見出し画像

社員が、理念の意味を知りませんでした【情熱社長倶楽部】VOL.194

─…─…──…─…─…──…─…─…──…─…───…─…─

【今週のご相談内容】
弊社は、理念を掲げていますが、
社内で浸透していません。

経営計画書を作成し、ひとりひとりが
持ち歩くようにしていますし、
朝礼でも毎日唱和していますが、

ただ読んでいるだけで、
内容まで理解している社員は少ないです。

先日も、ある若手社員に理念の説明を求めたところ、
理念の言葉を言うことはできても

「理念の文言にある“物心両面の幸福”は、
具体的にどんな状態か」と聴くと、
明確に答えることができませんでした。

答えることができなければ、
当然理念を元にした行動もできません。

そして、若手社員が答えられないということは、
彼の上司が教えることができていない、
伝えることができていない
ということだと思いますので、

“幹部やリーダーが理念を伝える”ということにも
課題を感じてしまいます。

理念のことは、会議の場でも伝えていますし、
経営計画書も持たせているのですが・・・

どんな習慣があれば、社員が理念を
しっかり理解してくれるでしょうか?

─…─…──…─…─…──…─…─…──…─…───…─…─

【今週の回答】組織コンサルタント 永坂紗希

ご相談いただき、ありがとうございます。
株式会社ソリューションの永坂がお答えいたします。

理念浸透をするために、
試行錯誤をされていらっしゃるものの、
結局肝心な部分が伝わっていないことに対して
歯がゆく感じられていることかと思います。

”どのような習慣” があれば、
理念の意味をしっかり理解してくれるか、
というご相談内容かと思いますが、

どんな習慣が必要かを考える前に、
なぜ現場社員様は、理念の意味を
答えることが出来なかったのかを
もう一度考えてみてはいかがでしょうか。

私が様々なクライアント様と対峙することで感じる、
経営者様と現場社員様で、
理念に対する温度差が生まれてしまう一番の原因は、

「社員様は、理念を
どう受け取ったら良いのかが分からない」からです。

というのも、経営者様にとって理念は、
最も大切にする価値観であり、
会社を経営するための目的であり、判断軸かと思います。

一方で、現場で働く社員様の視点に立って
考えてみると、貴社の理念の文言である
「物心両面の幸福」が大切だと伝えられても、

「意味はなんとなく分かる。
でも、日々の仕事にどう繋がるの?」

という思考になってしまいがちです。

貴社においても、理念が言葉として
社内に浸透してはいるものの、

どこか
「理念=社長が言っていること」
として認識されており、

「理念=自分たちが日々の中でも大切にする考え方」
とは認識出来ていないという現状があるのではと
想像いたしました。

では、理念の意味を浸透させるために
必要な環境はどんなものかというと、

「経営者以外の社員様が、理念をどう受け取り、
どのような行動に移しているか
を共有する機会をつくる」
ことです。

ポイントは“経営者以外の社員様”ということであり、
要は、“社長”ではなく“同じ社員という立場の方”から、

「理念をこのように受け取り、
こんな行動に変えていこう」という
『受け取り方の例』を示してくれる存在が必要

ということです。

質問者様がおっしゃるように、
鍵は若手社員様の上司である、
幹部やリーダーの層の方々にありますから、

そのような立場の方々に任せていくことが
一番の方法です。

ある企業様では、毎月1回、「理念勉強会」として
幹部や店長クラスの社員様が、若手社員を対象に、

自分自身が理念をどのような意味だと捉えているのか、
またそれを軸にどんな行動を取っているのかを
伝える場を作りました。

担当者は持ち回りで実施したので、
伝える内容は人それぞれで異なる部分があります。

しかし、それが逆に、
「理念はこういう意味だ!」という押し付けにならず、
「それぞれの立場からどう捉えているか」という
よりリアルな意見を知るきっかけとなり、

それを聞いた若手社員様も、
「確かにこの部分は、自分も現場で感じているな」

などと、理念の意味と、自分の実際の業務を
繋げる機会となったのです。

その企業様は、“勉強会”という形で実施しましたが、
朝礼の1部や会議の1部としてなど、
やり方は貴社に合う形を
検討してみても良いのではと思います。

もし、「そもそも、理念の受け取り方を、現場の社員に
示せるような幹部やリーダーがいない」
という事でしたら、

「理念を軸に、現場社員にこんな行動を
取ってもらいたいよね」
「こんな風に仕事をして欲しいよね」

というイメージを、幹部やリーダーの皆様と共に考え、
“理念を軸にした行動とはなにか”
を具体化するところから
始めてみてはいかがでしょうか。

組織では、それぞれの立場や役割、また価値観によって
理念の受け取り方は変わります。

しかし、それは当たり前のことであり、
最も大切なことは、

「それぞれの受け取り方で、
理念の中に込められた想いが
しっかりと行動の基準として浸透している」
ということです。

ぜひ、社員様ひとり1人が、
まずは“理念を受け取ることができる”状態
をつくっていただき、

「理念が浸透することで、
こんな会社にしていきたい!」
という理想が実現される日が来ることを願っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

株式会社ソリューション
組織人事コンサルタント
永坂紗希


いいなと思ったら応援しよう!

ソリューション
よろしければ、サポートをお願いします。いただいたサポートはコンテンツ発信の充実に使わせていただきます。