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Plate Reverbのお話 第1回

 これについて書こうかなとアイデアはすぐに出てくるんです。ただそれがまとまるかと言うと、そうではないんですね。ここが難しい所です。

 ご存知の方も多いとは思うのですが、プラグインにはブームがあります。例えば、2018年はリバーブの良いプラグインが大量にリリースされました。2019年はコンプだったと思います。

個人的に2018年はかなり衝撃的でした。というのも自分が初めてこんな凄いリバーブあるんだと感心したRare SignalのTransatlantic Plate Reverbが発売されたからです。
ただこのリバーブは大変な美音なんですが、操作出来る事がほとんど無いという、なんとも潔いリバーブなんですね。

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ドイツ(EU)とアメリカの2択、Low/High CutとDecayとPre DelayとMixとOutputしかないTransatlantic Plate Reverb。リバーブのテールが美しい。

LiquidsonicsやUVIにKush Audioも出しました。そんなPlate Reverbについて書きました。

リバーブの歴史

 レコーディング後に響きを加える事は、現代では当たり前のことになりました。しかしそれはレコーディングの黎明期から1950年代までは、当然の事ではありませんでした。50年代までは響きはスタジオの音そのもので(現代でもその側面はまだ残ります、かなり難しくなってきているとも思います)、スタジオがいい音で鳴らないと評価されない時代でした。

50年代からエコーチェンバーという響きを作る部屋が生まれました。部屋は石やコンクリートで出来ており、ここで録音した音を流して再度録音します。自然な響きが録れる代わりに、大きな部屋が必要で、響きを変えるのが大変でした。

エコーチェンバー (1)

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スピーカーで音を鳴らし、その音を録音するエコーチェンバー。ポールのおく場所を変える事で部屋の鳴りを変える事ができる。

 EMT 140の誕生

 1965年、ヴァルター・クール博士の開発したEMT140が実用化されます。ドライブユニットから鉄板に音を伝え、その響きを2つのピックアップが拾うという仕組みです。EMT140は2.445✖️1.31✖️332mmという大きさで、中には薄い鉄板と吸音素材でできたダンピングプレートが吊るされています。ダンピングプレートはリモートスイッチにより動かす事ができ、ダンピングプレートと鉄板の距離を変える事で、残響時間を変更する事ができました。

 EMT140は名機として歴史に残る製品ですが、スタジオで目撃できるものではありませんでした。というのも大抵の場合は、マシンルームか専用の部屋に置かれているものだったためです。

 EMT140は古い機材というのもあり、個体差があります。綺麗に伸びていくものや、スプリングリバーブのようなものもあり、複数所有する大きなスタジオのエンジニアは自分の好みのものを選んで、使うようです。

 またプリディレイはなかったので、ディレイをインサートする必要がありました。現代のプラグインにはついている機能も実機にはない事が多いです。その辺りはプラグインの便利な良いところだと思います。

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今回はこの辺で一旦筆を止めたいと思います。第二回では、プラグインのEMT140について書きたいと思います。



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