、なんかムカついた態度。


何それ。。予想と違うリアクション。
よくわかんないけれど私もムカつく。


「えっ」って怒った顔で言った。

「おいで」って肩を抱かれた。


私は何にも、歯向かわなかった。



結局


私は男に抱かれたかったのだ。



デザイナーの部屋は散らかってて、タバコ臭くて

でもその汚さも、その日の私に似合っていた。


(昔の、20代の安い恋愛ごっこみたいだな。

37歳になっても、こんなことしてんのか。)

自己否定をぐるぐるさせながら、甘い蜜にした。
4時間前に出会った男と
久々の、汚い汚い感情と一緒するセックスは、いやらしくてエロくてしかたなかった。

特に身体や相性が合ったって訳じゃない。けれど、その男もきっと久々だったんだろう。
私たちはスポーツみたいに、3回くらい、激しく求めあうセックスをした。


いくとき、

私は泣いた。


その男のマンションは
昨晩は酔っていて気がつかなかったけれど
部屋の中より、外見は大変綺麗な高級マンションだった。

そろっと泥棒な気分で抜け出すように、そこを出た。

朝帰りの代々木の街は、やっぱりちょっと若くて汚かった。

懐かしい。昔、下北や高円寺で味わった、この朝の感じ。

(うん、今はこれがいいわ。)

と、ロックな気持ちが湧き上がる。

一段と若返ってアンチエイジングした気分で

私はセブンのコーヒーを買った。

コーヒーが美味しくて、ようやく落ち着いた。

家に帰ろう。

帰りの電車

自己否定の対象にしてしまったその男に
ありがとうだけ言って

連絡先を消して終わった。

結論


女だってやりたい時はある



青い私を、久々に演じて帰った。


魚喃キリコみたい。



でも、私が私が、が過ぎること

この時は気付いていなかった。