リーガルしろうとのおべんきょう ② 〜担保金戻る?戻らない?どっち??〜
こんにちは、なつきです。
本日5/20、暇空氏Note訴訟(正確には暇空氏Noteの削除決定をNote運営に求める訴訟)について、原告が取下げたとのニュースが飛び込んできました。
本訴訟についてのおさらい
本当にざっくりの流れです。
暇空氏Noteに対して削除仮処分命令が申し立てられる
⇒暇空氏、補助参加
⇒裁判所が仮処分決定を出す
↓
担保金50万が設定され、「Note運営」が記事を消す。(記事が消えた=担保金納付済み)
↓
Note運営(+暇空氏補助参加)、起訴命令申立て
↓
本訴訟、起訴。
・対Note運営:記事を削除せよ。
・対暇空氏:損害賠償せよ。
↓
一部取下げ。残った訴因。
・対Note運営:記事を削除せよ。
⇒暇空氏、補助参加宣言。
↓
全取下げ。←イマココ
詳細な時系列については、マスクドタキシード氏が動画にして頂けると思います。(宣伝)
担保金を回収するには
年表のマサヒコ氏(宣伝)が
こんなことを言っていましたので、おべんきょうしてみました。
民事訴訟法79条
担保金を取り戻したいときには民事訴訟法79条の1項から3項までのいずれかの事由により担保の取消しを申し立てる必要があります。
さて、本件は1項〜3項のうちのどれに該当するのでしょうか。
これは、裁判所のサイトの担保取消の申立て書の提出に分かりやすく書いています。
この表を見る限り、第79条の2項 同意「同意書による同意の場合」、もしくは第79条の3項 催告「本案訴訟を提起していない場合はその旨を申立書に記載する。」が該当しそうです。
第79条2項 同意
これは(説明が)簡単で、Note運営に「担保取消しに同意します」という書面を貰えればOKですね。
これは簡単かどうか分かりません。
第79条3項 催告
この催告というのは、相手に対して「損害賠償請求してね」という請求をすることです。
そもそもその前に、エ. 担保取消しの申立書の提出にあるとおり、保全命令の取下げが必要となるようです。
保全命令の取下げ
保全命令とは、記事削除の仮処分命令申立て決定のことです。
なお、保全命令申立ての取下げは、債務者の同意は不要のようです。
保全命令申立ての取下書を提出すればよいので、本人訴訟だとしてもこれは簡単ですね。
しかしながら起訴命令申し立てがなされたも仮処分に対しては必要なのでしょうか?自動的に取下げされるのであれば、手間が省けていいですね。
担保取消しの申立て
次に、担保取消しの申立てを行います。
(保全命令申立ての取下書の提出と同時でもOK)
このとき、Note運営に損害賠償請求権を行使すべき旨を催告します。
催告を受けたNote運営が損害賠償請求訴訟を起こさなければ、担保取消しが決定し、担保金が戻ってくるということになります。
なお、担保取消しの申立てをしてから供託(支払保証委託契約)原因消滅証明書を交付するまでにかかる日数の目安として「民訴法79条3項(権利行使催告)・・・約2か月」とありますので、催告から1か月程度は損害賠償請求訴訟を起こす猶予があるのでしょうか。
仮処分に関する損害賠償請求訴訟の判例
仮処分に関する損害賠償請求訴訟の判例を紹介している弁護士事務所のサイトです。
これを見ると、損害賠償請求訴訟が棄却される場合もあれば、担保金以上の金額、しかも弁護士費用の請求が認められている場合もあるようです。
おわりに
担保金は単純に戻ってくるものでは無いことが分かりました。お金は大事です。
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