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ハチドリから学ぶ - 次世代ドローンの新技術!?

この記事は「機械学習でハチドリ模倣羽ばたき翼の変形から風向きを感知」をより多くの方に知っていただくため、専門的な内容をできるだけ身近な言葉で説明しています。正しい内容が知りたい方は、元のプレスリリースをチェックしてくださいね。

挿入画像の出典:同ページ

空中で静止したかのように見えるハチドリの羽ばたき。その驚くべき飛行能力に隠された秘密が、次世代のドローン開発を大きく変えようとしています。東京科学大学の研究チームは、ハチドリの翼から学んだ新技術で「微風を感じ取る」ことに成功しました。

小型ドローンの弱点とは?

皆さんは、ドローンが風に弱いことをご存知でしょうか?特に小型のドローンは、突然の風で揺れたり、操縦が難しくなったりすることがあります。その理由は、小型ドローンには風向きを測る装置を搭載できないからです。

なぜなら従来の航空機は、風向計という特別な装置で風の向きを測定していました。しかし、この装置は小型ドローンには重すぎるため、搭載することができません。なので、小型ドローンの多くは、風に対して無防備な状態で飛ばなければならなかったのです。

自然界に隠された驚きの仕組み

この問題を解決するヒントが、実は鳥や昆虫の翼にありました。これらの生き物の翼には、翼の曲がり具合を感じ取る特別な感覚器が備わっているのです。これは指先で物の形を感じ取るように、風の状態を敏感に察知できる優れた仕組みです。

そこで研究チームは、この翼の仕組みを人工的に再現することに挑戦しました。長さ80ミリメートルの人工の翼を作り、そこに7つの特別なセンサー(ひずみゲージ)を取り付けました。このセンサーは、スマートフォンの画面が触れた場所を感知するのと同じように、翼の繊細な曲がり具合を正確に測ることができます。

さらに、この翼を1秒間に12回羽ばたかせる仕組みを作りました。これは、実際のハチドリの羽ばたきに近い速さです。実験では、風向きを15度ずつ変えながら、合計90度分の測定を行いました。

驚きの実験結果

最も驚くべき発見は、この人工の翼が感知できる風の強さでした。毎秒0.8メートルという、ろうそくの炎がかすかに揺れる程度の非常に弱い風でも正確に感知できたのです。

翼が1回羽ばたく間のデータでは、99%以上という驚異的な精度で風向きを判別できました。さらに、わずか0.2回分の羽ばたきデータでも、85%以上の精度を実現。これは現在の技術では考えられない画期的な成果です。また、鳥の風切羽のような構造を翼の中に入れることで、さらに精度が向上することも分かりました。

これからの展望は?

研究チームは、この技術をさらに発展させようとしています。上下の風向きも感知できる新しいセンサーの開発や、より小さなコンピューターでも処理できる簡単な計算方法の確立を目指しています。さらに、実際に飛行している状態での性能確認も進めています。

自然界の優れた仕組みを理解し、それを最新技術に活かすという今回の研究成果。ハチドリの翼から学んだこの技術は、近い将来、私たちの身近な空で、より安全で使いやすいドローンとして活躍することになりそうです。

その疑問にQ&Aでお答えします!

Q1: 「ひずみゲージ」って何?翼の動きをどうやって感じ取るの?

小鳥が風を感じるように、人工の翼も「曲がり」を感じ取ることができます。その秘密が「ひずみゲージ」というセンサーです。

このセンサーは、薄いフィルムの上に細い金属の線が何度も折り返して配置されている単純な構造です。翼が曲がると、このフィルムも一緒に曲がり、金属の線が伸び縮みして電気の通りやすさが変化します。この変化を測ることで、翼がどのように曲がっているのかを正確に知ることができるのです。

研究チームは、このセンサーを翼の7つの場所に貼り付け、それぞれの場所での曲がり方の違いを組み合わせることで、風の向きを判断できるようになりました。さらに、鳥の翼の中にある「風切羽」のような構造を入れることで、より正確な測定が可能になったのです。

Q2: どうやって風の向きを99%も正確に判断できるの?

この高精度の秘密は、「機械学習」という人工知能技術にあります。私たちの脳が経験から学ぶように、コンピューターにも「学習」をさせたのです。

研究チームは、特別な装置の中で様々な向きから風を当てながら翼を羽ばたかせ、その時のセンサーの変化を記録しました。「この変化パターンの時は、この向きから風が吹いていた」ということを、コンピューターに繰り返し教えることで、新しい状況でも風向きを正確に推測できるようになったのです。

興味深いのは、翼が1回羽ばたく間(約0.08秒)のデータだけで、これほどの高精度を実現できたことです。これは、ハチドリが瞬時に風を感じ取って飛行を調整できることの証明にもなっています。

Q3: この技術は、実際のドローンでどのように役立つの?

現在のドローンの最大の課題は、風への対応です。突風が吹いた時、風を感じた時には既に揺れが始まってしまい、対応が遅れてしまいます。また、風向きを測る装置を付けようとすると、重くて大きくなりすぎてしまうという問題もあります。

この新技術は、翼自体がセンサーとなることで、これらの問題を一度に解決する可能性を秘めています。例えば、ビルの壁面点検を行うドローンは、建物の周りで発生する複雑な風の流れを素早く感知し、安定した飛行を維持できるでしょう。

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