絶賛就活中
22時退勤のバイトのシフトに入ると大体、22時30分くらいの電車に乗って最寄り駅まで帰る。
22時過ぎの電車はどこに座ろうか迷えるくらいには空いている。日中の混み具合が嘘みたいに。
私はその時間帯の電車が結構好き。
乗っている人の数は少ないはずなのに色んな人がいるような気がする不思議な感覚が好き。
別に見えてはいけないものが見えているわけではないはず。
22時過ぎの電車にはお仕事帰りらしいスーツを着た人たちが乗っている。みんな頭を下げて寝ている。各駅に着くたびに下げていた頭を起こして外を確認し、また頭を下げて眠りに入っている。
私は割と早い段階で最寄りに着くからその人たちの様子を見ることができるのはほんの数分のこと。
この人たちはあとどのくらいこの電車に乗っているんだろうか。
何時に家に着くんだろう。
何時に寝るんだろう。
明日は何時に起きるんだろう。
明日もこの時間まで働くのかな。
大学4年生、絶賛就活中の私。
私も「この人たち」の景色を見るまであともう少しだと思ったら明日も頑張ろうって思えたんだ。