38歳バツイチ東京てぃん活日記〜 No.10 自己否定ぶつけてごめんね喫煙デザイナー45歳@代々木
ようやくTinderらしい投稿?なのかな。笑
Tinder10人目にしてはじめて私は男に抱かれた。
*
その日は仕事で、とても悲しいことがあった。
女は単純だ。
話を聞いて欲しくて、一人になりたくない時があるのだ。
よくあるナンパ師テクニックじゃないけれど
ナンパな男ってそーゆー弱いとこある女のこと、ちゃんと知ってて
甘くて優しい言葉をみんなにかけておいて
弱ってった奴が隙を見せたときに、ここぞって優しくして、狩るんだって。
確かに、その方が効率よく抱けると思う。
今では多分
ちゃんと、他の方法で消化する術を身につけたけれど
その時は、なんとも寂しくて情けない気持ちでいっぱいで。
いつもだったら、気丈に断れることも
その日は弱ってて、頼りたくて、誰かに甘えたかった。
が、
ナンパな男達とか
適当なちやほやとか
適当に優しさを売ってくる男には
それを話す気になれなくて。
どう消化したらいいのかわからず。
新宿のスタバで
カプチーノを飲んで、ぼーっとしていた。
*
立ち上がり、帰路に向かう途中
急に男性に話しかけられた。
リアルナンパだった。
嫌悪が強いときに、チャラっとした人に話しかけられて
ますます、情けなさとか悲しさとか、自分に対する、よくわかんない怒りとか、色んなのが出てきて
こーゆーのって、情けないとか、弱さが滲んでるのかなって
畳み掛けるように落ち込んでたとき
ここ最近デザインや美術の話でやりとりしてた、代々木に住んでるデザイナーさんからLINEが来た。
「今何してますか?」
*
一時間後、私は代々木にいた。
ぐちゃぐちゃしてた感情を、彼は落ち着いて受け止めてくれた。
もうそれだけでよかったのだ。
タバコを吸うのだけは嫌だったけど
話を聞いてくれるその態度で
話をまともに聞いてくれる人がいることで
辛かったね、って言ってくれる人がいることで
私は寂しくなかった。
ほっとしていた。
淡々と、落ち着いてお話をする人だったけど
たまに笑わせてくれて、癒されていた。
そこですぐ、じゃあ抱かれたい、ってなったかっていうとちがう。
でも、なんかの瞬間に手が触れたとき
あ、大丈夫だ
と
思ってしまったんだ。
*
23:30
電車の終電だ、帰らなきゃ、って
2件目のお店をでたとき。
何やってんだろ、面白いな。
今日初めて会った人と手を繋いでる、って思った。
寂しい。
彼は狙ってるんだかいないんだか、一緒に寂しそうだった。
いっか、私頑張ってたし。
今はこの人に癒されたいのかも。
そう思うのに
口は、「じゃあ帰るね」って言った。
彼は
「あー、分かったわ」
って、なんかムカついた態度。
何それ。。予想と違うリアクション。
よくわかんないけれど私もムカつく。
「えっ」って怒った顔で言った。
「おいで」って肩を抱かれた。
私は何にも、歯向かわなかった。
結局
私は男に抱かれたかったのだ。
*
デザイナーの部屋は散らかってて、タバコ臭くて
でもその汚さも、その日の私に似合っていた。
(昔の、20代の安い恋愛ごっこみたいだな。
37歳になっても、こんなことしてんのか。)
自己否定をぐるぐるさせながら、甘い蜜にした。
4時間前に出会った男と
久々の、汚い汚い感情と一緒するセックスは、いやらしくてエロくてしかたなかった。
特に身体や相性が合ったって訳じゃない。けれど、その男もきっと久々だったんだろう。
私たちはスポーツみたいに、3回くらい、激しく求めあうセックスをした。
いくとき、
私は泣いた。
*
その男のマンションは
昨晩は酔っていて気がつかなかったけれど
部屋の中より、外見は大変綺麗な高級マンションだった。
そろっと泥棒な気分で抜け出すように、そこを出た。
朝帰りの代々木の街は、やっぱりちょっと若くて汚かった。
懐かしい。昔、下北や高円寺で味わった、この朝の感じ。
(うん、今はこれがいいわ。)
と、ロックな気持ちが湧き上がる。
一段と若返ってアンチエイジングした気分で
私はセブンのコーヒーを買った。
コーヒーが美味しくて、ようやく落ち着いた。
家に帰ろう。
*
帰りの電車
自己否定の対象にしてしまったその男に
ありがとうだけ言って
連絡先を消して終わった。
*
結論
女だってやりたい時はある
青い私を、久々に演じて帰った。
魚喃キリコみたい。
でも、私が私が、が過ぎること
この時は気付いていなかった。