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覆うもの

ストッキング、靴下、ネイル、化粧、日焼け止め、犬が何かを着せられている姿、など、とにかく覆うものが好きではない。
昔からずっと嫌いで30を迎えても嫌いだから、今後好きになることはないのだと思っている。

中でも特に皮膚に塗るものが1番苦手で、大学を卒業するくらいまでは顔に日焼け止めを塗ることすらしていなかった。
年をとり、悲しいかなシミ対策という観点で日焼け止めを顔に塗り始めたが、それでも、顔が限界である。
体に塗るという苦行は、よっぽど南国に行った時以外はどうしてもまだできない。
なぜあんなに不快な思いをして全身ベタベタにならなければいけないのだろう、と思ってしまうのだ。

ネイルは、やってみることもある。と言っても自分でマニキュアを塗ってみるくらい。
周りの人の爪が可愛いな、と思い塗ってみるのだが、やはり”覆われている”感が無理で1日くらいで落としてしまう。
可愛いのに、なんであんなに不快なんだろう。

ここまでずっと「覆われている」と書いてきたが、よくよく考えるとたとえば赤ちゃんがふわっとしたブランケットに覆われていたり、自分が楽な服を着ることは嫌いではない。
たぶんそこに隙間とか、空間とかがあるかどうかが重要なのだと気づく。

隙間がないと縛られているような気がして窮屈。
何にも覆われず、縛られず生きていきたい。
こんな年になってもそんなことを思うなんて恥ずかしいなと思うこともあるけれど、私はずっとそうでありたい。

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