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【衝撃の研究結果】赤ちゃんの低体重、健康への影響は次の世代まで!? 東北大学が新たな治療法の可能性を発見

この記事は「低出生体重が及ぼす世代を超えた負の影響を解明 ―次世代の健康リスクを軽減する新たな治療法開発への糸口―」をより多くの方に知っていただくため、専門的な内容をできるだけ身近な言葉で説明しています。もっと正しい内容が知りたいという方は、ぜひ元のプレスリリースをチェックしてみてくださいね。

挿入画像の出典:PDF

みなさん、こんにちは!今回は、東北大学が最近発表した、とても興味深い研究についてお伝えします。この研究は、赤ちゃんの体重と将来の健康について、考えていた以上に深い関係があることを明らかにしたんです。

低体重で生まれた赤ちゃんの健康リスク

生まれたときの体重が2,500g未満の赤ちゃんのことを「低出生体重児」と呼びます。実は、毎年生まれる赤ちゃんの約10人に1人が低体重児なんです。さらに、医療の進歩で低体重児の救命率が上がっているため、その割合は年々増えているんですよ。

でも、ここで気になるのが「低体重で生まれた赤ちゃんの将来は大丈夫なの?」という点。実は、これまでの研究から、低体重児は大人になってから生活習慣病になりやすいことが分かっていました。でも、そのメカニズムや、どうやって予防・治療できるのかは、まだよく分かっていなかったんです。

「低体重の連鎖」が明らかに! マウス実験で分かった驚きの事実

東北大学の研究チームは、低体重児の健康への影響を詳しく調べるため、マウスを使って実験を行いました。低体重で生まれたマウスを育てて観察したところ、驚くべき事実が分かったんです。

それは、低体重の影響が次の世代まで続くということ。つまり、低体重で生まれた母親から生まれた赤ちゃんも、同じように低体重になりやすいという「連鎖」が起きているんです。これは人間でも同じような傾向が報告されていて、とても重要な発見なんです。

低体重に関係する体の変化、いったい何が起きているの?

研究チームが特に注目したのは、腎臓への影響です。低体重マウスの腎臓を調べたところ、「糸球体」と呼ばれる、血液をろ過する大切な部分の発達が遅れていることが分かりました。

糸球体の数が少ないと、大人になってから高血圧になりやすくなります。実際、低体重で生まれたマウスは成長後に血圧が高くなっていました。これは人間でも同じような傾向があるんです。

妊娠中のお母さんの体に何が? 研究で分かった意外な発見

さらに興味深いのは、低体重で生まれた母親マウスが妊娠した時の変化です。普通、妊娠すると赤ちゃんの成長を支えるため、お母さんの肝臓は大きくなります。でも、低体重で生まれた母親の場合、肝臓が十分に大きくならないことが分かったんです。

また、胎盤にも異常が見つかりました。胎盤は赤ちゃんの栄養補給に欠かせない大切な器官です。低体重で生まれた母親の胎盤は、血管の発達が不十分で、赤ちゃんへの栄養供給に影響が出ていたんです。

治療薬の可能性! タダラフィルの効果とは

では、低体重の影響を防ぐ方法はないのでしょうか?研究チームは、血管を広げる作用のある「タダラフィル」という薬に注目しました。この薬は既に他の病気の治療薬として使われているもので、安全性がよく分かっているんです。

実験では、お母さんマウスの妊娠中にタダラフィルを投与してみました。すると、生まれてくる赤ちゃんマウスの体重が改善!さらに、腎臓の発達も正常に近づき、大人になってからの高血圧も抑えられたんです。これは、将来の治療法開発にとって大きな一歩と言えるでしょう。

次世代の健康を左右する? 低体重が引き起こす連鎖のメカニズム

研究チームは、なぜ低体重の影響が次の世代まで続くのか、そのメカニズムも詳しく調べました。すると、低体重で生まれた母親の体内では、重要な変化が連鎖的に起きていることが分かったんです。

まず、肝臓で「低酸素状態」という問題が起きていました。これは、肝臓に十分な酸素が届かないことで、赤ちゃんの成長に必要な栄養を作り出す仕組みが上手く働かなくなってしまう状態です。さらに胎盤では「タウリン」という、赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素の代謝が乱れていたんです。タウリンは赤ちゃんの発達を支える重要な栄養素なので、その代謝が乱れると赤ちゃんの成長に影響が出てしまいます。

このように、お母さんの体の中で起きる変化が、まるでドミノ倒しのように影響し合って、次の世代の赤ちゃんの成長にも影響を及ぼしているんです。

未来の子どもたちの健康を守るために ~研究チームからのメッセージ~

この研究結果は、私たちに新しい希望を示してくれました。日本では新生児の約10人に1人が低体重児、100人に1人が超低体重児として生まれています。この研究をきっかけに、より効果的な治療法が開発されれば、将来的な健康リスクを大きく減らせる可能性があるんです。

研究チームは現在も、より効果的な治療法の開発を目指して研究を続けています。そして、私たち一人一人にもできることがあります。

  • 妊婦健診をきちんと受けること

  • 心配なことがあれば、早めに医師に相談すること

小さな気づかいの積み重ねが、子どもたちの、そして次の世代の健康な未来につながっていくのです。この研究の成果が、多くの人々の健康を守る新しい治療法として実を結ぶことを、心待ちにしています。

日本の「研究最前線」を読んだ後は、日本の「今」がわかる記事をまとめた、こちらのマガジンも見てみてね!


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