見出し画像

【マイクロ波×バイオマス】電子レンジの原理で廃材が宝の山に?!九大研究チームが30秒で「超」急速分解に成功!

この記事は「マイクロ波の電磁場の空間分離によりバイオマスを「超」急速熱分解」をより多くの方に知っていただくため、専門的な内容をできるだけ身近な言葉で説明しています。もっと正しい内容が知りたいという方は、ぜひ元のプレスリリースをチェックしてみてくださいね。

挿入画像の出典:PDF

みなさん、こんにちは!今回は、九州大学を中心とした研究チームが発表した、私たちの身近にあって「今は捨てられてるもの」が、地球温暖化対策の切り札になるかもしれなぜ!っていう、ワクワクする研究成果についてお話しします。

なぜこの研究が注目されてたの?

最近、地球温暖化の原因となるCO2を減らそう!という取り組みありますよね。もし、周りにある竹や木材、農作物の残りかす(これらを総称してバイオマスという)が、この対策に使えたらいいよねってことで注目されたんです。でも、今まではバイオマスを効率よく処理する方法がなくて困っていました。

従来の処理方法の課題って?

木材などのバイオマスには「リグニン」という、分解しにくい成分が含まれています。なので細かく粉砕して、高温で長時間処理する必要がありました。つまり、めっちゃ手間がかかってたんですよ。

画期的な新技術の登場!

そこで九州大学の研究チームは、マイクロ波を使った新しい装置を開発しました。一見すると電子レンジに似ていますが、中身は全然違います。普通の電子レンジではマグネトロンという部品を使いますが、この装置は半導体式のマイクロ波発振器を採用。温度をピンポイントでコントロールできるんです!

わずか30秒の驚きの処理!

この装置のすごいところは、バイオマスをわずか30秒で3つの有用な物質に変えられること。

  1. 水素を含む合成ガス(気体)

  2. タール(有機化合物を含む液体)

  3. バイオチャー(炭素が主成分の固体)

なんでそんなに速く処理できるの?

秘密は「電場」と「磁場」の使い分け。バイオマスが炭化していく過程で、普通のマイクロ波だと放電現象(プラズマ)が起きてしまいます。でも、この装置は電場と磁場を空間的に分離することで、その問題を解決したんです。最初は電場で急速に加熱し、炭化が進んだら磁場で効率よく加熱を続けられます。

どんな廃材でも処理できるの?

研究チームは、いろんなバイオマスで実験しました。

  • 竹粉や木粉(建築廃材など)

  • ヤシ殻(食品産業の廃棄物)

  • クロレラ(環境浄化に使われる藻類)

  • 麦わらやもみ殻(農業残渣)

これらすべてで良好な結果がでたそうです!

これからの展望は?

さらに朗報で、研究チームは処理能力を20倍に高めた大型装置の開発にも成功しました。また、連続的に処理できる装置の実現にも力を入れたり、廃棄物が出る場所で直接処理できる移動式の小型装置の開発も計画中だとか。未来では各地域で出た廃棄物を、その場で処理できるようになるかもしれないですね!

まとめ

この研究は、周りにある「厄介者」だった廃材を、環境に優しい資源に変える可能性を示しました。とくに温室効果ガスの削減が求められる今、この技術革新は大きな希望となりそうです。これからも、技術の発展に期待したいですね!

日本の「研究最前線」を読んだ後は、日本の「今」がわかる記事をまとめた、こちらのマガジンも見てみてね!

いいなと思ったら応援しよう!

ちょっといい情報
いただいたサポートは日本の「研究最前線」を製作するために使わせていただきます🙇‍♂️