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ニヤける川端康成
伊豆半島の下田へ向かうにあたり、「事前に伊豆に関する文学でも読んで、知的な旅にしましょうか..」と深刻な顔をしながら入ったのは、やはりブックオフ(笑。
すると、こんな最適な文庫本が。#川端康成 『伊豆の旅』
カバー写真は川端が長期間宿泊した有名な #湯本館 。
伊豆についての随筆と小説。1974年の山口百恵/三浦友和の映画は最近観たが、小説は未だに読んでなかった『伊豆の踊り子』も入っていておトク。
しかしいきなり川端ニヤケ顔。こんな顔もするんだ、、。吉永小百合が隣りにいるからか。1963年に吉永小百合/高橋英樹の映画『伊豆の踊り子』もあるから、その頃だ。
小説は意外にあっさりとしていた。未成年女性を無垢なる存在だと信じ、癒された男の話、と言ってしまうと雑かな。
彼等を送り出して来た婆さんに聞いた。
「あの芸人は今夜どこで泊るんでしょう。」
「あんな者、どこで泊るやら分かるものでございますか、旦那様。お客があればあり次第、どこにだって泊るんでございますよ。今夜の宿のあてなんぞございますものか。」
甚だしい軽蔑を含んだ婆さんの言葉が、それならば、踊子を今夜は私の部屋に泊らせるのだ、と思った程私を煽り立てた。
孤児の時代があった川端が、旅芸人へ寄せるシンパシーも感じ取れる。
随筆では、『伊豆の踊り子』の装幀の話や(装幀は #吉田謙吉 で、実際に川端の伊豆の逗留地に行き、装幀用のスケッチをした)、梶井基次郎が『伊豆の踊り子』の校正した、なんて話も出たのが良かった。ちょうど梶井基次郎を近々読む予定なのだ。
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