第6回 山結び in 宮地山 「美しさ」をテーマに
「育ってきた環境が違うから 好き嫌いはイナメナイ」と山崎まさよしが歌ってから約30年が経つが、一人ひとりが違う人間なのでなかなか共通の感覚を構築するというのは難しい。その点では、自然の美しさというものは、その共感を生みやすい気もするが、やはり一人ひとりが感じている美しさの中身は違う、はず。様々な人々が行き交う山で、共に「美しさ」を守っていくにはどうしたらいいのだろうか。第6回はそんなことを考えながらの作業。
山結びの技術監督でもある造園家の轟まことが冒頭に造作の美しさを意識することを提案してくれ、30人近い参加者の皆さんと「美しさ」をテーマにおき、過去五回で参加者と作り上げてきたさまざまな構造のメンテナンスを行った。壊れやすい場所、壊されやすい場所。そういう場所には何が足りないのだろうか、という問いへの一つの答えを「美しさ」と置いてみた。
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山頂から見る素晴らしい景色のように、誰もが感動し、一息つき、その存在に感謝するような美しさとは何か。参加者一人ひとりはその絶対的な答えのない問いにそれぞれ向き合いながら、土地と対話していたように思う。
いつもよりも、さらに水平を意識する。
いつもよりも、さらに垂直を意識する。
そんな意識の広がりが、より美しい山頂の風景を作っていく。
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作業終了時には、午前中よりも「うん、いいね」と肚の底で納得するような風景ができた。
それはより手をかけたからなのか、より意識できたからなのか。
木漏れ日の中で見た風景は美しく、また戻ってきたいと思うものだった。
(写真・文:マサ)
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