結婚という言葉の重み
僕が離婚したら、結婚しよう。
と言われた。嬉しかった。私は、再婚するなら、この人、と思っていたから。
彼の夫婦生活は壊れて久しい。私が壊したわけではない。不倫じゃない。友人として夫婦生活を陰ながら見てきて、そうなっていった。私はじっと待っていた。彼の夫婦生活が壊れていくことも、子どもが生まれてさえも変化する夫婦の心情も、密かに感じ取るように見ていた。友人として、姉のように、母のように見てきた。
私は離婚して10年がたつ。今さら、結婚を求めている私は何なんだ。一人の生活もそこそこ楽しい。焼肉もお寿司もラーメンも一人で楽しめる。国内も海外もどこだって一人で行ける。それでも、誰かを求めるのか。私は、寂しいのか。何を求めているのか。
彼が離婚を口にしてから2年がたつ。
私以外にも同じように伝えるのかもしれない。
他に付き合っている人もいるかもしれない。
わかっている。
彼は、「離婚したら」と言った。
私と結婚するために妻と別れる、わけではない。
私のために、離婚してくれることはないんだ。
だから、わかっている。私との結婚を本気で考えているわけではない。
この先、本当に離婚するかどうかもわからない。
たとえ離婚したしても、私たちがどうなるかなんてわからない。
わかってるよ。
期待はしない。期待はしちゃいけない。
そう思って、ソロ活に励む。
とはいえ、1%くらいの期待を捨てきれず、彼との約束を忘れるべく、自分の未来へ向かう。
いいよ。
たとえ、彼との恋が報われなくても、こんな気持ちを抱かせてくれたことに感謝。
結婚、という言葉に胸が熱くなったことに感謝。
今はそう思っている。