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「津久井やまゆり園事件」を超えるために必要な障がい者さんたちと共に生きる街づくり

「障がいのある人たちと一緒に暮らさないなんてもったいない」。暴力的に排除するのではなく一緒に暮らすことでみんなが幸せになるよ、というぷかぷかさんファミリー。幸せに生きるための至極くシンプルな答えを教えてもらった気がしました。

今記事は、2020年11月14日、神奈川県新横浜駅近くの福祉ビル「横浜ラポールシアター」で開催されたぷかぷか主催による「ラポールDEぷかぷか~上映会トークイベント」のレポートです。

ぷかぷかとは?

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障がいのある人達を排除せずフラットな関係を築きながら、ともに生きる社会を目指すNPO法人 就労継続支援B型事業所です。

詳しくはこちらをどうぞ。

NPO法人 ぷかぷか』より引用。

お店をやり始めてから、彼らとはやっぱり一緒に生きていった方がいいなって、素直に思えるようになりました。そういった思いをたくさんの人たちと共有できたら、と思っています。そうして、たくさんの人たちが「彼らとはいっしょに生きていった方がいいね」って、素直に思えるようになったら、お互いが、もっと生きやすい社会が実現するように思うのです"

ぷかぷかでは、障がい者の方たちを「ぷかぷかさん」と呼び、一緒に暮らしたほうがみんなが幸せになるよ、という信念のもと、地域のみなさまと共に生きる社会を目指して活動されています。

きかっけは、代表の高崎さんが、養護学校に長年従事し定年を迎えた後、もっとぷかぷかさんと一緒にいたいと、退職金をつぎ込んでパン屋さんを開業したのが始まりだったそうです。

今では、お惣菜屋さんやアートに農園と、ぷかぷかさんの才能が発揮される場所がたくさんあるようです。まるで、ぷかぷか村という部落ができあがっているようですね。

2009年に横浜市緑区霧が丘の地に根付いてから11年。2014年からは障がい者と社会をつなぐ演劇ワークショップを開催。

「声を出していかないと意味がない」という言葉の通り、精力的な活動が次々に目に飛び込んできます。

ラポールDEぷかぷか~上映会トークイベント

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当日のイベントは、大きく分けて3つでした。

1.ぷかぷかさんとの交流
2.上映会
3.トークイベント


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(スマホが得意なテラちゃん)

フロアには、ぷかぷかさんが作ったお菓子やお米がならび、賑わっていました。

私は、上映会の途中参加でしたが、ぷかぷかさんと少し交流することもできました。

撮影にも気さくに応じてくださり、投稿もOKとのことでした。疑うことを知らない真っ直ぐな彼女らといると、安心感で満たされました。私も自然に笑顔になっていました。

上映会では、演劇ワークショップの舞台裏を撮影したドキュメンタリーの映画が放映されました。そこには、普段目にすることのないぷかぷかさんの日常を垣間見ることが出来ました。

先生が話していても喋り続けるぷかぷかさん、走り続けたり動き続けるぷかぷかさん、暗算の得意なぷかぷかさんなどいろいろぷかぷかさんが登場しました。

映画は、終始目が離せませんでした。感涙したり笑ったり、思いっきり感情を揺さぶられました。

鑑賞し終わった時、「ぷかぷかさんが舞台をやるなんて、ちょっと成り立たないのでは?」という偏見を少しでも持ってしまった自分を恥じることになりました。ぷかぷかさんたちは、最後まで自由に懸命に演じていらっしゃいました。

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(一番左が代表の高崎さん)

最後に、「津久井やまゆり園事件」を担当するメディアの方と代表の高崎さんによるトークイベントが開催されました。

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(「いっぽんばしこちょこちょ」を小野さんが女性記者さんにやっているところ。仲間の証)


会場には、神奈川県自立生活実践者第1号という重度障が者の尾野一矢さんがいらしてました。尾野さんは、事件当日ケガを負いながらも、スマホを拘束されている職員に渡した方でした。

・やまゆり園事件は終わっていない
・事件を風化させてはいけない
・ぷかぷかさんと共存する社会づくり

トークイベントでは、登壇者によるやまゆり園事件や障がい者の現状などの話に加え、参加者と活発な意見交換がありました。

やまゆり園事件に関しては、同じ神奈川県民として、また介護従事者として、明日は我が身と自分ごととして考えていきたいと強く思いました。

ぷかぷかさんのイベントに参加した感想

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(左 店長 やじこと尾野一也さん)

参加できて本当に良かったです!

私は、認知症や身体障がい者と関わりがあっても、知的障がい者の方と話す機会が今までほとんどなかったことに気が付きました。

実際にお話した「ぷかぷかさん」たちは、とても純粋でフラットだと感じました。

計算に強かったり、スマホが得意だったり、絵が得意だったり、いろんなぷかぷかさんに会えて、とても親近感がわきました。

今まで、電車でずっと話し続ける方などを横目に、どう接していいかわからなかったのですが、彼らにとってはそれが日常なので、そういう個性だと知ればいいことなのだと気がつくこともできました。

高崎さんの、
ぷかぷかさんと一緒に生きると楽しいよ、が広がるように」という「フェア・平等・ありのままを受け入れること」にとても共感しました。

また、ぷかぷかさんは、豊かな表現力や想像力、発想力、記憶力やこだわりなど、型破りの個性を持っていることを知りました。


人は誰しもみな個性があり、みんなバラバラで当たり前という世の中になることを心から願ってやみません。

得意を伸ばし、苦手を助けてもらう。私も含め世の中がお互い様の精神だとみんなしあわせなのではないかと感じました。

大病の末、身体障がい者となって他界した父や、生まれつき顔に傷があった私は、「人と違う」ということで偏見を感じて時間を過ごす時期がありました。

その経験より、手帳があろうがなかろうが、病名があろうがなかろうが、個性としてありのままを受け止める社会になるといいなと願っています。

イベントを通して、ぷかぷかさんと交流することの大切さと楽しさを体験することができた貴重な時間でした。

イベントを教えてくださった、スタッフ三枝さん。

ご親切にお話くださった高崎さんはじめスタッフのみなさま、そしてぷかぷかのみなさま、あたたかな時間をありがとうございました。



以上、ぷかぷかさんたちと一緒に行われた心あたたまるイベントの紹介でした。

最後にあなたは、ぷかぷかさんややまゆり園事件をどう思いますか? 

ぷかぷかさんのホームページには、事件についてのブログが書かれています。関心のある方はぜひ訪れてみてください。

まずは、知ることから一緒に始めてみませんか?

取材協力:NPO法人 ぷかぷかさん
https://www.pukapuka.or.jp/

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