何色でもない私
高校の時仲良くしていた子で、「人が持つオーラの色が見える」という子がいた。
本当かどうかよくわからなかったけれど、共通の知り合いのオーラの色を聞いてみたら、なんとなく当たっているような気がした。
なので、私は彼女が見えているというその「オーラ」を信じていた。
ある日、なんとなく聞いてみた。
「私のオーラって、何色?」
その言葉を聞いた彼女は、どこか悩ましげだった。
もしかして、私にはオーラが無い…?
そこで、彼女は言った。
「何色でもない」
む、思ったより難しい答えが返ってきた。
「無いっていうことは無いんだけど、色に表すのが難しいっていうか…」
やっぱり、私にはこれといったオーラが無いのか…
しょんぼりしかけた私。そして彼女はこう続けた。
「何というか、何色にもなりうるって感じ」
ここで私はハッとした。
「何色でもない」というのは、何となく弱点だと感じてしまっていたが…
それはむしろ「何色にもなりうる」という自身の強みだったのである。
彼女とのこの会話は、いまでも昨日のことのように思い出せる。
それだけ私にとって、印象深かったのだろう。
何色でもない私は、何色にもなれる。
彼女とはもう4年近く会っていない。
もし今彼女に聞いたら、どんな返事が返ってくるのだろう?
何色かに染まっているのかな?やっぱりまだ何色でも無いのかな?
移り変わる空の色を眺めながら、そんなことを思い出した今日でした。
就活と向き合わなければならない日がだんだん近づいてきて、焦っていた私。
何だかちょっぴり、気が楽になったような気がします。
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