自分の身の回りには些細な変化や動きや風向きをキャチするアンテナや感性に頼りながらも勘違いや過ちは誰にもありそう。多種多様な時代はスピードも加速する慌ただしくも有る
牧場のドラム缶の風呂を頂きながらそれを包み込む満天の星空を見上げた「超絶ご馳走」を想い出す。嘗てのエコロジー時代から一歩踏み出し高度経済発展をめざした日本は新たな転換へシフトへ迎えられるか
転校生がクラスメイトの1人に加わった。その頃のクラスメイトは決まった様に休み時間を独りで窓から遠くを眺める日が続いた。そんな時の僕は気にしながらも誰よりも恥ずかしがり屋。それでも勇気を出して話掛けて親しくなっていく照れ屋の僕
それは小学5年生の記憶を辿ると新学期が始まる。私は普段から孤独で内気で地味な性格でもその日は少し違っていた
普段から特にライバルとかがいる訳じゃ無く何も気にせず遠慮などしなくてもいい。そこで勇気を絞り私はクラスメイトに声をかけた。互いに躊躇しながらも二人は次第に仲良くなって行く。私の中にその様な気質は大人の今でも珍しい事の記憶
タイミングとはそんな物で「内気なギア」って存在する。大人と云う今の年齢になっても想える内向きの気質
ある日泊まる約束と云う急展開のその日がやってきた時の僕の積極的な自分は一体誰⁈
「カーンカーン」とオノマトペ。踏み切りにさしかかり丁度信号音が鳴り出し立ち止った。長く連結しる貨物車の最後尾は赤くて丸い車掌車のテールランプを確認しながら私の心の中では誰にも明かさない秘密の「鉄道模型ジオラマ」を想い浮かべていた
それは秘密の鉄道模型の事は誰も知らない事にして公言はしない幼い僕のルール
バラストが敷き詰められ枕木にレールと云う トライアングルから響いてくる「ガタンゴトン」とジオラマとは一味違うリアリティ音の心地良さを後にしていると点滅する踏み切り音も鳴り終わり二人はそこを渡りはじめた。私には余計に感じる内緒の秘密を他所に現場のリアリティ体験
暫く続く「鴉」の鳴き声に耳を澄ましながら彼方へ消えて行く寂しさ。次第に深まる針葉樹林の中を歩く二人。無事に山芝や牧草地に囲まれた山小屋に辿りつきひと息ついた
山小屋には室内の煤けた灯油ランプが緩やかに灯っていた。釜戸からは薪で炊き上がる香気はDNAに刻まれていた
暫くするとバケツを少年から両手に渡され谷迄二人で水汲みに行くことを告げられた⁈
互いに両手にバケツを持ち足元の悪い細い道無き道を谷に向かって降りていった。透き通る岩清水を汲みあげて再び道無き道をのぼり始めた。少年はフットワークが軽やかだ「やはり流石」と⁈私は当然そうはいかない「グズグズ」を丸出し
石組みの上に「ドラム缶」が鎮座していて二人はそこにバケツの水を次々と注いだ。
そんなルーティンを繰り返しながらほど良く「ドラム缶風呂」には贅沢で豊かさが満たされた
その頃西側に夕陽は沈みゆく残照は茜色を残しながらバトンは薪に挟まれた杉枝の焚き木に勢いよく点火される
杉の小枝は「パキパキ」と重なり合うオノマトペ
それは得も言えぬ薪の燃える香ばしさと焼き締まる枯れ木の「パキンパキン」音のオノマトペ
大きく深呼吸して静寂な満天の星空を見上げた
至福の時を過ごす幼い僕
少年は云う「湯加減は」
私は云う「最高」
今考えると転校生の少年からの最高のプレゼンセッションだった。温かい「ドラム缶風呂」とそれを包み込む「満天の星空」をありがとう
おませな言い方だと
至福であり「イチゴイチエ」
後書き:大分県由布市に由布院駅は貨物列車の最後尾にある車掌車のデザインの一部が駅舎のコンセプトにある様に私は印象的にとらえています。そこにアール・デコが加わりさらに教会にある光取りの小さな窓と磯崎新の建築家としての傑作が湯布院町の財産であると常々思うのです。外装は間伐材の下見貼りが又いい味をだしています。併設のアートホールも期待は大きいです。