キャラメる。
森永のミルクキャラメル。
小さい時は、母の実家に必ず置いてあったので、「一粒ちょうだい!」とよくおねだりしたものだ。
いつも最終的には四粒くらい食べちゃってたけど。
何を思ったか、私は突然このミルクキャラメルが食べたくなった。
スーパーに行き、駄菓子のコーナーを漁る。
サイズの割にちょっと高いか…?と思うところはあった。
しかし、それは私がミルクキャラメルを諦める理由にはならない。
何年ぶりだろうか。
手のひらに収まるサイズのミルクキャラメルの箱を見つめる私。
色合いがレトロで可愛い。デザインも昔懐かし、と言った感じ。
以前は気にもとめていなかったが、よく見ると「滋養豊富」「風味絶佳」と書かれている。絶佳ってなんだろう。あとで調べよう。
さて、食べよう。眺めていても何も始まらない。
私は一粒キャラメルを取り出し、口の中に放り込む。
最初は硬かったキャラメルは、噛んでいるうちにとろけて柔らかくなり、いい香りが広がってくる。
「うまーーー!」という感じじゃなくて、「うふふ、美味しい」となるこの感じ。
私の思い出の中にいる少女が呼び醒まされたような感覚。
やっぱり懐かしの味は良い…
思いがけず、私はとても、幸せな気分になった。
一粒だけ、と思っていたキャラメルはいつの間にか四粒目。
私もキャラメルも、昔から変わりませんな。