三行短編集・その伍
キリスト教の権威はヨーロッパからアジアへアフリカへと拡大し、地球を席巻した後宇宙へと旅立った。火星人を改宗させたのちエウロパへと赴き紐上単細胞生物を十字に交差させた。しかしながら続くアルファケンタウリの星々においてはキリスト教は定着しなかった。一年が長過ぎて次のクリスマスは途方も無い先の未来であったからだ。
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まんじゅう怖いを成立させるためにはリソースを厭わずに嫌がらせを行う人物の存在が必要不可欠である。
まずこれを用意することとする。
「リソースを厭わずに嫌がらせを行う人物怖い… はリソースを厭わずに嫌がらせを行う人物怖い…」
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死後も使えるスマホ。なんと墓石の機能つき。
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スマホの小型化と液晶画面の大型化のせめぎ合いは佳境を迎え、スマホではなく人間が伸び縮みする事に。
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「ローマを見て死ね」
ローマを焼かれ、ローマを失った地球人は不死身であった。
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75歳になると遺伝子書き換えを行い金木犀に生まれ変わり街路樹にする自治体。
(生涯雇用)
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美大生の彼女とは感性が合わず別れ話を切り出した。必死に別れたく無いと訴えかける彼女の顔がみるみる崩れてキュビズムへ。
そしてとうとう「泣く女」に。
やはり感性が合わない。
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スマートフォンの普及に伴い、人間の指は細く長く。スマートフォンの普及に伴い筆記具はデジタル化され教育や生活の場から姿を消した。
未来の考古学者、鉛筆削りの化石を見て。
「これは指を削る拷問器具です。主に学校で使われていました」
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満席のプラネタリウムにて放送事故。
死兆星が映し出され皆死んだ。
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地球へ攻撃を仕掛ける前に地球の歴史を調べた用意周到な宇宙人。
資料によるとこの星の連中は戦争ばかりしています。そのうち勝手に滅ぶでしょう。
宇宙人たちは去っていった。
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